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昭和の人がSFに描いた夢の世界

「人生詰んだ」状態をリセットする魔法

第2章 魔法の時代に竹槍歩兵?
・全員で同じ方向に進む時代は終わった
・終身雇用&年功序列はどこまで踏ん張れるか
・同年代に遅れても復活方法はいくらでもある
・昭和の人がSFに描いた夢の世界
・勝者がいつの間にか敗者に!?

・昭和の人がSFに描いた夢の世界

マスメディアは国民の志向を象徴する。
メディアにとってスポンサーが付くためには多くの人々に見てもらう必要がある。
「国民は何に需要があるのか」を分析し、それを踏まえて制作しなければならない。

中には高視聴率を狙って不発のものもあるが、複数のメディアが共通して扱うものは、今、国民の関心が高いテーマだと言える。
テレビ番組を分析し、どのような特集が多いのか、雑誌やネットの記事などでも良いので、一段階上のメタ視点で傾向を見てみよう。
それがその国の人々の方向性である。

現在のメディア志向を見てみると、昭和特集・平成の文化など懐古的なものが多い。斬新な内容だと支持を得られるかわからないため、一定の支持者が確実に存在するテーマを選びがちだ。
すると未知の未来の話より自ずと既定の過去の話になってくるのだろう。

日本が懐古主義に陥っている一方で、中国やインドなど未来に向かって新進気鋭の国では、過去よりも未来の世界に向けての特集が多く組まれている。
10年後はこうなる。20年後はこんな世界になる。夢のような話が広がる。

実は、日本もかつては同様に未来の話が中心の時代があった。
昭和や平成の半ば頃までは、未来から来たロボットの話や、SFや最先端技術のテーマが中心であった。

余談だが、現在、VRや5Gなどの未来技術に関心があるのは、専ら40代よりも上であり、自分が若い頃に科学技術の躍進で世の中が大きく変わったことを実感した世代である。
「若い人は新しい技術に興味がある」と思われがちだが、今の若者は、子供の頃からインターネットやスマートフォンが当たり前のようにある環境で育ってきた。
強いて言うならば、SNSが写真や動画中心になってきた、と言うぐらいの変化だろう。

つまり、今の若い人は昔の若者に比べ、先端技術が世界を変える、と言う意識が少ないのである。
それもこれも、今の時代が飽和状態にあることを物語っている。便利な世の中となり、既に満ち足りた時代なのだ。

昭和の頃は、まだまだ不便であり「こんな世の中になればなあ」と言う願望がSFとして描かれていた。
その頃の人々が夢に描いていた世界が、今や現実となっている。
スマートフォンでいつでもインターネット経由で世界と結ばれ、好きな時に好きな動画を見ることができ、欲しいものは通販で自宅に届く・・・我々の生きている世界は、夢の楽園なのである。

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