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体系的に学びたい! UIデザイン / 設計の基本(その2)

UIデザインを調べまくって喜んでいましたが、さらなる勉強が必要になりました。だって、苦情きちゃったんだもん。
今回はUIデザインの中でも心理効果が原因のお話です。

↓こちらは前回調べたUIの基本


あのー、字が小さいんですが。

お客様のデザインレビューで新規作成したメニューで

「文字の大きさのバランスが悪くありません?」

というお問い合わせがあり、何も考えずデザイナーさんに転送しようと思いましたが。。。まじまじと見ると「….これまえにもあったような。」と言うことでちょっくら調べてきました。

これってなんとか錯視とか言う現象だよねー、などとつぶやきながらググってると記事やtwitterで紹介されている優秀な本を発見!様々なデザインの心理TIPSが集められています。


文字のポイント数は同じでも小さく見える罠

答えから言うと「デルブーフ錯視」という錯覚で、周辺の枠までの距離などで物体が実際と違うサイズに見えてしまう、という人間アニマル問題があるそうです。人間の方は直せないのでデザインでカバーする必要があります。

↓デルブーフ錯視の例

本のページをペラペラと見ていると似たようなもので、「上方距離過大の錯視」というのがあり、囲まれたエリアの上部が大きく感じてしまうアニマル問題です。これはヒトの本能なので修正できませんから、デザインでカバーする必要があります。他にもいろいろと…ご先祖様どうしてこうなった?

上の方が大きく感じる人が圧倒多数なため、チョットだけ上にずらす必要があります

ちなみに、この問題はWebデザインなどをしている人には常識らしいのですが、ぼくは知りませんでした。勉強不足ですごめんなさい。

開発者さんに伝えるときには注意、だが…

お客様からの苦情を「字が小さいって。」「下に寄って見えるって」と言われても、開発者は現状を数値で確認し言われたとおりに修正した後に「やっぱりへん」と言う手戻りを想像して拒否するのは御尤もなことだと思います。 相手は専門家ではないわけですし、報告した時に見た状況(ブラウザーの拡大機能とか、様々な周辺要素など)、手戻りの後のQC作業とか、面倒くささが想定されますので、ただ頼めば良い!というわけではないのです。

しかし、「サイズに問題はない!」とお客様に伝えれば当然ストレスを生みます。そしてこの前後に他の問題があったりすると、PMとしては厳しい試練となります。

そんなわけでうんちく大王になることに

UIと錯視について調べるとまあまあ沢山の人がブログなどに書いていて、「おお、しらんのアタシだけ?!」となり焦る焦る。。。とあるブログで絶賛されていたデザインの本を発見したのが冒頭の本です。

読まぬは一生の恥(大げさ)

目次を見ておー、っとなります。すごい量だしお初なお名前がズラズラズララララ…


「私、どうやってこれまで仕事をしていたのか?」
トラブルが起きた時に「ああ、申し訳ございません。これはOO効果の可能性がありますね。チームと相談してきます」などとオシャレ用語で対応できれば(若い時であれば)合コンの誘いすら増えた可能性があります。(ない

とにかく名前がおしゃれ

合コンに結びつくかはさておき、効果のお名前がおしゃれなんです。

  • シャルパンティエ錯覚

  • ヴェブレン効果

  • ツァイガルニック効果

  • リンゲルマン効果

  • エーレンシュタイン効果

と、なんか高級そうな雰囲気がします。(笑
これは前述のデルブーフ効果もそうなのですが、100年以上も前に当地で盛んだった実験心理学の発見の由来やその功労者のお名前などがついているからなようです。

割とポンコツな私達

日本は明治維新からの工業発展に合わせて今の国・国民が作られたような経緯があるため時に「完璧さ」「間違い探し」の習慣が行き過ぎている?と、海外に出てみると強く感じます。
これは本来の私達のいい加減さ、感覚的な性質を戒めて不良品が出来ないように人間づくりをした結果なのでしょうが錯覚などの本質は変わらないため、「正しさの不協和」のような状況がよく起きます。「正しくあるべき」が感覚なのか数値なのか、はその立場によって変わるため摩擦を生むのでしょう。また正しさどころか、世の中的にはその特性を悪用?して広告が大量に作られていたり、正しさの反対の行為も横行しています。

サイズは同じ、感覚的に違って見えるだけ。

先日のケースではとても品のあるお客様で錯視であることも理解されているようでした、稀に非常に強い調子で間違いを指摘するお客様もいます。結果を早く出したい熱意かもしれませんが、肝心の事業にとってはプラスかというと微妙です。

野性味あるお客様だとすり合わせも大変

ビジネスの場面で軋轢があるのは、私達自身が原始的な生活をしていた頃とハードウェアは同じでソフト(教育)がついてきていないから、と言う事実があります。
見た目の指摘をする場合には特に外国で強い調子で「OOが違う!」などと言えば押し問答や無視されると言う反応も有りえますし、面倒な客として単価や見積もりが上がることもあるでしょう。バッファを取らねばなりませんから。
海外で生活をすると、欧米とその植民地出会った国々では多様性(混沌)や格差があるため、こうした問題を吸収するために常に"NICE"である雰囲気を出していく習慣が強まったのだろうな、と感じることが多いです。

色や見た目の他にも

この本が良いな!と思ったのは単に色や配置など見た目の説明で楽しげなこと以外に、抽象的な概念も紹介していることです。
フィッツの法則では表示を大きくするか、近くに配置することでより選択してもらいやすくなることがわかりやすく説明されていました。

100年以上前の実験心理学の発見と違い、インターネット以降のマーケティングの成果は

すごいけど、共有すると喜ぶ人ばかりではない

こうした研究の成果をいろいろ知った上で仕事をすれば無駄な手戻りを減らせたり、同じ作業でもより大きな効果・結果が期待できますし楽しくもありますが、残念ながら皆がそうなわけではありません。

ベトナムなど後進国で仕事をすると、かなりの確率で期待を裏切られ無半のであったり「ムっ」とされる、ということが多いのです。

そもそもですが、品質へのこだわりは世界平均から言うと日本は突出していて、専門の仕事をしていなくても多くの人が「これ、変じゃない?」っていうのが当たり前。万事がそうなので日本製品は…と国内では言いますが外国人で面と向かっていえる人はまず居ないのが現実。だって殆どの国はもっともっと酷いし、そもそも作れないので。

ましてや少し前まで日本の中世並みの水準であった後進国ですと、仕事の結果、質まで考えが及ばない人どころか及第点にすることが全力目標、「決められた作業を時間だけして帰りたい」という手工業の工員さんのような意識があったり様々なので「OO錯視があってですね」とか言っても
「日本人がまた変なこと言い出してますよ?」
という反応だったりも普通。

意外と多いのは「知らない事があると知られたら損をする」と感じる人で、紹介した本の中にも、プロスペクト理論として紹介されていました。

知識を新しく得たことより、知らないと悟られて損をすることを恐れるほうが上回る、という心理があることは悲しいですが、それも不条理な存在である人間の現実なのでしょう。。。


(よろしければ前編も是非)


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