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DP-X1/DP-X1AとOPUS#3

今回はポータブルデジタルオーディオプレイヤー対決をしてみたいと思います。一つはONKYOのDP-X1/DP-X1A、もう一つは最近発売になったaudio-opus OPUS#3です。この2機種を選択した理由は色々ありますが、価格帯が近いこと、重量もDP-X1/DP-X1Aは205g、OPUS#3が220gとほぼ同じであること、どちらもAndroid OS 5.1.1を採用していること、どちらもバランス出力を備えていること等です。なお今回ONKYOのDP-X1/DP-X1AはDP-X1Aの方を使用しています。DP-X1とDP-X1Aは内蔵メモリ容量以外は仕様はほぼ同じなのですが、電源部や回路が強化されており、実際音質はDP-X1よりも良くなっています。

まずは液晶対決から

左がDP-X1Aで右がOPUS#3です。OPUS#3も発色は良い方なのですが、色が全体に白っぽい感じで、発色が鮮やかなのはDP-X1Aの方でした。DP-X1Aは4.7インチの液晶で、OPUS#3は4インチと液晶の大きさも違います。

最大容量は?

DP-X1Aは最近公式に256GB microSDXCカード対応がアナウンスされました。DP-X1/DP-X1Aは内蔵64GB(DP-X1は32GB)とmicroSDXCカードが2枚刺せますので256GB×2でDP-X1Aは最大576GBのメモリ容量が使えます。これに対してOPUS#3は内蔵64GBとmicroSDXCカードが1枚しか刺せませんので最大320GBまでとなり、使える容量はDP-X1Aの方が1.8倍多いということでここはDP-X1Aの圧勝です。

操作性は?

どちらもスムーズに操作できます。ただ、DP-X1AはAndroidの機能がフルに使えるので、ONKYO以外のアプリの切り替えもスムーズで、Google Playで自由にアプリをインストールできます。これに対してOPUS#3はAndroidの機能をフルに使えずGoogle Play非対応で、アプリの利用にも制限があります。アプリの切り替えは設定画面からストリーミング選択画面を呼び出して、そこから切り替える必要があります。また、Google Play非対応のため、Google Playにアクセスするアプリは動作しません。具体的には有名なアプリですと、YouTubeアプリが動作しないことが分かっています。OPUS#3は実質プリインストールされているSpotifyアプリ以外は利用は難しいと考えた方が良いようです。

音楽再生の機能は?

どちらもフォルダ、曲単位、アルバム毎、アーティスト毎、ジャンル毎、プレイリストと基本的な機能は備えており、イコライザ設定も可能です。DP-X1Aは作曲者毎やファイルフォーマット毎でも分類してくれます。プレイリスト機能ですが、DP-X1Aはフォルダごとやアルバムごとプレイリストに追加できたりするのですが、OPUS#3はプレイリスト画面からフォルダを開けていって1曲づつチェックしていかないといけないのでやや面倒な感じです。OPUS#3に特徴的なのはプレイリスト機能だけでなく、お気に入りという機能があり、こちらにもよく聴きたい曲を登録できます。また、DP-X1AはDSP機能でアップサンプリングやデジタルフィルターを選べるなどより細かく音質を調整できるようになっています。OPUS#3にはアップサンプリング機能やデジタルフィルター選択機能はありません。DP-X1Aにない機能でOPUS#3に特徴的な機能はOPUS#3をパソコンとUSB接続して外付けのUSB-DACヘッドフォンアンプとして使えることです。反対にOPUS#3にない機能でDP-X1Aにある機能としてはDP-X1AからUSB接続で別のDACヘッドフォンアンプへ接続できることです。同じことをOPUS#3でしようとすると、3.5mmステレオミニジャックに光ケーブルを繋いで別のヘッドフォンアンプに繋ぐしかないです。なお、DP-X1Aには3.5mm光出力の機能はありません。ただ、ここは考えようで、確かに光出力ですと192kHz/24bitまでのPCM出力に限られてしまいますが、micro USB端子よりも物理的な接続が安定しています。モバイルで使うことを考えると光接続の方が実際的なのかも知れません。反対にUSBデジタル出力だと384kHzまでのPCM出力が出来たりDSDネイティブ出力ができたりするのであまり動かさない場所で使うのであればUSBデジタル出力が音質的に有利です。

対応するハイレゾフォーマットは?

DP-X1AはDSD(DSF/DSDIFF)、FLAC、ALAC、WAV、AIFF、MQA、Ogg、MP3、AACに対応し、384kHz/32bitまでのPCM音源と11.2MHzまでのDSD音源に対応しています。ただし、DSDはPCMに変換再生されてしまいます。これに対してOPUS#3はDSD(DSF/DSDIFF)、APE、AIFF、MP3、Ogg、AAC、FLAC、ALAC、WMA、WAVに対応し、192kHz/32bitまでのPCM音源と11.2MHzまでのDSD音源に対応しており、DSD音源はPCM変換されることなくそのまま直接再生することができます。DP-X1AはMQAが再生できる代わりにAIFF、WMAの再生には対応していません。なお、PCMの32bit音源はどちらの機種も24bitに内部で変換されています。ここは難しい所ですがDSD音源を直接再生できるOPUS#3は大きな強みです。聞き比べるとPCM変換されるDP-X1AはDSD音源の再生ではどうしても見劣り(聴き劣り?)してしまいます。反対にDP-X1AはMQA音源の再生に対応していることが強みですが、今の所MQA音源は徐々に広がりをみせてはいるものの、まだまだハイレゾ音源の中でも非常にマイナーな存在です。

バッテリーの持ちや本体の発熱は?

カタログ上はDP-X1Aは約16時間(96kHz/24 bit FLACアンバランス再生時)となっていて、OPUS#3は約8.5時間となっているので、DP-X1Aの圧勝ということになりますが、バランス再生となると、DP-X1Aは再生時間はもっと少なくなります。OPUS#3は画面が消えて数秒でスリープモードとなり、ほとんどバッテリーを消費しなくなります。DP-X1Aは連続使用しても本体が発熱することはほとんどないですが、OPUS#3はやや熱くなります(持てないほどではありません)。実際には満充電から同時に約4時間ほど使ってみた感じではDP-X1Aはバッテリーが81%、OPUS#3が71%とDP-X1Aの方が連続使用ではバッテリー持ちは良いようです。

最後に音質は?

DP-X1Aは大変音質が良いDAPで、特にバランス出力が優れています。音質比較はDP-X1AはDSP機能OFFでバランス接続のACG(アクティブコントロールGND)駆動で比較しました。DSP機能をOFFとしたのは、アップサンプリング機能がないOPUS#3と条件を合わせるためというのもありますが、実はDP-X1AはDSP機能をOFFにしたときの音質が最も優れているということもあります。イヤホンとヘッドフォンはPioneerのSE-CH9TとSONYのMDR-Z1Rを使用し、どちらの機種もバランス接続としました。

結果は、MDR-Z1Rでは甲乙付け難しでしたがOPUS#3の方がより臨場感に優れている感じがしたのと、特にPioneerのSE-CH9TではOPUS#3の方が音の深みがあり、余韻が優れている感じでした。OPUS#3に比べてDP-X1Aはややあっさりした感じになります。なお、一時停止時にDP-X1Aは短くフェードアウトしてくれますが、OPUS#3は普通にフェードアウトなく止まります。ここはDP-X1Aの短くフェードアウトしてくれる処理の方が好ましい感じです。

まとめると...

DP-X1/DP-X1Aは自由にAndroidアプリをインストールして使えるのが大きいです。OPUS#3は他社製アプリは事実上Spotifyという感じです。使えるメモリ容量は圧倒的にDP-X1Aの方が多いです。音質はどちらも優れていますが、OPUS#3はDSD音源を直接再生が出来ることが大きいです。大きさはOPUS#3の方が小さいもののやや厚みがあり、重さも15gほどOPUS#3の方が重たいです。DP-X1/DP-X1Aの方はUSBデジタル出力が可能で、OPUS#3はUSBデジタル出力の代わりに3.5mm光出力が可能です。色々比較するとメモリ容量やAndroid機としての自由度や使い勝手はDP-X1/DP-X1Aの方が良いと言えると思います。DSDネイティブ再生を含めた音質最重視ならばOPUS#3ということになりそうです。

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