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【コラム】リーマンより詳細不明なブラックマンデーも解説!そこから見える大局観は・・・

先日書いた【コラム】ではリーマンショックの概要について説明をしました。

【コラム】みんな意外と詳細を知らないリーマンショックを簡単に解説

しかし、ブラックマンデーのことは更に多くの人が知らない事件なのでしょう。もちろん私も知りません!しかし、今回のコロナ暴落の後、今後の経済の展開を予想するためにも歴史を学ぶことは最重要です。暴落期間や株価推移の傾向など、リーマンやブラックマンデーに類似する点もあると言われていますからね。今日はとりあえず、ブラックマンデーの概要について調べた範囲でお伝えします。

まず、ブラックマンデー発生の背景には、為替のコントロールに四苦八苦していた時代背景があるようです。

ブラックマンデーまでの流れ

超簡潔にですが、戦後からブラックマンデーまでの背景をまとめてみました。まず、アメリカは戦後から1960年以前まで大成長をしましたが、その後はついに天井を迎え、1960年代は世界規模のインフレが始まっていた時代でした。景気停滞により生産性は低下してきているのに賃金上昇は続き、アメリカの国際競争力は低下します。反面、日本は戦後復興して台頭しはじめ、対米貿易で有利になり始めました。アメリカの貿易赤字が顕著になってくるのでしょう。

1970年代に入りオイルショックが発生すると、原油高により企業の生産が急激に減少し、景気停滞が加速します。しかし物に対する需要はすぐに変動しませんから、急落した供給を上回っていたままです。結果として物価は上昇し続け、いわゆるスタグフレーションが発生しました。スタグフレーションとは、景気が停滞しているのに物価は上がり続ける状態のことです。1960年代頃から、アメリカは貿易赤字と財政赤字の「双子の赤字」に苦しむことになります。また、1970年代のアメリカは世界への投機等によりドルが過剰に流出し、ドル安状態が進んでいました。1971年は1ドル350円、1979年には1ドル200円を割れます。

1981年に就任したレーガンは、スタグフレーションを解決するためにレーガノミクスを実施。すなわち、

①歳出の削減:財政赤字(歳出>歳入)の状態を改善。
②所得税の減税:消費は拡大⇒しかし輸入増で貿易赤字は拡大。税収も減るため、歳入も減少。
③各種規制の緩和による生産性向上。
④通貨供給量の抑制でインフレ対応:

これら減税や軍事増強により財政赤字は拡大しました。国債発行の急増で金利が上昇、今度は過剰なドル高になりました。ドル高が行き過ぎた結果、アメリカの輸出産業は不利になります。減税による消費拡大はあったものの、輸入は増加して貿易赤字も大きくなります。

今度はこのドル高を是正するために1985年のプラザ合意に話が繋がります。これは各国の外国為替市場における協調介入です。表向きは行き過ぎたドル高の是正ですが、異様なスピードで経済発展していく日本をけん制するためのものでもあります。当時の円安は日本の輸出企業を育てました。アメリカが抱える貿易赤字の原因にもなりました。レーガノミクス、プラザ合意という言葉は我々も学校の歴史の授業でサラッと学びましたが、サラッと流していいような内容ではありません。各国経済のために日本が世界からけん制を受けたことも知るべきですし、世界経済の動きは地政学的なものの見方も含め、今もこの繰り返しなのです。だから投資家は歴史をしっかり学ぶ必要があります。

プラザ合意により再びドル安になりましたが、今度はまたまたドル安に行き過ぎましたので、1987年にルーブル合意が結ばれます。しかし、西ドイツが自国のインフレを懸念し、協調できず効果は出ませんでした。結果、ドル安は止まらず、ブラックマンデーが発生します。行き過ぎたドル安で為替市場が不安定化し、世界の株式市場に波及しました。自動売買の売却連鎖もあり、あっという間にダウは22%の下げを記録します。日本は自動売買が普及していなかったので、アメリカほどダメージは大きくなかったと言われています。

つまりブラックマンデーは、ドル安是正⇒ドル高是正⇒ドル安是正(失敗)という為替対応の結果として発生した暴落です。

日本はブラックマンデー後も金融緩和路線(円安ドル高政策)を継続します。アメリカの圧力もあり、金利を上げることが難しかったのです(金利を上げると円高ドル安方向になってしまいます)。

しかしプラザ合意以降続いたこの金融緩和政策が、後のバブル経済を作り出します。結果としてブラックマンデーのダメージが小さく、回復を早めたことにも繋がったわけです。

こうやって見てみると、日本は声の大きいアメリカに振り回されがちですが、我慢した後でしっかり利を得ているパターンが多いですね。昔から、アメリカは派手に動いて、後から派手にツケを払うパターンもまた多いです。日本は派手に動くことはなくても暴落ダメージを小さくし、取れる利益は確実に取っている印象です。

リーマンショックの暴落でも解説しましたが、日本はサブプライムローンを取り入れた金融商品にあまり手を出していなかったことも功を奏しました。バブル崩壊の時に不動産投資で苦い経験をしたことも理由かもしれませんね。

各暴落の時の数字の比較は、後日やってみようと思いますが、概要だけ整理して見てみても、なんというか、民族性ってこういうところにも見えますね。

私はいつも述べているように、このコロナ騒動の後、2022~2023年頃から新時代がやってくると思っています。良くも悪くも日本人らしく貯め込んだ内部留保が火を噴く時代が来ると言っています。先程つぶやきでも挙げたように、企業の生産拠点も今後は脱中国の流れが進み、ハイテクなど一部の生産拠点は国内回帰します(アパレルなど、業態によっては東南アジアへの移転でしょうけど)。つまり企業が大きく飛躍する時代は来るのでしょう。

この動きに先行しているのはやはりアメリカです。トランプ就任以降は生産拠点の国内回帰が既に進み、1兆ドルクラブGAFAが既に経済を牽引しています。自国ファースト、として批判されてきましたが、私はトランプ当選時から彼の当選でアメリカ経済は急回復すると述べていますし、事実、その流れでここまで来ていますね。コロナで株価こそ落ちましたが、アップルの株価を見るとまだ新時代への流れは継続しています(一昨日の動画でも解説しましたね)。

そして単一的な国際化を目指す次代も終わりです。自国主義とまではいかなくとも、中規模なブロック経済に分かれた経済圏の形成が顕著になっていくのでしょう。そこにはもちろん、対中国の牽制も考慮されるはずです。

こういった大局観の元、私は3Dプリンタ銘柄の6633C&Gシステムズや、日本の金融の心臓である三菱UFJ銀行を選んでいるわけです。皆好きな銘柄をえらびましょう。新時代が来ればいろんな分野の銘柄が騰がるでしょうから、自分の興味のある銘柄で良いと思います!

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