『Twisted Logic』Coldplay(思い入れのある曲シリーズ)

今日はColdplayについて。

個人的にColdplayは夜に似合う音楽だというイメージがあって、その大きな要因になっているのが3rdアルバムの『X&Y』だと思う。

筆者はこのアルバムに大学生の頃出会って、夜更かしをしながらひたすら繰り返し聴いていた。

ミディアムテンポ以下の曲が大半を占めているから夜に丁度いいというのもあるが、それ以上にこのアルバム全体に夜の空気感が詰まっているように感じられ、夜以外にはむしろ聴けないというくらいに夜を連想してしまう作品に自分の中ではなってしまった。

何故こんなにも夜を感じるのかということを今回改めて考えてみた。

夜に聴きすぎたからこその刷り込み効果のようなものもあるけれど、他に好んで聴いていたアーティストもいる中でも夜といえばこれと強く印象に残っているのは、何かしら理由があるはず。

音の中にその要素を探すと、リバーブがまさにそれなのではないかと思い当たった。

このアルバムは全体的にギターに強めのリバーブ(ひょっとするとディレイの時もあるかも)がかかっていることが多く、ドライな音のフレーズはむしろ稀だ。

そこから生じる音に包み込まれる感じ。
音の大きさや低音の迫力でなく、空間系のエフェクトでふんわりと包み込まれるような音像になっているのが夜の暗闇にぼんやり灯りが灯っているような景色を想起させているような。

そんな景色を連想させてくれる曲がこのアルバムには詰まっている。

アルバムの中で最も有名なのがリード曲的な扱いの『Speed of Sound』で、この曲の素晴らしさは言わずもがな。

個人的にはラスト手前に収録されている『Twisted Logic』を推したい。

この曲はアルバムの中だと比較的激し目な曲で、Aメロとサビのブリッジ的な箇所からは特に力の入った演奏を聴くことができる。

ただそれでも思い描く景色は夜で、アルバム全体の空気感から少しも逸脱していないところにアレンジの妙を感じる。

Coldplayの楽曲を楽器のパートごとに区切って聴くことはあまりなかったのだが、今回改めて聴いてみて、ギターは派手ではないが印象的なフレーズが多く、仕事人的な魅力がビンビンに出ているなあと感じた。

この『Twisted Logic』だと一番のサビの後のブリッジのフレーズや、ラスサビ後の三音一塊のフレーズがとても耳に残る。

個人的に『美しき生命』以降のアルバムは楽器隊の演奏にそこまで耳が向かなかったのだが、改めて聴くことで新たな発見がありそうだなと思った。

秋の夜長にColdplayの『X&Y』はとてもマッチすると思うので、是非聴いてみてもらいたい。

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