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豚しゃぶサラダと美園湯のこと

私は毎朝セブンイレブンに寄り、昼食とエナジードリンク(モンスター)を買ってから出社している。

昼食といっても、メインであるパンは家から持ってきているので、おかずのみの購入だ。

おかずというか「タンパク質が摂れる豚しゃぶサラダ」である。
毎朝決まってそれを手にし、レジへ向かっていた。別にタンパク質を欲しているわけではなかったし、取り立てて美味しいとも思っていなかったが、豚しゃぶサラダなしには生きていけない身体になってしまっていたのだ。

恐らく店員間で私は「豚モンスター」「しゃぶ中」などと呼ばれているに違いない。

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しかし、だ。
ここ1週間くらいだろうか、奴の姿を見なくなった。他の店舗はわからないが、少なくとも私が立ち寄るセブンイレブンからは姿を消した。

別に美味いとも思っていなかったのに、なくなったことに動揺した。「いつまでもあると思うな親と金と豚しゃぶサラダ」とはよくいったものだ。

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ああ、豚しゃぶサラダ。

いつも一緒にいたかった

となりで笑ってたかった

消せないアドレスBのページを指でたどってるだけ

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豚しゃぶサラダを失った私は、日々いろんなサラダを取っ替え引っ替えしている。
恋人と別れた寂しさを紛らわせるため、いろんな男に抱かれているようなものである。

私ってば、もっと自分を大事に!

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今日はラーメンサラダをチョイスした。

ラーサラは北海道のローカル料理と耳にしたことがあるけれど、この商品は北海道外の店舗でも扱われているのだろうか。

なお、北海道民がラーサラを食いまくっているかというと、そんなことはない。大人数の飲み会で、女子が無難なメニューとして注文するイメージだ。

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ラーサラに限らず、道民は必ずしも北海道ローカルフードを好んで食っているわけではない。

スープカレーはやたら食う奴とほぼ食わない奴に二分され、夜パフェとバターコーンラーメンは観光客しか食っていない。ジンギスカンだけは全員食ってる。カツゲンはおばあちゃん家にしか存在しない。ホットシェフはみんな大好き。カーナビラジオは全員聴いている。

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ラーサラパワーで午後の仕事を無事に終え、業後は美園湯さんへ。

豚しゃぶがなくなることなんて本当はどうでもよいが、銭湯がなくなるのは哀しい。

市内のとある銭湯が、明日をもって閉店となる。その銭湯に行けよと我ながら思わなくはないが
「閉店するからって顔出すのはなんか違うよな」
と生まれ持っての天邪鬼ぶりが発動し、近所の美園湯さんに伺った。

全然どうでもよいけど「天邪鬼」って字面、めちゃくちゃ怖いな。

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どの銭湯も長く続いて欲しい。
ご近所のよく行く湯に対しては特にそう思う。美園湯さんもその一つだ。

消せないアドレスMのページを指でたどるのなんて、嫌だもんね。

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