実写版「アラジン」
小さいころに繰り返し見たものは、きっと一生忘れないんだと思う。そんな何かがあるってとても幸せなことで、わたしにとってディズニー映画の「アラジン」がその一つだ。
どんなプリンセスが出てくるようなおとぎ話より「アラジン」が好きだった。ランプの魔人ジーニーはもちろん、人間臭く葛藤するけど誠実なアラジンも、自分を持ってる芯の強いジャスミンも、アブーも魔法の絨毯もイアーゴもキャラが全部魅力的で、ミュージカルのシーンも全部ワクワクドキドキした。ディズニーはどれも大好きなんだけど、今でもディズニー映画No. 1は「アラジン」だと思ってるくらい好き。
そんな「アラジン」が実写化するっていう情報を聞いたときは、待ってました!の気持ちでいっぱいだった。そして、公開初日の6/7に早速見てきました。以下ネタバレ有りの感想!
★アニメと実写のバランスについて
完全アニメをなぞるだけでなく、どうオリジナルストーリーを盛り込むかや、アニメならではの表現をどう実写にするか。アニメや漫画の実写化ってここが難しいと思うのだけど、アラジンはそれが違和感なかったと思う。オリジナルのストーリー(ジーニーの恋愛要素)も悪くなかったし、最初のストーリーの導入にこう繋がるのか!なるほど!と思って感動してしまった。これは人間が演じるからこそ違和感のない描写になったような気がする。
あと、たくさんあるアラジンの好きなシーンの一つに「一足お先に」でアラジンが市場を縦横無尽に駆け回るシーンがあるのだけど、実写のアラジンがアニメに負けず劣らずひょいひょいと衛兵から逃げるのがかっこよくて痛快で!アニメのエッセンスは残しつつ、実写だからこその迫力があってよかったなあ。最初の導入として満点だぞ。ミュージカルシーンは全般よかったです。満足。
キャラをどう描くかも、アラジン、ジャスミン、ジーニー、アブー、魔法の絨毯はアニメのままにわたしには見えたかな。アラジン、ジャスミンはアニメのままで、かつ、かっこよさかわいさ増しって感じでよかった!アラジンにときめいたよ〜。ジーニーについては次に述べる。
逆に実写だからこそキャラの描き方を変えたのかなって思うのが、ジャファー、イアーゴ、サルタン王かな。ジャファー、イアーゴ両名のヴィランズの描き方が、悪くないけどなんか一歩足りない感じがしたかなあ。アニメのジャファーはなんかいやらしいイメージだったのだけど、実写のジャファーは私的にはいい意味で爽やか、悪い意味でキャラが弱い感じがしたなあ。アニメのジャファーのねちっこい変態チックな感じが好きなので…。イアーゴも、喋るオウムをどう表現するのか難しかったのかなあ?あのアニメのユーモラスなイアーゴが好きだったから、物足りなかった。その点、実写版美女と野獣のガストンはウザキャラそのままで好きだったな。笑
サルタン王は、キャラの調整のバランスが上手いなあと思った。アニメのサルタン王はかわいさに振り切っているのだけど、実写でそれを表すのはちょっと違うよなあと思うので。普通の王様らしさの中に上手くお茶目さを入れてきたなーって感じで◎
★ウィルスミス×山寺宏一のジーニーが最高
「アラジン」はジーニーがいないと成り立たない。ストーリーの進行上でももちろんそうなんだけど、それだけじゃなくて、正直主人公のアラジンやヒロインのジャスミンよりも存在がおっきすぎるキャラだと思う。ジーニーの完成度で、実写版「アラジン」の完成度が変わるって本気で思う。
だから、それを演じ切ったウィルスミスはほんともうさすがとしか言えないし、声をあてるのは山ちゃんしかいないよねって思う。山ちゃんに関してはアニメでのジーニーの役がもう完璧だったので、ほかの人は出来なかっただろうなって思うし、今回の吹き替えも素晴らしかった。ジーニーの出演シーン以降から、ぐっと「アラジン」らしさが増すんだよ。それはアニメ版でもそうなんだけどね。魅力が何割り増しにもなる感じ。
実写のジーニーは少しアニメとは違う雰囲気のジーニーなんだけど、ちゃんとジーニーだって思えるのは山ちゃんの演技だからだろうなあ。ほんとに、山寺宏一ボイスで、ジーニーが、「アラジン」が見れるってだけで、吹き替えで見る価値あります…。なのでもっと吹き替えの上映回数増やしたり、おっきいスクリーンで上映したりしてほしい。
★アランメンケンの歌が最高にいい
「アラジン」の良さはストーリーやキャラもそうなんだけど、導入歌がめちゃくちゃいいんです。有名な「ホール・ニュー・ワールド」だけじゃなくて、「アラビアンナイト」も「一足お先に」も「フレンド・ライク・ミー」も「アリ王子のお通り」も名曲しかない。全部好き。アランメンケンまじ天才。それらの曲が実写版にアレンジされるのはなかなかに堪らない気持ちになり、耳も目も幸せでした。あれらのシーンだけでも何度も見たい。
YouTubeに上がってる中村倫也の歌の動画が音外してるだのいろいろ言われてたけど、劇場版の歌はふつうによかったよー。アラジンが歌ってるなって思えた。ちなみに、セリフの吹き替えもよかったです。
歌詞変えも、賛否両論あるけど、実写版のストーリー展開やセリフに合わせた歌詞変えだったとわたしは思うので、悪くはないけど、「フレンド・ライク・ミー」の友達アピールがちょいしつこかったかなとは思う。
あと、今回ジャスミンのオリジナル曲もあったのだけど、既存曲と比べるとうーん…って思っちゃったなあ。別に楽曲が悪いわけではなく、既存曲たちがそれくらい存在強すぎるってことなんだと思う。無理して新曲入れなくても見てる方は満足できたんじゃないかなーとは思ったり。
好きな作品な分やっぱり手放しに100点!!!とはならないけれど、それでもあの名作をここまで実写として表現してくれた製作スタッフたちの仕事はほんとすごいと思うし、演じ切った俳優さんたちも本当にすごい。ディズニーの実写化見たとき毎回言ってるけど、まじで思う。もともとある作品と同じレベルのものを作るってとても難しいことだとわたしは思うのです。役者さんたちは、アクションありダンスありで、これすごい役作り大変だったのでは…って思うからメイキングが見たい。そして、やっぱり「アラジン」は最高のエンターテイメント作品だって思います。ストーリーを知ってても、こんなにワクワクをくれる作品をわたしは他に知らないよ。もう一回見に行ければ見に行きたいなー。
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