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『Fare Well』(L'Arc〜en〜Cielの楽曲をひたすら語っていくシリーズ)

ここから3rdアルバム『True』編に突入です。
まずは1曲目の『Fare Well』から。
前回2ndアルバムのラスト『The Rain Leaves a Scar』について、アルバムのラストがアップテンポな曲なのは珍しいと書きました。
今度はその逆パターンで、アルバムの最初に壮大なバラード曲が収録されています。
これはこれで珍しいパターンで、他のアルバムでは見られない構成ですよね。
個人的にはこういった壮大なバラードで厳かに始まるタイプのアルバムも好きです。

この曲を聴くと真っ先に思い浮かぶのはShibuya Seven Daysです。
この7日間のライブのほとんどの公演で『Fare Well』が一曲目に演奏されているんですよね。
バンドとしても、この曲はアルバムでもライブでも冒頭を飾るのに相応しい曲だと認識していることがよくわかります。

今作『True』から編曲にプロデューサーが加わる形態になっていて、『Fare Well』では富樫春生さんという方が担当しています。
この方の弾く印象的なピアノのフレーズから曲が始まるんですが、そこに重なってくるkenの泣きのフレーズが最高です。
この曲は全体的にkenのギターにブルースっぽい熱さ、いなたさを感じる箇所が多くて、それがこの楽曲にマッチしているなあと。
いかにもな泣きのギターソロや、Bメロの半音下からしゃくり上げてくるようなフレーズ、サビのコードを弾いてから1弦と3弦をスライドしながら行き来するフレーズにそういう雰囲気を強く感じます。
その一方でAメロのコードを弾くギターにはかなり強めのモジュレーション系エフェクトがかかっていたりして、ラルク的な幻想的な要素もここから感じられるのが良いです。

ベースはそこまで細かいフレーズは入れずに、比較的シンプルなプレイに徹している印象です。
ただ間奏では美しいベースソロを聴かせてくれます。
これ名フレーズですよね。
この美しい、クラシック音楽感を感じる優雅なベースソロからの熱いギターソロという流れが『Fare Well』のハイライトと言っても過言ではないかもしれません。

この曲の歌詞は、前向きなのかそうでないのか読み取るのが難しいところです。
ポジティブなメッセージが出てきたかと思いきや、最終的には悔恨の念を捨てられない心情が描かれていて、どっちなんだ…?となってしまいます。
まあそれが人間らしいというか、前向きさを装ってみても、実際は後悔でいっぱいだったりするよね、それでも進むんだよね、というような内容なのだと勝手に解釈しています。
解散疑惑もあったShibuya Seven Daysの一曲目に聴くには非常に意味深な曲で、こういうのも考慮の上でセトリも考えているんだろうと思うと、やはりL'Arc〜en〜Cielというバンドは凄いですよね。

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