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QAエンジニア的スクラムマスターのススメ
「QAエンジニアとして参画したチームがスクラムだった。スクラムに出会ってしまった。その透明性は私を虜にした。あっという間に夢中になった。それは単なるフレームワークではなく、憧れや羨望の対象になったのだ。」
こんにちは、nacoです。
本音を書いたら、おかしな序文になりました。
スクラムを深く知りたくて、スクラムの中に深く潜りたいのです。
まだまだ深度は足りませんが、潜り始めてProfessional Scrum Master I(PSM I)を取得しました。
スクラムに魅了されてから、資格取得までの経過を記録に残したいと思います。
同じようにスクラムに魅了された誰かの参考になればうれしいです。
1.はじめに読んだ本
スクラムチームのメンバーになって最初に読んだ本は「Agile Testing Condensed」の日本語版。
読もうと思った理由はタイトル。
私はQAエンジニアなので、テストについて知りたかったのです。
どんな考え方でテストに挑むべきか概念的な部分が書かれていました。
最後にテストする よりも ずっとテストし続ける
バグの発見 よりも バグの防止
機能性をチェックする よりも チームが理解している価値をテストする
システムを破壊する よりも 最高のシステムを構築する
テスターの責任 よりも 品質に対するチームの責任
![](https://assets.st-note.com/img/1694353875527-TvoYUOS3QK.jpg)
読んだ瞬間、心臓がドンとなりました。
今まで開発工程の最後で、急かされるようにテストをしていたのです。
何ヶ月もかけて何千項目もテストケースを作り、実施段階になって機能がドロップしていることもありました。
不具合を見つけても直してもらえない。直さない理由は「リリースまでの時間がないから」
月300時間以上働いてテストを完了させ、期限を守ることで評価されてきました。
小さな小さな目の前の世界の中で、いかにメンバーの負荷を下げるか、どうやって素早く火を消すか、そんなことばかり考えていました。
「本質的なことを何も考えてこなかったんだな」
気づいた私は、それを実務に活かしたくてたまらなくなりました。
2.スクラムマスターになりたい
スクラムチームでQAをするようになり、Agile Testingを実践したい気持ちを抱えながらも実務に落とし込めない日々を過ごしていました。
何からやったらいいのかわからず、何をするのが効果的なのかわからない。
でも一つだけやってみたいと思うことがありました。
探索的テストです。
ストーリーテストを探索的テストに置き換えるのではなく、プラスαの品質向上に踏み込むために使いたかったのです。
QAだけが探索的テストをするのではなく、開発チームみんなで探索したい。毎スプリントそういう時間を作って、動くプロダクトに対する気づきを得たい。
不具合を探し出すだけではなく、もっと良くするきっかけになるように、自分たちのプロダクトをみんなでじっくり触ってみたい。
チームに参画して間もなかった私にとって、この提案をするのはハードルが高かったです。みんなの時間を奪うのも、アイディアを否定されるのも怖かった。
勇気を出しました。
「もしよかったら」「自由参加で」「短い時間で」「試しに」
いろんな逃げ道を文章に散りばめて、Slackを投げました。
レスポンスがありました。
「いいんじゃない〜?カレンダー入れとくね!」
軽い!!!と思ったのと同時に、これはすごいことだと思いました。
心が軽くなって、ワクワクしました。ここはチャレンジしていい場所なんだ。
ふわっとしていて自然体なのに、いつの間にかしっかりスクラムを定着させるスクラムマスターとの出会いでした。
その後もスクラムマスターはふわふわ現れて、チームにアウトカム思考やマインドセットを根付かせていきました。
その過程はとにかく楽しかった。
発見と実験とふりかえり。
みんなでプラクティスを持ち寄って。
なんとなく思いました。
こんなことが出来るスクラムマスターになりたいな。
3.どの資格をとるかの迷い
それから少し経ちました。
チーム体制はLeSSとなり、チーム自体も自分たちで考え動くことが多くなり、スクラムマスターを見かけることが少なくなりました。
なかなかスクラムマスターの仕事を観察することができなくなりました。
スクラムマスターへの渇望です。とても乾いたのを覚えています。
本を読んだり、他のチームのSlackを追ったりしました。
楽しいのは一瞬です。
つまらないのです。
満たされないのです。
今しかないなと思いました。
スクラムマスターになることにしました。
資格を取っても、私の見たあのスクラムマスターになれるわけではない。
それを知りつつ渇望を超えた欲望は、目に見えるものを欲しがりました。
取得することを決め、ふたつの資格を比較しました。
・黄色いスクラムマスター(CSM)
・青いスクラムマスター(PSM)
グループワークで学びたいから、黄色いスクラムマスターがいいなぁと思いましたが、当時SESだった私は資格取得に対する補助などもなく、費用が捻出できませんでした。
そのため、青いスクラムマスター(150ドル)を取得することに決めたのです。
4.勉強内容と勉強時間
決めてからは早かったと思います。
それまで乾き切ったものを潤そうとスクラムに関する本をいくつか読んでいました。
その中から「SCRUM BOOT CAMP」を再読することにしました。
PSM試験を受けると決めた日が来ました。
朝から試験対策を開始します。
・「SCRUM BOOT CAMP」の再読
・「スクラムガイド日本語版」の再読
・「スクラムガイド英語版」を翻訳しながら読む
・Scrum.orgのScrum Openを100点になるまで実施
・試験対策用問題公開サイトを100点になるまで実施
・わからないことは「スクラムガイド英語版」に戻って知識を入れ直す
その日の夜、PSM試験を受験し、合格しました。
以下、試験に関する参考情報です。
・正答率85%以上で合格
・2種類の対策問題サイトを実施しましたが、全く同じ問題は少なかったと思います。
・対策問題サイトでは古いスクラムガイドの内容が出題される場合があり、正しい選択肢が異なる場合があるので注意が必要。
・試験にはGoogle翻訳が使えますが、日本語が微妙になり、設問の意味がわからなくなるのことがあるので、その時は原文にもどして回答した方がいい。そのために不明点は英文で読み込んだ方が良いと考え、スクラムガイドも英語版を翻訳しながら使いました。
[取得後の感想と出来事]
・やっぱりグループワークや講習を受けたかった。
・スクラムガイドを本気で読み込む機会を得られたのはよかった。
・資格を取っても私の心には何も起こらなかった。
・資格を取ったらスクラムやりたい人間だと認知された。
・資格を取ったらスクラムマスターやってと言われた。
5.これからのこと
スクラムチームについてもっと理解したいと思いました。
特にプロダクトオーナーがどんなことをしているのか気になっているので、今度CSPO講習を受講することにしました。
さらに調べていくと、スクラムでは教えてくれないビジネス的な側面にも興味が出てきました。
面白いことがいっぱいありそうなので、知っていくのが楽しみです。
今スクラムマスターもさせていただいていますが、なかなかうまくいきません。
私をカラカラに渇望させた、あのスクラムマスターへの道はかなり遠そうです。
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