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自動運転でかえって重大事故は増える?

自動運転でヒトの脳はパニックを起こしやすくなるという記事がありました。

つまり、自動車が高度に自動化して自動運転の時代になると、咄嗟の判断が人間にはできなくなるのではないか、ということです。テスラの自動運転車で死亡事故が起きたのは記憶に新しいです(自動運転で死亡者 米テスラ製車が衝突事故)。

自動運転が対応できない事態で人間が咄嗟に運転できるのか

これは自分も危険性を感じていました。例えば2車線の狭い高速道路で1車線づつ分岐する道があったとして、前を走る車が手動運転車で左右の分岐で迷った場合、後続する自動運転の車も当然判断に迷います。このときに急に人間に運転を代われと自動運転の車から指示されたとして、咄嗟に正常な運転ができるでしょうか?

上記のシーンは勿論、自動運転ではありませんが、実際自分が体験しました。前の車が、その土地での運転に慣れていなかったのでしょう、分岐は目の前なのにふらふら右へ行こうとしたり左に行こうとしたり挙動不審な動きをしていたため、自分はスピードを十分落としてとにかく車間距離を開けるようにしました。すると右へ行こうとしていた前の車が分岐直前で急に左ハンドルを切りましたが、自分は車間距離を開けてスピードをかなり落としていたので、追突することはありませんでした。

重大事故は、注意散漫でなく(誤った)注意集中によって起こる

自動運転中は意識が車の運転から完全に離れてしまいますので、急に人間に運転をせよと指示されると、たいていの人間はパニックになると思います。そういう時、人間の脳は極端な視野狭窄状態となり、正常な判断が出来なくなります。リラックスした状態の中での緊急事態というのは人間にとって高ストレス状態になりやすいということは覚えておいて損はないと思います。また、これは訓練である程度回避できます。

一つの対処法は普段から意識付けと訓練をすること

まずはこういう緊急事態に陥った場合を想定して普段から訓練しておくことです。先ほどの自動運転の場合は、オートパイロット(自動運転)が突然解除される場合がありうるというつもりで自動運転中も常に注意を払う、ということになります(何のための自動運転か、という話は置いておいて 笑)。

もう一つ大事なのは客観視(俯瞰)

また、大事なことは客観視(俯瞰)です。よく、一呼吸おいて、と言いますが、これが大変大事です。いったんカメラを引いてズームアウトすることで、周りが見えるようになります。周りが見えれば、自分が今まで集中していた対象が「狭すぎる」ことや、「間違っている」ことに気がつくようになります。「木を見て森を見ず」と言いますが、人間は特に高ストレス状態になると木ばかりを見るようになる傾向があることを常日頃から意識しておくことも大事ですね。のめり込みやすいタイプの方は特に注意した方が良いでしょう。

物事について自分を取り巻く全体とその中の自分の位置関係が「メンタルモデル」です。ただ、その「メンタルモデル」も自分の頭の中で考えたものは高ストレス状態下の視野狭窄状態だと客観視(俯瞰)が十分でない可能性が高いので、それを誰かにストーリーとして語り、批判があれば素直に受け取ることも大事です。その会話の中で自分が全く気がつかなかった視点での見方を知り、将来の危険を予知し備えることができるようになるでしょう。

客観視(俯瞰)はストレスが多い現代社会での生き方でも重要

上記は何も自動運転中の危機回避だけの話ではなく、ストレスが多い現代社会での生き方としても適用できます。普段から忙しい上に高ストレス下にあると、どんなに能力が高い方でも物事の見方が狭くなります。物事の見方が狭くなるばかりか、頭に浮かんできた感情や考えに左右されやすくなったり、行動したりするようになります。最近マインドフルネス認知療法と言って、心に浮かぶ思考や感情に従ったり、価値判断をするのではなく、ただ思考や感情が湧いたことを一歩離れて観察するという、マインドフルネスの技法を取り入れた認知行動療法も自分の客観視に役立ちます。

自動運転は事故総数は減っても重大事故はかえって増えるかも

自動運転の話に戻りますが、恐らく自動運転車が普及すると事故件数の総数は減るかも知れませんが、上記のようなことから、重大事故はかえって増えるのではないか、そのような気がしますね。自動運転なのに運転しないで車の周りの状況に常に注意を払い続けるなんて現実的ではないですし(長時間になればまず必ず眠たくなります)、かといって周りの状況に注意を払わない状態で、自動運転で対応できない事態が突発的に起こり、急に運転を代われと自動運転車から言われても、人間側が周囲の状況把握にまず時間が取られ、客観視などしている暇もなく(まずパニックになります)、結果望まぬ重大事故になってしまうと思います。日本の自動車メーカーが自動運転車に積極的でないのは国土の狭い日本の道路事情もありますが、このような事情も考えてのことと思います(ですから、あくまで運転支援にとどまっています)。

自動車の自動運転を目指すなら、人間が全く介在しなくて済む完全な自動運転しかないのでは、と思いますね。

なお、この同内容の記事はg.o.a.tにも公開しています。

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