見出し画像

わたしたちが光の速さで進めないなら


消えていったひと、遠くにいるひとを未来からみつめるSF短編小説。


もう会えないひとたちをサイエンスとテクノロジーで繋げ、あらためて別れを告げさせる。もうないはずの温もりを感じさせる作品だった。

いつも小説読んでいると、自然と情景が思い浮かぶような作品が多く、そういった部分から心が動いたりする。ただこの短編小説は情景が浮かぶのだが、その情景が、少しぼやけた印象だ。ひとびとの顔も、少しぼやけていて、まるで昔を思い出すような感覚になる。それは未来の世界で生きるひとたちが、昔のひとをたいせつに思い出すからだ。

登場するひとはシングルマザーや老人がでてくるが、年齢や性別を口調で分けることなく、フラットに入ってき、なおかつ丁寧に書き分けられている。

読み始めてから毎晩、一遍ずつ読み進めていった。未来のなつかしさを感じながらベットに入る。なつかしさが、さびしさに変わっていくのを感じ、毛布にくるまり眠りに落ちていった。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?