帰ってきた千代太夫一座
ちょうど1年前の、2023年1月。
私は大久保千代太夫一座と決別した。
細かな理由は以下の記事に書き連ねた。
千代太夫一座血風録FINAL
最後の「終章:大団円」に、私はこのように書いた。
これはもうそのままの意味で、中枢となっているメンバーの殆ど全員と「もう今後は出ないようにしましょう」と約束をしたのである。
あれから11ヶ月後の、2023年12月のことだ。
かつての共演者の1人が、千代太夫一座への出演を告知していた。
おや……? と思い、リンク先のチケット予約ページを見に行ったところ、もう出ないと共に約束した演者や、私より前にオファーを辞退するようになった演者、全員が何故か出揃っていた。
劇場を見ると、ザムザ阿佐谷。
今や活動休止となってしまった私の演劇的故郷、月蝕歌劇団で立たせてもらった聖地だ。
そこに、私だけがいなかった。
しかし、出演者の中に盟友・柴奏花の名前だけは無かったので、一縷の望みを懸けて連絡をした。
「来年1月の千代太夫一座のメンバー見て泣いちゃった……🥲」
「でも柴さんが出てないのがせめてもの救いだよ~!」
数分後に柴奏花から返ってきたメッセージには、こう書かれていた。
「私もなんだかんだ数日前OKしちゃったwww」
これが、彼女が女高田純次と呼ばれる所以なのである。
逆に、柴奏花はこうでなくちゃとさえ思う。
私はふと、大久保千代太夫との最後のLINEを見返してみた。
「次回誰も出てくれないって覚悟しておいた方がいいですよ」と言ったが、実際はどうだろうか。
そこでは誰もが再び出演を決めており、私だけがいない世界になっていた。
私はスクショに続けて、柴奏花にメッセージを送る。
「……………」
「恥ず」
「死んじゃお!ピゥ」
柴さんは笑っていた。
何だよみんな。本当に死んじゃおうかな。
一瞬そのようなことも思ったが、しかしそんなことをしても何の意味も無いことは明白だ。
それよりも、自分の本心と向き合った方が遥かにいい。
私は1時間ほどじっくりと考えて、千代太夫のLINEブロックを解除し、メッセージを送った。
プライドもクソも無いのである。
結局私はあの空間にいられるのであれば、何度だって悪魔に魂も売るし、巨人に土下座しその靴を舐めることも厭わないような人間なのだ。
(いや、靴は舐めたくない。衛生的な観点から、靴を舐めるくらいならその場で舌を噛み切る。)
6分後、千代太夫から返信があった。
スラムダンクのミッチーのようだ。
しかしここでは、許しを乞う相手は安西先生ではなく髭面の巨人なのだが。
かくして、以下の公演に出演することになりました。
▲ステージ数や開演時間、チケット代と、毎度の異常豪華出演陣は、チラシ裏面をご覧ください。
注意点として、21日は最も出演者数が多く、その関係でチケット代金が21日のみ8800円となっております。
また、昼公演は朗読劇のみ、夜公演はライブもセットになっているためチケット代金が異なります。
上演時間は、第1部の朗読劇だけで2時間半予定(休憩あり)とされていますが、現状のまま改善されない場合、ほぼ確実に3時間となります。
1本の芝居をじっくり見るのではなく、寄席の初席のように入れ替わり立ち替わり人が出てきては10分以内の場面が繰り返される構成なので、全然出入り自由でいいとは思っているのですが、いかんせんザムザ阿佐谷という劇場の構造上、入口に近い側のお客様以外は上演中に外に出ることはほぼ不可能という、監獄のような公演になることは間違いありません。
サブタイトルを「監獄の誕生」にしてもいいんじゃなかろうか。
ただ、やっぱり本当に、出演者が豪華。
チラシの1枚目をご覧ください。60~70年代がそこにある。
また、この芝居の告知という名目で、共演のフォークシンガー・三上寛さんとラジオをやらせていただきます。
千代太夫一座の他にも、寺山修司さんのこと、音楽のことなど色々お聞きしたいと思います。
自由にゆるっとお喋りする予定ですので、もし何か三上寛さんに聞きたいことなどあれば以下のメールアドレスに、件名「金曜コネクト 三上寛さんに質問」としてお送りください。
co@lucky-ibaraki.jp
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