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町中華とスーパー銭湯白旗のこと

「町中華」という看板が掲げられた飲食店を見かけた。

町中華を名乗るのに資格も免許もいらないので、何ら問題はない。しかし、若干の違和感がある。

免許も資格もいらないが、町中華が町中華たるための、ぼんやりとした条件はあるのではないか。

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メニュー、味、店の佇まい、歴史。
あらゆる要素において「町中華っぽいそれ」がある。

そういった各要素における町中華度の総合値が基準を超えた場合、人は町中華を町中華と呼ぶのだろう。

自称するなとはいわないが、まず客観的な評価ありきである。

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例えば、モヒカンに革ジャンの男がアムラーを自称しても、世間は認めないはずだ。

逆に、安室ちゃんのような格好をして安室ちゃんの曲を聴いていれば、当人が否定しようとも彼女はアムラーである。

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千葉に行った。例によってJリーグを観るためだ。

試合まで時間があったので近くの銭湯を探したところ、程よい場所に一軒あるではないか。

スーパー銭湯。堂々たるものだ。
白地に黒の明朝体が、堂々っぷりをブーストしている。

料金体系がケータイのプラン並に複雑だった。手ぶらセットと貸入浴セットは一本化してもよいと思うのだが、きっと事情があるのだろう。700円の価格差が謎すぎる。

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スーパー銭湯を名乗るのに資格も免許もいらない。

免許も資格もいらないが、スーパー銭湯がスーパー銭湯たるための、ぼんやりとした条件はあるのではないか(公衆浴場法上の位置付けが〜とかいう人とは、仲良くなれない)。

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バラエティ豊かな、たくさんの湯船。
オートロウリュ完備の巨大スタジアムサウナ。
充実のお食事処。
マッサージに理髪にゲームコーナー。

これらがスーパー銭湯をスーパー銭湯たらしめているように思う。

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それを踏まえたうえで、結論を言おう。
スーパー銭湯白旗は完全なるスーパー銭湯だった。

まず、十和田石風呂がスーパーだった。十和田石が何なのかは知らない。

そして、足ツボをこれでもかと刺激する歩行湯がこれまたスーパーだった。

さらに座風呂式バイブラ風呂も、名前がリストクラッチ式エクスプロイダーみたいでカッコいいからスーパーだった。
座風呂なのかバイブラ風呂なのかハッキリしろなんて言ってはいけない。和風ハンバーグに「和食なのか洋食なのかハッキリしろ!」と文句をつけるようなものだ。

他にも色々スーパーで、とにかくスーパーによい湯だった。

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しっかり温まり、いざフクダ電子アリーナ。

ジェフの田中も、なかなかにスーパーだった。

海外だろうが国内だろうが、J1だろうがJ2だろうが、お食事処があろうがなかろうが、オートロウリュが導入されていようがなかろうが、スーパーなものはスーパーなのだ。

自称・町中華も今なら許せる。白旗と田中のおかげだ。

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