『Garnet Moon』島谷ひとみ(思い入れのある曲シリーズ)

今回は島谷ひとみさんの『Garnet Moon』を取り上げる。

島谷ひとみさんは2000年代前半辺りからよくテレビに出ていて、筆者は『解放区』という曲で初めて認知した。

その頃はそこまで大人気というほどではなかったが、次にリリースされた『パピヨン〜papillon〜』から一気に人気に火がついていた。

ここからトライバル感というか、『パピヨン〜papillon〜』の歌詞でも歌われているアジア的な雰囲気、多国籍な雰囲気が島谷さんの楽曲のトレードマークのようになっていった印象がある。

シングルでも一番のヒット作であろう『亜麻色の髪の乙女』を筆頭に、『市場へ行こう』、『シャンティ』、『赤い砂漠の伝説』辺りはそういった要素が多分に感じられる。

そして、野球中継のテーマソングになっていたことでも印象的な『Perseus-ペルセウス-』では、その要素に加え、当時から見ても少し旬は過ぎた感のあるユーロビート的な伴奏が重なり、中毒性のあるアレンジが楽しめる。

この路線の進化系的な位置付けにあるのが『Garnet Moon』だと思う。

筆者はこの曲に深夜の音楽番組(ミュージックファイターか何か)で出会い、一気に引き込まれてしまった。

と言いつつ、色々とツッコミどころがあったのも事実である。

島谷さんは歌いながらなかなかに激しいダンスを踊っており、キレもあってとても格好良いのだが、サビのラストのフレーズ「今宵の月のように」のところのダンスのキメが、腕を地面と並行にして、格好良くアイーンをしてるように見えてしまう。

あと島谷さんの衣装は曲にマッチしていて非常にいいと思う一方で、バックのダンサー軍団の衣装が異様にチャラいのも気になる。

ただ、そういった癖の強さも含めてこの曲は印象に残っているし、筆者にとっては2000年台中期の空気感が蘇ってくるようなタイムマシーン的な効果がある。

曲のクレジットを見てみると、作曲は迫茂樹さんという方で、なんと前述の『Perseus-ペルセウス-』もこの方の作曲であった。

曲調が似ているのも納得である。

毎度転調について触れているが、この曲もサビのキーが他の箇所とは違う、転調アリの楽曲だ。

何故か今回記事を書くに当たって聴き直すまで転調していることに気づいていなかったが、恐らくBメロの途中から徐々に転調に向かっていくような構成になっているからだと思う。

転調した時よりも元のキーに戻った時の方が転調に気付きやすいってありますよね。

ちなみにこの曲、原曲は打ち込み全開という感じだが、後年に生のバンドのアレンジで歌われている映像も見たことがある。

そちらはまた違った魅力があり、島谷さんのボーカルも円熟味を増した感があってなお良かった。

そちらのバージョンもよければ是非。

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