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凪のお暇8巻で色々思い出したこと

ずっと愛読してた凪のお暇。色んなしがらみや物を捨てても最後は母親に矯正され、過去に揺り戻されてしまう凪ちゃんにドギマギしながら読んでいました。

7巻で地元・北海道に帰ってしまったところで嫌な予感ビンビンでしたが、やっぱり。ますます抜け出せなくなる凪ちゃんの姿に自分を重ねずにおれません。

母親が怖い→ゴンさんの助言で「嫌い」って言っていいんだ、と気づく→嫌い→理解できない→実家で母親の若かりし頃の日記を読む→夢を諦めさせてしまった自責の念にかられる→同情と愛情の気持ちの間を揺らぐ


わっかる~~~~~~~~~~~!!!!!!!!


母親、特に娘に依存する母親って同情を引くんですよね。娘は娘で、母親を一番近くで見て育っているし、母親から愚痴を直で浴びるのでどうしても引きずられる。男兄弟がいたとしてその兄弟が母親ともそれなりに仲が良くても、女同士同じ視点でものを見るのは難しい。必然的に母親と娘の繋がりは強くなります。

それは父親と母親の夫婦関係が悪ければ悪いほどに・・・。私の場合は田舎ゆえ祖父母と同居しており、そちらとも関係が悪いのでおもに父親と祖母の愚痴愚痴愚痴。昔話から始まりまた愚痴に着地。そして祖父母や父親からも愚痴という名の間接的母親イビリ。自分もいずれ結婚したらこういう目に遭うんだ、お母さんの味方は私しかいない。お母さんかわいそう。

でも当然ですが、子供の自分に母親を助ける術などありません。それでも、と色々考えます。もしお母さんが離婚したら私はお母さんについていこう。大人になったら家を出てお母さんも一緒に連れて行くんだ・・・


読みながらなが~い回想に落ちる。凪ちゃんと自分が重なりまくる。そこへ凪ママがとんでもない言葉をぶち込みます。


~私は凪を、自分を助け出してくれる王子様にしたかったんだ~


あの頃の私は母親の王子様に自らなろうとしていたんだ・・・!!!これはすごい衝撃でした。と同時に、その状況に甘んじていた母親の甘えに気づきました。

もしお母さんが離婚したら私はお母さんについていこう。大人になったら家を出てお母さんも一緒に連れて行くんだ

私はこの言葉を胸に留めるだけでなく、母親に伝えていたからです。大丈夫、いつか私が助けるからね、って。

そんな私を見てどう思ったんだろう。子供にこんなことを言わせている自分を省みかったんだろうかと。大人になった今その話に触れたことはないですが、もしただ喜んでいたんだとしたら、きっと私は母親を人として軽蔑してしまうでしょう。

そして母親の日記を見て(自分が生まれなければ・・・)という思考になる凪ちゃん。このシーンも、過去母親に言われた言葉をフラッシュバックさせました。


~もしも私が生まれてなかったら~

たぶん最初にそう思ったのは小学校中学年ぐらいだったと思います。うちの母は見合いで父と結婚して一年も経たず長子の私を妊娠、出産しました。その3年後に弟が生まれていますが、物心つく頃には夫婦関係は決して良くなくて、母の行き場のないストレスをぶつけられ、愚痴を延々と聞く日々。その愚痴の流れで何度かこう言われました。


「結婚してすぐあんたがデキなかったら今頃離婚してるわ」


今思うと、そんなこと面と向かってわが子に言う親って・・・?ですが、子供だった当時の自分は「そうだよね、ごめん」「私も違うお父さんのとこに生まれたかった」とよくしょげていました。そう言うと母は「でも子供はかすがいだから!」と返すのです。ついさっき私の存在を否定してきたくせに。

その時代、しかも田舎で離婚の心理的ハードルが高いと理解していても割り切れない思い出です。当時の母親が今の自分と同じぐらいの年齢。私が彼女と同じ状況だったら、同じように娘にこぼしてしまうんだろうか・・・


これだけつらつら考えても一思いに母親を非難できないのは、彼女への愛情と同じぐらい同情があるからです。彼女が味わった悲しみ、孤独、悔しさをきっと私が一番理解しているから。その確信めいた想いが邪魔をするのです。


今は意識して、できるだけ彼女に寄り添いすぎないように暮らしています。18で実家を出て物理的距離があれば、こちらから近寄らなければいいだけのことだから。

もう父親は定年を迎える年になり、祖父が亡くなり、祖母は良くも悪くも元気。それでも彼女はまだあの家にいるのです。離婚もせず、仕事もせずに。彼女がそこを出るための努力もしていないのに私が悩み、消耗するのはおかしい。

もし母が、なんとか立ち上がってあの家を出ようとするなら。その時は手を伸ばそうと思います。あくまでも自分の生活を維持した上で。そう思いながら、凪ちゃんに励まされ、またエールを送るのでした。

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