見出し画像

ローリング・ストーンズ「も」好きなんですよ

ビートルズ系が好きですが

私は兄の影響でビートルズを幼稚園の頃に聴きまして。そのせいで基本はやはりビートルズなんですね。その後いろんな音楽を聴きましたが、結局原点がビートルズなもんで、メロディー好きになってしまいました。だから今でもよく聴くのは10cc、ELO、XTCといったものに戻ってしまうというか。
だからティーンの頃に聴いたストーンズの良さというのは当時はよく分かりませんでした。嫌いというわけではもちろんないんですが。
最初の出会いはレンタルで借りた当時の最新盤だったベスト盤の「リワインド」。それまで一度もストーンズを聴いたことがありませんでした。

ジャケットはめっちゃいいと思う

曲の区別が付かない病

で、その「リワインド」は各国で微妙に選曲と曲順が違うようで、私が聴いたのは日本盤のこの曲目。

A1 Brown Sugar A2 Undercover Of The Night A3 Start Me Up  
A4 Tumbling Dice A5 It's Only Rock And Roll (But I Like It)
A6 She's So Cold B1 Miss You B2 Beast Of Burden 
B3 Fool To Cry B4 Waiting On A Friend B5 Angie B6 Respectable

今見ればストーンズ・レーベル以後を総括したいい選曲なんですが、当時「ブラウン・シュガー」と「スタート・ミー・アップ」の違いがわかりませんでした(多分どちらもイントロがギターリフのみから始まるせいか)。いやぁ、ファンからは絶対怒られる…。ちなみにこの「曲の違いが付かない病」は、他にはビーチ・ボーイズの初期バラード作でも発症しました(「サーファー・ガール」「イン・マイ・ルーム」などなど)。
全体的な印象はビートルズと比べるとやはりメロディー成分が少ないので、さーっと聴き流してしまったなという感じ。「愚か者の涙」のようなバラードもミックのファルセットがどうにも合わなくて(そんな今は「エモーショナル・レスキュー」のミックのファルセットに痺れてしまっているという)、「ビースト・オブ・バーデン」「友を待つ」にしてもレイドバック感が血気溢れる10代にはその良さがわからない(今やトップクラスに好きな2曲)。「シーズ・ソー・コールド」に至っては「これはコミックソングか?」と思ってしまうほど(これはいまだにあまり好きではない)。だから当時はわかりやすい「アンダーカバー・オブ・ザ・ナイト」「ミス・ユー」がまあまあ好きだったくらい。ところが後にコアなファンにはこの2曲ともあまり評価が高くない、と知ってつくづくストーンズとは縁がないのかなと思ってしまいました。

久々に登場した86年の「ダーティー・ワーク」はシングル「ハーレム・シャッフル」は好きでしたが、これはカバーだったし、この頃はミックとキースが最悪の関係だったりと、アルバムはこれまたファンにはあまり評価が良くなかったのでレンタルで借りることもなく、この時もスルー。

デッカ時代で少し目覚める

その後、97年にアルバム「ブリッジ・トゥ・バビロン」からのシングル「エニバディ・シーン・マイ・ベイビー」を聴いて、「これはいい!」と思いアルバムを買ったものの、好きなのはこれと「フリップ・ザ・スイッチ」(ストーンズ最速曲らしい)くらいでした。

ただ、ここから少し興味を持って、中古でデッカ時代のベスト2枚(Big Hitsシリーズ)を「この値段なら買うか」と思って買って聴いたところ、「おや?結構いいな」と感じました。当時特に気に入ったのは「タイム・イズ・オン・マイ・サイド」(リアルタイムではライヴ盤「スティル・ライフ」は聴いていない)と「黒くぬれ」「マザーズ・リトル・ヘルパー」。やはり彼らの中では比較的メロディー成分が強い曲だったかも。

逆に「サティスファクション」「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」「ホンキー・トンク・ウィメン」「ストリート・ファイティング・マン」あたりは知名度の割にイマイチハマりませんでした。まだまだ当時は修行が足りなかったようです。

タイガースが魅力を教えてくれた

タイガースといってももちろん阪神ではなく。2000年代に入ってからですが、タイガースの再結成ライヴ(?)をテレビでたまたま見てまして。すると岸部一徳さんがストーンズの「アンダー・マイ・サム」をカバーしてました。この曲自体聴くのはその時が初めてだったんですが、その曲の良さに痺れたんですね。

映像ではジュリーが歌ってますが、私が見たのは一徳さんのヴァージョン。で、ここからストーンズを聴き直すことになりまして、オリジナル・アルバムを集め始めます(この時点では前述のデッカ時代のベスト盤2枚と「ブリッジ・トゥ・バビロン」、ヴァージンから出たベスト盤「ジャンプ・バック」しか持ってなかった)。何から聴こうかと考えて、まずは名盤の誉れの高かった「ベガーズ・バンケット」「レット・イット・ブリード」あたりから始めたわけです。そこで後者に収録されている「ギミー・シェルター」の凄さに圧倒。ここでストーンズ心に火がつきます。「なんだ、このカッコよさは」と。

そうして遡っていくといかに自分がストーンズの魅力を分かっていなかったのかと痛感したわけで。特に「ブラック・アンド・ブルー」や「エモーショナル・レスキュー」「刺青の男」あたりが大好きに。

ストーンズ流ファンクの「ホット・スタッフ」(ドナ・サマーじゃないぞ)なんかは明らかに彼らのキャリアの中では異質ですが、大好き。

ええわぁ。

まさにストーンズ印の最新アルバムから。

考察編

メロディー派の私がなぜストーンズにハマってきたのかというと何とも説明しにくいんですが、ストーンズの場合、「アンジー」だとか「ルビー・チューズディ」、「シーズ・ア・レインボー」のようないわゆる美メロの方が私には今ひとつに感じられる(名曲ではあるんですが)んで、ロックの楽しみ方としてリフやノリみたいなものがメロディーとは別であるんだなということかと。資質の違いとでも言いますか、メロディー/リフ,ノリのいずれかに合う合わないというバンドの個性があるんでしょう。どちらも両立しているバンドもあるんでしょうが、個人的にはどちらかに振り切った方がハマる度合いが強いように感じました。

ということで、かつての私のようなビートルズ至上主義の方々、ストーンズのノリに身を任せてみてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?