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メキシコ生活記録㉒ ー2号の誕生日パーティー…メキシカンキッズは気遣い満点

ずいぶんとご無沙汰しておりますが、ひさびさの記録は10月に開催した2号の誕生日会について。
去年の誕生日もメキシコだったんだけど、去年は2号が熱を出し、何もできなかったので、今年こそは!

流れ(備忘録)
前日夜にロールケーキ焼く➡当日学校でお祝い(たい焼き30個)➡我が家に移動してパーティー(昼食、プール、ゲーム、サッカー、ケーキ)➡19:30から順次みんなのお見送り

まずは学校でお祝い
うちのインターでは、誕生日近くの金曜日に、学校でお祝いしてもらえることになっている。と、言うとクラスメイトが準備してお祝いをしてくれるみたいに思うでしょう?
ここでは逆。
ここでのお祝いとは、誕生日の人が、カップケーキやドーナツを学校へ持って行って、それをみんなで食べる、ということを意味するのだ。
日本人の私からすれば、それって、むしろ祝わせる?押しかけバースデー?っていう感じで去年は「?」な感じだった。

でも、よく考えればこれは理にかなっている。
だって、ハッキリ言って親しくもないクラスメイトの誕生日会をするよって言われてもやる気なんか出ないだろう。プレゼントなんてもってのほか、お手紙を一筆書くのだってめんどくさいはずだ。よほどのお祭り野郎でもないかぎり。
でも、クラスメイトがおいしいスイーツを持ってきてくれる日がある、というならどうだろう?親しいも親しくないも関係なく、スイーツは全員分あるので、自分はただそれを頂くだけ。
スイーツ食べれるの、うれしいよね。
笑顔で「おめでとう!」って言えるよね。
笑顔で「おめでとう!」って言われたら、うれしいよね。
アンミカさんじゃないけど、笑顔の観覧車、回るよね。

しかも、これは、事前に親が先生にメールで「やりたい」旨を伝え、親が当日の休み時間までに受付へスイーツをクラス全員+先生たち分を持って行き、それを先生が主導で配ってくれて、みんなでお祝いしながら食べる、という公式イベントなので、仲間外れとかもない。親は事前にみんなのアレルギーとかも聞いていて、食べれない子がいないように配慮してるし、数も多めに持って行く。
だから、余ったのをもらったんであろう全然知らない先生から「あなたの Fish cake 最高だったわ!」とか声をかけられたりもする。
今年は、たい焼きを30匹!朝からせっせと焼いて献上したからね!笑

もちろん、本人の希望がある場合にのみ発生するイベントなので、希望がなければイベントもない。みんなに注目されるのが苦手な子だっているわけだし。
一人一人に寄り添うなら、開催しないという選択肢もとれるようにするべきだよね。
だから、幼稚園の時みたいにみんなのバースデーが教室内に貼り出されていて、その日になればクラスメイトからのバースデーソングを強制的に受け取らされる、なんてこともない。(←私はうれしい派だったけど、よく考えればこれが嫌だった子もいただろうな)
祝ってほしい人が祝ってもらえるように用意して、みんなでお祝いする
ね?こっちの方がみんなハッピーだよね。合理的。
初めはこのシステムに、ん?って思ったけど、義務感だけで祝ってるフリしてるような人が混じってないのは、祝われる方にとっても気が楽だ。

ちなみに、去年の誕生日は大変だった。
2号は学校でお祝いしてもらいたかったので、私は前日にクリスピー・クリーム・ドーナツで、ドーナツを30個買ってきていた。
そしたら当日の朝、2号、発熱、欠席。
家には大量のドーナツが山積み…しかし!
なんと2日で全消費。
家族全員スイーツ大好きでよかったね。

我が家へ移動
招待したのは、お友達の男子6人。
私にとっては、この日初めて話す子もいたんだけど、2号のお友達はみんな本当にいい子たちだった。
日本にいる仲のいい子たちもみんな礼儀正しくていい子たちばっかりなんだけど、なんていうか「いい子」のベクトルがちょっと違った。
だって、うちに入るなり「すごくきれいな景色ですね」「いいお家ですね」など、口々に褒めてくれるんだよ?信じられる?
ピザ生地をのばしてたら「手伝います!」ってみんな寄ってきてくれるし、おばさんびっくりしちゃったよw
たぶん、日本人の家に行くっていうので多少サービス多めになってるとは思うけど、日本の男子小学生が言わなそうなことを言ってくれるので、こっちがあたふたしてしまった。
みんなで具材をモリモリに盛ったチキン照り焼きピザとジャーマンポテトピザを食べたときも「おいしい!」「お店を出して!通うよ!」「今まで食べたピザの中で一番おいしい!」など、ずごい勢いで褒めながら食べてくれるので笑ってしまった。
たとえお世辞だったとしても(そこまで器用じゃないと思うけど)、家で言ってなかったとしても、ちゃんとお家を褒めることや、「おいしい」って伝えることが礼儀だと知ってるってことでしょ?驚きだよね。
だって小5だよ?
大人を見て覚えたのかなぁ。
メキシコの「褒め文化」は、小5にもなればもう根付いているんだね。
でも、そんな大げさには言わない子もおり、それぞれでかわいかった。

その後は、みんなでスマブラ(任天堂switchの格闘ゲーム)したり、共用のプールで泳いだり、サッカーしたり。
ころころと本当に楽しそうに遊んでて、1号が「世界で一番かわいい小5じゃない?」ってほっこりしてた。

小5の気遣いがすごい
みんな英語は堪能なんだけど、母語はスペイン語なので話しやすいのはスペイン語。だから、スペイン語で盛り上がるんだけど、そうしたら2号は会話に入れない。
すると、それを気遣うように「みんな英語で話そうよ!」「スペイン語使ったら罰ゲームね!」などと言ってくれる子がいる。本当にありがたい。
また、少し早めに帰る予定の子がいたので、私はその子を気にして「そろそろケーキを食べに帰らない?」と、サッカーに興じるみんなに言ったんだけど、みんなは何より先に「2号はどうしたい?」「ケーキ食べる?サッカーする?」と、2号の気持ちを優先しようとしてくれた。
もちろん、今日は2号の誕生日会だからだとは思うけど、何かそのコンセプトをちゃんと忘れていないあたり、すごいなと思った。
あと、食べた後のお皿も自分の分は洗うと申し出てくれる子がおり、その子につられるように他の子も何人かお皿を洗ってくれた。

もちろん、家にはお手伝いさんがいるような子ばかりだし、そういう協力的な態度も今日だけなのかもしれない。でも、たとえそれが今日だけのパフォーマンスで、普段は全然だったとしても「他所へ行ったときにちゃんとできる」ということはすごいことだと思う。

誕生日ケーキは、前日に作って冷やしておいた抹茶ロールケーキ。生クリームとあんこ入り。
ほとんどの子がおいしいって食べてくれたけど、1人だけ「きゅうりみたい…」って食べるのを怖がってた子がいたw
抹茶のケーキなんて見たことないもんねw
きゅうりケーキは確かに嫌だw
結局その子はほとんど食べられずに残したままゲームし始めたんだけど、そしたら隣の子が「あれぇケーキがある…どうしたのかなぁ…いらないのかなぁ?食べちゃおうかなぁ♪」って言いながら、その子の分も食べてくれたらしい。
私は見てなかったんだけど、1号が目撃したらしく、ちょっと小芝居しながらうれしそうに食べてたそうで、1号が「最高にかわいい!」って笑いをこらえながら教えてくれた。

Happy Birthdayだと思い込んで買ってきたろうそくが
Happy Helloweenだったことに刺しながら気付き、
咄嗟にHelloweenの "ll" を11に見立てた私
グッジョブ

みんな、すごいお金持ちの子ばかりなんだけど、本当にかわいい。
泳ぐのが上手な子がいたから「スイミング習ってるの?」ってきいたら「庭のプールで毎日泳いでるから」って笑顔で言われて、こっちも笑顔になったわ。
お金持ちもレベルが高すぎると、素直で素朴ないい子に育つのかしら。

お迎えの時間
時間近くになると、親御さんたちが迎えに来てくれる。
少し話したりして、来てくれてありがとうプレゼントを一人一人に渡し、お見送り。
そのときの世間話で、ずっと同じクラスで2号がとてもお世話になっているお友達のお母さんと話してて、私が彼を「本当にいい子だね」って褒めたんだよね。だって本当にいい子だから。
そしたらそのお母さんに「ありがとう!どういうところが?」って笑顔で切り返されてびっくり。
もちろん今回のは社交辞令じゃないので、具体的なエピソードを話せたからよかったけど、こういう切り返しは日本じゃありえない。
日本だと、我が子を褒められても「ありがとう」と言わない人も多い。代わりに「そんなことないですよ!」って言っちゃうんじゃないかな。
「どこが?」なんて反語だよね。純粋な疑問文で聞いたことも聞かれたこともない。
でも、このメキシカンのお母さんは、自分の息子を褒めてもらったことにまず感謝し、何かそういうエピソードがあったのかなって聞きたかっただけなんだと思う。私の言葉を疑うとかでもなくて。

思えば、2号のことも他のお母さん方はよく褒めてくれる。励ましもあるんだろうから話半分に聞いてたけど、大切な家族を褒められてお礼を言うって、謙遜するより素敵だよね。
日本の場合は、褒めているように見せかけた嫌味や皮肉のときもあるし、純粋に褒める人も少ないから、その褒めを正面から受け取らず「ここは謙遜しといた方が無難」みたいな思考回路になることも多い。
私はこういう腹の読み合いはそんなに嫌いじゃないけど、やり過ぎは禁物だね。
側で聞いてる子どもにしてみれば、自分のお母さんが自分を認めてないみたいに聞こえて傷つくと思うし。
裏表なく子どもを褒め合って受け取りあう方が平和だ。

そんなこんなで大忙しの誕生日会は無事に終焉。
2号はとても楽しかったようで、ご満悦のまま就寝。
2号からも「誕生日会ひらいてくれありがとう!」というお言葉あったので、私も満足です

最後にプレゼントについて
こちらでは、誕生日に招待された側は、必ずしもプレゼントを持参しないでいいらしい。これも聞いたときびっくりした。
2号は去年から何人かのお友達の誕生会に招待されたんだけど、「プレゼントを持って行ってたの俺だけだった」ということがあった。なにごと!?と私はびっくり仰天したんだけど、こっちで誕生日プレゼントは任意らしい。
学校イベントと同じく、本当にどこまでも、お誕生日さんがもてなすのがスタンダードなんだな。
でも、やっぱり手ぶらで行かすのは私が気持ち悪いので、2号はいつもプレゼントを持っていっていた。
それをみんな覚えてくれていたみたいで、今回、2号は全員からプレゼントをもらっていた。

頑張って書いてくれたんであろう
世界で一番尊い漢字

当日までに用意できなくて(Amazonが届けてくれなくて)、後日渡してくれた子もいたし、お母さんからAmazonギフトカードが送られてきた子もいた。斬新。



なんか、こっちに来てから生活上のさまざまな「ふつう」がいい感じにミックスされてきた感があって良い。
日本にいたときは「そんなのありえない!」って思ってたことでも、よく考えてみれば、ただみんながそうしてたからしてただけってことも多い。
だから、海外が良くて日本はダメ!みたいな二者択一の極端な話じゃなくて、お互いいいとこどりして、かたい殻をほぐしていけばいいんじゃないかと思う。
メキシカンの大らかでポジティブなところは取り入れたいけど、3ヶ月もトイレを直しにきてくれない所は見習ってはいけない。笑
とはいえ、このnoteもゆるゆる更新にしていこう。

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