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多くの人が小説家を名乗れる時代になった③ AI(人工知能)で作品を分析するサービスも登場

情報サイト「プレジデントオンライン」に、日本で最も権威のある美術展の日展と、上下関係が厳しく、金銭体質と言われている書道界の実態を追ったレポートを書きました。お時間のあるときに読んでみてください。

「週刊文春」の取材を受け、宝塚歌劇団を傘下に持つ阪急阪神ホールディングスのコーポレートガバナンス(企業統治)についてコメントさせていただきました(2024年1月4・11日号)。タイトルは「宝塚『闇の金』」です。お時間のあるときに読んでみてください。

「プレジデントオンライン」という総合情報サイトで、宝塚歌劇団と阪急阪神ホールディングスが改革すべきこと、急務の問題について記事(第2弾)を書かせていただきました。お時間のあるときに読んでみてください。

「プレジデントオンライン」という総合情報サイトで、女性の社外取締役や女性のアナウンサー、アスリート、タレントとの関わりについて記事を書かせていただきました。お時間のあるときに読んでみてください。総合情報サイトの「プレジデントオンライン」で、女性の社外取締役、女性のアナウンサー、アスリート、タレントとの関係などについて、記事を書かせていただきました。お時間のあるときに読んでみてください。

「プレジデントオンライン」という総合情報サイトで、宝塚歌劇団の劇団員の死や宝塚歌劇団の記者会見、阪急阪神ホールディングスの会長や社長の減給処分について記事を書かせていただきました。お時間のあるときに読んでみてください。

DeNAが70%、NTTドコモが30%出資して誕生した株式会社エブリスタが2010年6月にスタートさせたのが、小説やコミックなどの投稿コミュニティサイト(UGC)の「E★エブリスタ」だ。

UGC(ユーザー生成コンテンツ、User Generated Contents)というのは、一般ユーザーによって制作・生成されたコンテンツのこと。ウェブサイトに投稿されたブログ、小説、漫画、SNSの写真や動画、クチコミサイトの感想、ECサイトのレビューなどを指す。一般ユーザーの作品を楽しんだり、生活者のリアルな声を聞くことができる。

「E★エブリスタ」は、DeNAが運営している「モバゲータウン」(現・モバゲー)で人気のコーナーだった「モバゲー小説」を前身としていた。


エブリスタ 2010年6月 エブリスタ 

モバゲータウンで掲載された『王様ゲーム』シリーズ(金沢伸明著)、「E★エブリスタ」に公開された『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』(太田紫織著)、『京都寺町三条のホームズ』(望月麻衣著)、『奴隷区』(岡田伸一著)など、エブリスタはヒット作品を産み出してきた。

出版社や自治体などとの共同で、数多くの文学賞やコンテストを開催しており、「エブリスタ小説大賞」などの受賞作品は協賛出版社から書籍化される。人気のある投稿作品を随時出版しており、これまでに1000冊以上の書籍化が実現した。

サービスを開始して6周年を迎えた2016年6月、サービス名を「エブリスタ」に改め、「書ける」「読まれる」「広がる」プラットフォームを目指して、PC版のウェブサイトや投稿機能をリニューアルする。

そして2021年12月、電子書籍の取次最大手のメディアドゥ(上場企業)が、DeNAが保有するエブリスタの株式を取得して子会社化している。

メディアドゥは著作物のデジタル流通に強みを持つ。コミックの作画支援事業や電子コミックのカラーリング事業会社のアルトラエンタテインメントを2017年に設立し、キャラクターを基に雑誌、漫画、小説を発行していたジャイブを2019年10月に傘下に入れた。

さらに、マンガアプリの「マンガZERO」や「2.5次元」・声優特化の動画配信アプリ「ONSTAGE」などを手掛ける株式会社Nagisaを2020年10月に買収した。

「2.5次元」について説明しておく。2次元は「平面の広がり」を意味し、マンガ、アニメ、ゲームの世界などを指す。3次元は「立体的な空間」のことで、「3D」と表現されることが多い。2.5次元は2次元と3次元の間にある世界を意味し、マンガやアニメなどの世界を人間が演じることで形成される空間のことで、2.5次元ミュージカルも人気だ。

漫画雑誌、書籍、コミックスなどを発行する日本文芸社を2021年3月に子会社化しており、コミックに加え、小説など文芸分野でのコンテンツ創出力を強化している。

小説投稿サイト「エブリスタ」がコミックに強みを持つメディアドゥの傘下に入ったことで、どのように変貌するのか。

エブリスタのホームページの「お知らせ」欄に「コミカライズ連載情報」をアップし、「あの作品も漫画で読める!」と銘打っており、コミカライズを積極的に推進している。

作家の判断で文章などの作品を有料化できる


「つくる、つながる、とどける。」をコンセプトに掲げる「note」は文章(テキスト)、画像、音声、動画作品を配信するメディアプラットフォームで、クリエイターとユーザーをつなぐサイトして2014年4月にサービスを開始した。

会員登録者数は500万人超。小説投稿サイトとうたっていないが、クリエイターを支援するプログラムも実施しており、このレポートでは小説投稿サイトの一つに入れている。

note株式会社を創業した加藤貞顕は、アスキーやダイヤモンド社で単行本のヒット作品を数多く手掛けた編集者。note の前身のピースオブケイクを2011年に設立し、コンテンツ配信サイトのcakes(ケイクス)を2012年に始めた。

note   2014年4月  note

note ――つくる、つながる、とどける。

「note」は「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」をミッションにしている。楽しんで創作を続けられるよう、安心できる雰囲気や、多様性を重視して、クリエイターの活動をサポートしてきた。

そのため、多くの小説投稿サイトでおなじみのランキングがない。読者や視聴者は投稿作品に対して感想を伝えたり、「スキ」(賛意を表す機能)ボタンを押したり、「フォロー」する。「サポート」という投げ銭機能で作品に金銭的支援もできる。

 作品投稿者は、おれいのメッセージを送れるようになっており、メッセージやコメントを通じて、双方向の会話ツールの役割を果たしている。

文章、画像、音声の作品は作家の判断によって、有料で公開することができる。販売価格は100円~1万円の範囲で任意で価格設定してよい。プレミアム会員とnote pro会員は上限5万円にできる。

有料作品の場合、記事(作品)単位での販売と、いくつかの記事をまとめたマガジン単位での販売が可能だ。

noteのコンテンツ購入総数は3600万件に上り(2014年4月~2022年3月に購入されたコンテンツ数の累計)、2021年の年間売上TOP1000人のクリエイターの平均売上は667万円。累計で1億円以上の収入を得たクリエイターは28人(2022年3月末日現在)になっている。

また、月額500円のプレミアム会員になれば、定期購読マガジンで月刊誌のように読者に届けることができる。月額制のコミュニティを作ったり、予約投稿機能を使えたり、有料noteの販売価格の上限を上げられるなどのメリットがある。

創作支援をしてきたこともあって、 noteを起点として小説では『金沢 洋食屋ななかまど物語』(上田聡子著)や『夜行堂奇譚』(嗣人つぐひと著)が書籍化されている。

2018年4月に始まった「クリエイター支援プログラム」は、「note」が出版社や放送局などのメディアパートナーと連携して、書籍化、メディアでの連載、マネジメント契約、番組への出演などの活動支援を行なうものだ。書籍化、映像化された場合は、販売促進にも協力する。

このプログラムに参加するメディアパートナーはKADOKAWA、扶桑社、平凡社、PHP研究所など出版社をはじめ、ウェブメディア、ラジオ局、インターネットテレビなど78社に達している(2022年4月現在)。

ツギクル 2016年11月 SBクリエイティブ

ソフトバンクグループ傘下のSBクリエイティブは、デジタルコンテンツ事業、出版事業、企画制作事業などを行っており、IT関連、ライトノベル、科学、経済、歴史など幅広い書籍を出版し、電子書籍の配信も手掛けている。コンピュータ系出版社から総合出版社へと、転身を図ってきた。

SB新書(一般新書)、サイエンス・アイ新書(科学新書)、SB文庫(一般文庫)、SBビジュアル新書、GA文庫(ライトノベル)、GAノベル(GA文庫のサブレーベル)、ツギクルブックス(ライトノベル)、GAコミックなどのレーベルを発刊している。

SBクリエイティブはツギクル株式会社を設立し、小説投稿、ブログなどのポータルサイトの「ツギクル」を2016年11月にスタートさせた。

「大人が本当に読みたい作品の発掘」がコンセプトのツギクルブックスは新文芸系の小説レーベルで、2017年2月の創刊だ。新文芸は、ネット上で発表された作品を書籍化、電子書籍化して出版する小説を意味している。

ポータルサイトの「ツギクル」はファンタジー、青春、恋愛、SF、ミステリー、歴史・時代、お仕事、童話など、取り扱うジャンルが広い。「ツギクル小説大賞」などの賞で質の高い作品を募り、書籍化につなげる体制を敷いている。

AI(人工知能)を活用して作品を分析するサービスも提供しているところも特徴の一つ。AIが作品の構成要素、特徴、類似作品情報、文章の読みやすさなどをチェックしてくれる。投稿サイトのマイページの「作品分析」メニューで、分析したい自分の作品を選択すると、講評が数日後に出てくる。

文章の読みやすさでは、一つの文の長さ、句読点の間隔、改行までの文字数、名詞の出現率、 動詞の出現率、接続詞の出現率、ひらがな出現率などを解析し、地の文とセリフの割合、単語の重複率、ファンタジー要素、恋愛要素がどれぐらいといった講評が示される。

書き手自身が気付いていない部分を指摘され、参考になるという。大量のデータが収集されて、ディープラーニングで作品の分析能力が高まれば、作家へのアドバイスはより的確になると期待される。(敬称略)

アマゾンのキンドル出版で、2023年8月、ペーパーバックと電子書籍の小説が発売されました。「権力は腐敗する」「権力の横暴や不正を許さない」をテーマにしており、お時間のある方はお読みください。
『黒い糸とマンティスの斧』 前原進之介著

2023年9月25日発売の「週刊現代」で『黒い糸とマンティスの斧』が紹介され、9月27日にネットで配信されました。「現代ビジネス 黒い糸とマンティスの斧」で検索すると、記事が出てきます。時間があるときにお読みいただければ幸いです。


この連載記事は、以下のような流れになっています。
1 小説を書きたいと思い立った「いきさつ」
2 どうしたら小説が書けるようになるの?
3 小説を上手く書くために小説講座を探そう 
4 どの文学賞を受賞すると作家になれるの?
5 文学賞に落選。心機一転再スタートを切る
6 多くの人が小説家を名乗れる時代になった

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