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「でも」を引き算

会話をするとき、10年くらい前からいつも気をつけていることがある。出来るだけ、「でも」って言わないことだ。

きっかけは学生時代の友人の口癖だった。彼女は自分の話がしたい人で、誰かが話している時も常に口を挟むきっかけを探していた。その切り出し方がいつも「でも」で、その絶え間ない「でも」に私はほとほと疲れてしまったのだ。

ブーメランは返ってくるもので、「でも」が口癖になっているのは彼女だけじゃなかった。よくよく自分の発言に注意してみると、なんと私自身も無意識に「でも」を多用する一人だったのだ。家族と、夫と、友達と。親しい相手との会話ほど「でも」を連発してしまうことが多いような気がする。加えて、ひとの言葉に注意深く耳を傾けてみると、とっさに口をついて出てくる最初の一言が「でも」になってる人はものすごく多いことに気づく。

どうしてだろう、意味のないたくさんの「でも」。自分の発言を強調したいから?新しさを感じさせたいから?興味を引きたいから?考えてみると恥ずかしくなった。私の「でも」で嫌な気分になった人もいるんじゃないだろうか。そう思ってからは、出来るだけ自分の言葉から「でも」を引き算してきた。

10年前から気をつけているということは、恥ずかしながらいつになっても癖が抜けていないということだ。だから、「でも」の引き算はいつでも私の習慣だ。

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