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肝生検というもの(体験記)

世の中全ての手術や治療をレベルわけしたら、多分かなり軽い部類かと思うけど、率直にまあまあ痛かったです。
レベルわけした中で、「親知らずを抜く」レベルの少し下くらい。

ここから以下、具体的に。
先生にお呼ばれし、準備をして徒歩で部屋入り。
診察室を兼ねた簡易手術室のような部屋。
主治医の先生と若手が2名。
そう、ここは教育機関も兼ねた病院。たくさんの先生と先生っぽい人たちがいる。
薄暗く、壁面には大きなモニタ。エコーで見ている映像がそのままモニタに映る仕組み。
ベッドに寝かされ、右腕を頭の上に上げた状態に。エコーで差し込む場所と差し込み角度を探る。
肺、太い血管を避けて器具を刺す。画面上には差し込み角度ガイドも付いているようだ。
3〜4箇所候補を探り、主治医の先生は若手先生達に説明しながら進めていく。
候補が決まったらさらに先輩の先生を呼び、2名での最終決定。
横っ腹に印を付けられる。
点滴からまどろむお薬を注入される。
横っ腹を消毒し、1回目の麻酔を注射。
緊張からか筋肉が硬直するような感覚に。
そして2回目の麻酔。1回目より内側に効かせるとのこと。
ここでさらに筋肉が硬直。全身が緊張してプルプル震え出す。自分でリラックスを言い聞かせるも震えは止まらず。最終的に看護師さんに手を握ってもらう。
「それでは始めますね」の言葉と共に、何か引っ掻いている感覚。
この時点で、緊張とまどろみとでモニタも見れず、薄ぼんやりと天井が視界に入っているのみ。
エコーで探られ、何かが横っ腹に刺さる感覚。
強い痛みはない。モゾモゾと動いている。その間息は止めている。
正味1分もない作業だが、ものすごく長く感じる。
「はい、楽にしてください」
の言葉で本当に脱力。
止血します。と、先生が両手で患部を押さえる。
手の温もりに安心感を感じる。

ここで事件。
隣の部屋から先輩先生の声が聞こえる。
「ちゃんと取れてないね。カスみたいなのしか取れてないよ。もう一回!」

個人的に言いたいことやリアクションはあったが、大人なので何も言うまい。
ただ心の中で「マジかー」と叫んだ。

そして2回目の挑戦。
今回は突き刺した感覚が確実にあった。
そしてなんとも言えない痛み。
言うなれば、子供の頃ドッジボールでみぞおち付近にボールが当たった時のツーンとした苦しみ。
それが突き刺さった先だけで感じるイメージ(伝われ!)
さらに捻りを加えられ、確実に組織をもぎ取っていく。
「はい、終わりましたー」
緊張と硬直と捻り取られた感じのショックとまどろみと、先生方の軽い会話の専門用語と。
色々な感情と情報が混じり合い、しばらく放心状態。

止血が終わり、絆創膏が貼られ、右側を下に寝かされてストレッチャーで部屋を出る。
病室まで戻され、まどろみに任せて眠る。

約30分の出来事。
結果わかるのは2週間後とのこと。


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