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シークアーサー

義弟が、南の島にひとり旅だったのは、去年の初めの頃だったか。今も元気にしているようだが、彼はちょっと変わっていて。

せっかくLINEをつないでも、コメントを入れてくるときはジャンジャン入れてくるのに、突然、退出して行方不明になったりする。

ちょっと情緒不安定な人物なのである。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

ほんっと、困ったものだな。


だが、彼、こまめにいろいろと、動く人物で。いろんなことを調べ、人のためになるような情報を提供したり、提案したりする。

また、資格をいくつも持っていて。常に新たな資格にチャレンジするために勉強していて。向上心の塊なのである。


その彼が、こちらに残した家族を通して、私に、届け物をしてくれた。

シークアーサーだ。

すぐに飲んで感想をLINEに入れれば良かった


かなり前の話で。そのまんま、冷蔵庫に入れて忘れていた。


既に少しだけ賞味期限が切れていた。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

コジ、フードロスハンター(注1)だよな。まだ、いけるぞ、これ。


そして、そのシークアーサー。飲んだ。


かなり、酸っぱい味がしたが、南の島の、義弟の匂いがしたような気がした。


家族を残して、ひとり、南の島に移住して仕事に頑張っている義弟。いろいろと、やりたいことがあるみたいだ。


体に気をつけて、頑張ってほしいものだと思う。

義弟とその家族、家内の妹家族の健康と平和と安寧を、今宵の月に祈ろう。



そんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が脚を指さして笑って言った。

コジくん、まずは、自分の向上心、少しあげていこうか。


なんのはなしですか。

今日は、ノーマルに


マッサージをすると、家内は上機嫌である。


家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。





だから。





これで、いいのだ。


(注1)世界中で社会問題にもなっている、フードロスを無くすために、まずは身の回りの賞味期限切れを無くすように、ひとたび賞味期限切れとなった商品をチェックし、たとえ賞味期限が切れていても、匂いや色や味見から食べられるかどうかを真剣に判断し、食べられるものと判断したものは、無闇に廃棄せずにきちんと頂く。そういう活動をする、ボランティアのこと。私が勝手に作った造語である。


何のことはない、身辺雑記  笑


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