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人生=バンジージャンプの話(後編)
私たちの順番がくる前にカップルがいた。
彼氏の方は説明中に「やっぱり・・・俺には無理だー!」とキャパオーバーになり、彼女を見守る側に徹したそうだ。
彼女は余裕そうにしていたが、跳ぶ直前(とび込み台)で恐怖が襲いかかり、「怖い!無理!跳べない!!」と叫んでいた。
やはり彼氏が跳ぶことを断念したせいか・・・
そりゃ不安だろう、かわいそうに。とその様子を見ていたら、
スタッフの方から
「スグニ跳バナイト、モウ跳ベナクナルゾ!イクンダ!」と言われ、跳んだというより落とされた。
はっ・・・!そうだ、それを見て思い出した。
人生はバンジーって誰かが言ってたのはこのことか。
何事も迷っていたらどんどんこわくなって挑戦できなくなる。
スタッフさん!!
何人も迷っている人たちを見てきたから落としてあげたのね・・・!
(いや、背中を押してあげたのね・・・!)
新しいことにチャレンジするってこわいものよね。。。
余計なことは考えず飛び込むことがバンジー(人生)のコツ。なるほど!!深い!
その後、彼女は満面の笑みで戻ってきた。
「あ〜こわかった!とべたー!!」
なんて素敵なの!あなた本当に頑張っていたわ!!
と直接言いたいところだったが、彼氏とラブラブイチャイチャしはじめたのでささやかな拍手だけ送っておいた。
そしてついにやってきた私の番。
スタッフさんが一斉にカウントダウン。
3、2、1、バンジー!!
「いえ〜〜い!!!」
彼女とは打って変わって、ベッドにとび込むかのように勢い良くジャンプした。
とび込みの瞬間、足を大きく開き堂々ととび込むという約1ヶ月の練習の成果も発揮できた。
私、ついに飛んだわ!!アイアムヒーロー!!ヒュー!!
・・・いや、まて。
これは飛んでない。
私は舐めていたのかもしれない。
ヒーローなんてもんじゃない。
落下している。(当たり前)
ヒーローになりきっていた私は猛スピードで落下していく自分の状況が整理しきれず、吐き気を催した。
待て待て、いま私はどうなっているのだ。おえっ・・・
そういえば下にいったら足のフックを自分で外し、上半身を起こすというミッションがあった。でもそれどころじゃない。
そもそもここは1番下まで来たのかすらわからない。
とにかく引き上げまでに頭に血が登ってしまったらやばい。
懸命にフックを外したら両足を攣った。
「うおっ!運動不足がここで本領発揮してきやがった…!」
なんとか上半身を起こしたが、いまだに状況が把握できなかった。
紅葉が見頃の季節に行ったため絶景の眺めだったと思う(記憶も飛んだ)
引き上げられ、スタッフの方にヒーロースーツを脱いでと言われるがなんせ私の両足は攣ったままなのだ。
介護されるようにヒーロースーツを脱がせてもらい、私のバンジーは幕を閉じた。
迷っていたらたしかにいけなくなるっていうのはそのとおりだと思う。
私はもう一つ学んだことがある。
舐めていたら痛い目をみる。
人生もバンジーも舐めていたら痛い目を見るということだ。
終わった後の感想
友人B「思っていたより大丈夫だった!おもしろかったー!!」
私・友人A「人間は飛べない。簡単にヒーローにはなれない」
しかしこれだけは言える。いい経験になった!!
何事もチャレンジした者にしかわからない経験値が与えられるということ。
見事私たちは人間レベルが1上がった。
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