ドラえもん 南極カチコチ大冒険

日常的にドラえもんのアニメを見る機会も多く、水田わさびさんのドラえもんも素直に可愛いと思えるようになって、映画版も見るようになった。今年の宝島も気になるけれど、昨年の南極カチコチ大冒険がAmazonプライムにあったので鑑賞してみることに。

一言で感想を表すと、これぞドラえもん映画!
新ドラえもん映画は旧ドラえもんのリメイクか、ひみつ道具ミュージアムしか見たことがなく、リメイク版は旧ドラえもんを踏襲している部分がもちろん多いので言わずもがな面白い。ひみつ道具ミュージアムは面白いけれど、今風の映画っていう感覚で、まぁこれもありかな〜とは思うけど、はまらず。でも、この南極〜は制作スタッフの旧ドラえもんへのリスペクトが多々感じられるところが多く、懐かしいけど新しい気持ちで見れてよかった!

以下、良かった点。

日常から冒険が始まり、また日常に戻る。
季節は夏。暑さをしのぐためにかき氷をおなかいっぱい食べたい!という、ある意味しょうもないきっかけから物語ははじまる。そこから単純にかき氷を作るのではなく、氷山に行ってかき氷を食べようという展開になるのが、これぞドラえもん映画の醍醐味!
氷山でかき氷を食べるために出した道具を使って、氷の椅子や氷の遊園地を作るっていう発想もとっても素敵だし、そこから繋がるOPは秀逸。大好きな映画、雲の王国を思い出した。わたしが子どもだったらこの冒頭のシーンはきっと繰り返し見るくらいお気に入りになっただろうなと思うくらいに、わくわくがつまっている。
そこから舞台は南極に移り、さらに時代も10万年前に移動するんだけど、その設定もまたオツ。10万年前の世界でヒョーガヒョーガ星(ネーミングセンスがF先生っぽくて◎)から地球に来ていたカーラとあれこれ冒険をするのび太たち。冒険をしていく中で困難と出会い、それを乗り越え、そして冒険は終わり、最終的にはのび太達はもとの生活の場へ戻る。
そこからのラストのシーンがもう満点。とっても優しい気持ちになるんです。天体望遠鏡を覗くドラえもんとのび太。そこから見る星は、10万光年先に見えるヒョーガヒョーガ星。現代に戻ってきても、星の光は届くのにとっても時間がかかるから、10万年前の彼らの星の様子を今まさに見ることが出来る。果てしなく遠いけど、もう会うこともないけど、繋がってないようで繋がっているんだと思える。そして、ドラえもんの「だいぶ涼しくなってきたね、夏もそろそろ終わりだ」っていう言葉、「のびちゃん、ドラちゃん、ご飯よ」と呼ぶママの声、エンディング曲のイントロ…全部がエモーショナルで、たまらない。
日常が非日常になって、そしてまた日常が繰り返されるっていうことの愛しさ。映画版ドラえもんとアニメ版ドラえもんが繋がっていくような気がして、大好き。

氷山の成り立ちや、スノーボールアースの説明をするドラえもん。
こういう科学や勉強の知識が入ってくると、わー!ドラえもん映画だー!って思う。雲の王国とか、日本誕生とか、創成日記とか、ちゃんとした理論に基づいて物語が成立しているとぐっとリアリティが増してくるよね。小さい頃はこういう話って100%は理解できないけれど、それでも理解しようとして繰り返し見たりしてね。
そして、今回の映画では夜な夜な本を読んで知識を得るドラえもんの姿が…!いつもドラえもんは物知りだなあと思っていたけれど、こうして勉強していたのかと思うとぐっと可愛さが増す。だからこその、次の日のみんなへのプレゼン能力。見習おう。笑

画が素晴らしい。
今回のテーマは、南極、氷。ということで、それらにまつわるシーンがたくさんあるんだけど、氷の質感だったり、オーロラや星空の背景がとにかく奇麗!!めっちゃ丁寧に作られているのがわかって、それだけで好印象。これは映画館のスクリーンでぜひ見たかったなと思うレベル。南極でピーヒョロロープを使ってそり滑りをするシーンは、まさに画を見せるためにある。スタッフさんの仕事の素晴らしさを感じた。
あと、新ドラえもんになってから、毎回映画ごとにキャラデが変わっていると思うのだけど(宝島はちょっと癖があるような…)、この南極〜は、普段のアニメとそう変えずに、でも可愛さをプラスした感じで、ちょうどよかった気がする。色合いもよかった。
ただ、ドラえもんの動きというか質感?がちょっと柔らかさを感じる場面もいくつかあって、「ドラえもんってこんなぷにぷにしてる感じなのかな?」って思った。これは、個々人の持つドラえもんのイメージだよね。そうそう、質感で言えば、タケコプターを使うときに、のび太の髪がふわっとするのって、今まであんまりなかった気がする。けど、そういう部分もこだわって描かれていて、わたしはそれが好きでした。

他にも
・アトランティスをいとこのお兄さんから聞くスネ夫(スネ吉にいさん…ものしり…)
・ドラえもんがピンチに(この無条件で不安を煽られる感じがある意味大長編)
・なつかし道具がたくさん!(コエカタマリンめっちゃ好きだった!)
・ドラえもんとのび太の友情
などなど、見所がたくさんでした。

あと、公開当時話題になったポスター。見終わった後にキャッチコピーを見返すと、なるほど上手いな、と思える。ポスター自体もとってもオシャレなデザインで、グッズ化してほしいくらい。

個人的に、南極カチコチ大冒険はドラえもん映画の上位に入る映画だった。
今公開されている宝島も賛否両論あるけれど、いつか見てみたいと思う。

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