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無印のそろってないやつ

無印良品の「不揃いバウムクーヘン」という商品を常々不思議に思っていた。
商品名だけだと「なんとなくのサイズ感で切ったのかな」と思うのだけれど、説明文をよくよく読んでみると

焼きムラや変形など、おいしさに関係なく、はじかれていたものも生かしました。

と書かれているので、不揃いバウムはどこかのお菓子工場のラインから外れたものを無印良品が買い取って売っていて
ラインから外れなかったキッチリきらきらのバウムクーヘンがどこか別のメーカーで売られているのではないか。とまで考えていた。(考えすぎ)

しかし、それにしては季節限定の味が出過ぎじゃないかと思っていたし、本当にどこかのバウムクーヘンの規格外品ならば、その製造元の販売場所の特定とかがされているんじゃないかと思うが、そんな情報もネットの海にはただよっていなかった。
そうなってくると、やっぱり大体のサイズでざっくばらんに切ったんやろうなぁーと、自分の中で納得がいかない面白くない結論をつけていた。

妹にこの話をすると、案の定そんな面倒なわけないやろ!と笑われた。他人に否定されるとそりゃそうだよねーーと言いたくなるけど、なんでここまで考えていたのか自分でも不思議だ。

無印のバウムクーヘン。ちょうどいい美味しいさだなぁと思う。

バウムクーヘンって、お祝い事の贈りものやケーキ屋さんの焼き菓子コーナーにそっと置いてあるイメージで、そんなタイプのものはバターや卵がたっぷり使ってあって、リッチな味がする。
そして外側にかかっているお砂糖のしゃりしゃりグレーズが分厚くて甘くて、うっとり美味しい。わたしはグレーズのかかった焼き菓子がとてつもなく好きな人間なので、バウムクーヘンは焼き菓子の中でも大好物だ。
そして、そんな甘くてリッチなバウムクーヘンに飲み物を合わせるなら、コーヒーというイメージ。
苦めのコーヒーとグレーズの甘さ、バターの旨みを堪能してちみちみと食べる癒しのお菓子だ。

だけど、無印の不揃いバウムクーヘンは素朴な味で、そこまでバターバターしていないので(どんな表現や)罪悪感が薄くて、日々のおやつとして食べやすい気がする。
まぁ、しっとり感も少し薄めなので若干喉につまるけど、そこは飲み物をお供にすることで緩和することとする。
こちらに合わせるのは紅茶やお子さんには牛乳が良さそう。両方を合わせてミルクティーにするのも素敵だ。
案外玄米茶なんかを合わせるのもいいかもしれない。(昭和のおやつ感がどことなくあるので)

さて、不揃いバウムな中でわたしが好きなのはやはりノーマルなバウムと紅茶のバウムだ。
数多くの季節限定の味に裏切られても、このふたつは安心して食べることができる。
(以前、季節限定品でさくらフレーバー系のやつがあったんだけど、入浴剤みたいな味がして、生まれて初めて無印良品のセンスを疑ったことがある)

この記事を書きたくなって、無印のホームページのバウムクーヘンのコーナーを見ていたら、

なんと見つけてしまったのだ。
普通のバウムクーヘンを。

え、なんでなん。
と思わず声が出てしまった。
不揃いじゃないバウムクーヘンも作ってるの??
でもそれって完全に別レーンで丁寧に作られてるんでは。と
それがあるなら不揃いバウムの存在意義ってなんですのん。と。

インスタントカレーのラインナップに対しても同じ感情を抱いているけれど、無印良品のバウムクーヘンに対する熱量には時々怯えている。

そして、果たしてどんなターゲットを対象にしているのか、そもそも何人前なのかもわからない円柱の巨大バウムクーヘンまであって、無印良品の商品開発部には一度話を聞いてみたい。
(しかもめちゃくちゃ安くてビビっている)

切り株という名前の由来に相応しいこのビジュアルよ。