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ヨーガ・スートラ Ⅰ-2

yogaḥ-cittavṛttinirodhaḥ

2番目のスートラで、いきなりヨーガとは何かを説きます。
いわゆる、「定義のスートラ」

1.  Integral Yoga: The Yoga Sūtras of Patañjali ー Sri Swami Satchidananda

  The restraint of the modifications of the mind-stuff is Yoga.


2. インテグラル・ヨーガ ー 伊藤久子訳

  心の作用を止滅することが、ヨーガである。


3. 【新版】インテグラル・ヨーガ ー 伊藤久子訳

  心の作用を止滅することが、ヨーガである。


4. 解説 ヨーガ・スートラ ー 佐保田鶴治

  ヨーガとは心のはたらきを止滅することである。


5. 図説 ヨーガ・スートラ ー 伊藤武

  ヨーガは、心の活動の停止。


6. ラージャ・ヨーガ ー スワミ・ヴィヴェーカーナンダ

  ヨーガは、心(チッタCitta)がさまざまの形(ヴリッティ(ス)vṛttis)をとるのを抑制することである。


7. 魂の光 ー アリス・ベイリー

  この合一(ヨガ)は、サイキック性質を征服し、チッタ(マインド)を抑制することによって達成される。

ヨーガ・スートラを読み始めて、早くもこのスートラでつまづく、という声を聞いたりもしますが、内容が理解できないというよりも、日本語に訳したときの言葉に混乱するのではないかと思います。

まずは、citta が「心」と訳されていること。
日本人にとって「心」という言葉でイメージするとき、自分自身の内から湧き出てくる「感情」、英語で言う「heart(ハート)」の意味合いを思い浮かべることが多い気がします。
ですが、citta は感情的な心というよりも、外からの情報、刺激に対して反応する「心」に近い「mind(マインド)」を意味しています。
この違い、感覚的にも分かりづらいですが、慣れてくると、なんとなく理解できてくると思います。

もうひとつは、日本語訳に出てくる「止滅」という言葉。
日本語でヨーガ哲学を学ぶ際には、常識的に使われるようになっていますが、広辞苑で調べてみたら「止滅」という言葉は載っていませんでした。
ヨーガ・スートラを日本語訳としてまとめるときに作った造語なんでしょうか??
この言葉の訳によって、余計にヨーガ・スートラを学ぶ敷居が高くなっている気もします。

ヨーガとは、マインドの活動が、外界からの刺激に妨げられることなく、常に冷静で穏やかな状態であること。

わたしの言葉で訳すなら、こんな感じかな。


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