続・jog(E)のペースを考える

以前の記事ではjogの位置づけが大事ですよ〜と書きました。


ジャック・ダニエル氏はEペースランは65〜78%と言っておりますが、結構幅が広く、jogの目的においても疲労回復のjog、体調やリズムを整えるjog、ポイント練習につなぐ目的のjog、フォームを安定させるjogなど、どのあたりがどう有効なのかもう少し深く掘り下げたいと思います。

ダニエル氏はランニング・フォーミュラーにおいてこう書いています。

Eランニングの効果は、ケガに対する耐性をつくる、心筋を強化する、血液の酸素運搬能力を改善する、筋繊維をランニングに有利な性質に導く、ということである

今回はjogの運動効率について、以下の記事を参考しました。

jogに期待される効果
①筋繊維の毛細血管の発達
LSDなどでゆっくり長く走ることで毛細血管が発達すると聞いたことがあること思います。
毛細血管の発達に最適なペースは60-77%VO2maxという研究結果があるようで、5Kペースの50〜75%でピークに達するようです。

②筋繊維のミオグロビンの増加
ミオグロビンとは主に心筋や骨格筋に存在する蛋白質であり、赤血球中のヘモグロビンにより運ばれてきた酸素を筋組織で受けとりミトコンドリアに供給します。
ミオグロビンが多いほど筋肉中のミトコンドリアに酸素を多く供給できます。
研究では、I型筋線維(遅筋)のミオグロビンの最大に刺激するのはVO2maxの63〜77%、5Kペースの約55〜75%で発生することが示されています。

③ミトコンドリアの発達
ミトコンドリアとは、いわば体内の発電所的な役割で、エネルギーを生成します。
ミトコンドリアが多いほど、運動中に生成できるエネルギーが多くなり、より速く、より長く走ることができます。
ミトコンドリアは遅筋にも速筋にもあり、ここでは遅筋のミトコンドリアの発達の話になります。
ミトコンドリアをより発達させるために、1967年の研究では50~75%VO2maxとし、1982年の別の研究では70~75%VO2maxで90分の刺激が最適という結果でした。
ちなみに、速筋のミトコンドリアは閾値以上のトレーニングで増加します。
近年は、速筋のミトコンドリア増加させた方が効果が高いということで、インターバルやHITTトレーニングが好まれているようです。

上記3つの項目をまとめると以下の表になります。

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疲労回復的なjogや体調やリズムを整えていく目的であれば、数値よりも体の感覚に身を任せて走れば良いと思います。数値よりも結果的にこれくらいのペース・強度だったと練習日誌に記せば良いと思います。
この感覚の部分は前回の記事を参考に。

その上で、記録する際のjogをもう少し細かく書いてみてはどうでしょうか?

時間や距離、主観的運動強度など細かく書くことはいくらでも書けるが、毎回の練習にそこまで継続して書けるかはまた別の話。
できる範囲で書けば良いと思いますが、こういった記録の蓄積は財産となっていきます。
個人的にはjogを強度により以下のように分けています。

76-80%  moderate
70-75%  easy
70%以下 very easy

私はランニングポイントという距離と走速度をポイントで評価する方法を使用してトレーニング強度を管理しています。
ある程度は走行距離と記録は比例するとはいえ、走行距離だけでは速いペースでの距離なのか遅いペースでの積み重ねなのかはわかりません。
しかし、ランニングポイントは速度×距離なので、これを使えば走行距離より詳しい負荷の評価が週単位あるいは月間の評価が可能となります。
この記録を貯めていくと、一定の数値がちょうど良いトレーニングというのがわかってきます。
例えば月間のランニングポイントの数値が多ければ良いというわけではなく、多いと故障のリスクが高まり、低すぎるとパフォーマンスが発揮できないということがわかってきます。
要は距離と強度のバランスですね。

jogの速度が20秒くらい変われば、負荷の性質が変わると言われています。
どのように変わるのか、ご自身の体で情報を受け取れるセンサーを磨いてください。

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