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aob212
春コート
今年の3月は、なかなか暖かくならず。真冬の頃は暖冬ではあったものの、いざ初春となるとなかなかコートを手放せなかった。
そうは言っても3月末にもなると、冬のダウンのようなコートまでは必要ではなく、ちょうど良いコートが無いか家の中でいると、長男の薄めのコートを見つけた。
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心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
なんだか、スーツそのものみたいだな。
ちょうど良いものを見つけたと、私は、嬉しくなった。
長男のコートは、それほど使われていなくて。まだまだ、十分に使える。
桜の開花予想は、当初、3月20日あたりだと言われていたが、結局は2週間ほど遅れたように思う。そしてその、桜の開花を待っている間、この春コートを着ていた。
春コート。
勝手に私が名付けて、その季節、ほんの一瞬だけ着ていたのだが。今年から、秋にも着てみようか。
春秋コート。
そうなるのかも知れない。
あと何年、働けるのかはわからない。スーツを着て出勤するような仕事でもないかも知れないし、将来なんてわからない。
だが。
なんだか、もう少し働いていきたいと、この春、思わせてくれた、春秋コートだった。
そんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が笑って脚を指さして笑って言った。
コジくん、なるべく長時間、長期間、働くように、ね。
……。
それこそ、神のみぞ、知る、だな。
さて、いつものミッションの発動だ。
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。
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