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選ぶのはお客様【親切の押しつけはやめよう】

良い接客とはなんでしょうか。

私は、そのひとつが、

「お客様に選択肢を与えること」

だと思っています。



例えば、

お客様が、忘れ物をした、と
店舗に問合せの電話をしてきたとき。

・時間がかかるだろうなと思い、
「確認しておくので後で折り返し電話します」
と返答

・見つけてあげたい一心で、
「いま確認してきます!」と、
電話を保留にして探す

多くはこのパターンの対応になるかと思いますが、
私はできるだけ下記のような返答を
心がけています。

「お時間がかかるかもしれないので、
折り返し致しましょうか?

それともこのままお電話口でお待ちになりますか??」


この言葉は言い回しや抑揚、
声のトーンにもスキルが必要なのですが、
それをマスターできると、
とても良いサービスになります。

なぜかというと、

選択肢をお客様に与え、

決定権を委ねる
=お客様が一番求めている行動を
こちらが提供してあげられるから。


お客様にきく=試験の答えを見てしまうような気がして、
なかなか聞き返せないアルバイトくんが
多いように見受けられます。


でも、お客様のなかには、
「いますぐ探して」って言い出せない方もいますよね。

逆に、いまは急いでいないから、
あとで探しておいてほしい、
という方もいます。


もちろんお客様の様子から本心を察する力も必要です。
ただそのうえで、選択肢を与えるということは、


「こちらはいまから探すことも構わないですよ、
お客様がいま別の用事があるなら、
あとで探しておきますよ」

という、


『こちらはお客様の意向に沿います』


というアピールになると思うのです。

お客様は本心をすぐに言ってくれるとは限りません。
また、自分で本心を言ってるつもりでも、
そうではないと気づいていないだけかもしれません。

お客様が言った通りにしたのに、
なぜかしっくりこない…。

良かれと思ってやったのに、
叱られてしまった…。


という経験がある方、
それはもしかしたら、


お客様の真の気持ちに気づけず、
親切の押し売りをしているかもしれません。


もうひとつだけ例を。

店舗には混み合う時間帯というのがあります。
私は何か問い合わせを受けて、
「いつ行っても大丈夫ですか?」と聞かれた際、
素直に混み合う時間帯を伝えています。
「おすすめは午前中です。
夕方の○○の時間帯は、混み合いますので、
お待たせしてしまうかもしれません。
もし夕方いらっしゃるようでしたら、
事前にご連絡いただけると助かります」
もしこれを、「いつでも良いですよ!」と、
詳細を伝えずに答えてしまうと、
その時は感じが良い接客に見えて、
お客様には選択肢がありません。
1、時間をかけたくないから
他の予定を調整して午前に行く
2、予定の調整をしたくないから、
待たされても良いので夕方に行く
このふたつを天秤にかけたうえでお客様が決定する。
あとはご来店いただいた際に、そのときできる
最高のサービスでおもてなしをする、
というのが良いと思っています。


コミュニケーションは一方通行では成り立ちません。
お客様の言葉に「YES」だけで終わらせずに、
もう1往復やりとりしてみると良いと思います。


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