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「本日マスクの入荷はありません」から何を読み取るか

「本日マスクの入荷はありません」
と、ドラッグストアの店頭に大きく掲示されていたとする。あなたはどんな気持ちになりますか――

例のCOVID-19感染拡大のおかげで、マスクが品薄になり、ドラッグストアでも入手困難になっているというのは周知のとおり。だから、どこのお店に行っても見かける張り紙が、マスクの入荷未定や売り切れを示すものだったりする。

あるドラッグストアでは、遠くからでも見えるぐらいの大きな文字で、店頭に

「本日マスクの入荷はありません」

と書かれていた。

さて、この文に一寸、「もっとこうしてほしいんだけど」という点がないだろうか?
私には、ある。

ドラッグストアも客商売である。だから、お客さんが求める品物が用意できなかったことについては、一応社交辞令でもよいからお詫びを入れていただいたほうが、お客さんとしては心が休まる。

しかし、ドラッグストアの立場からすれば、入荷したくてもできない、だから儲からない…。といういら立ちもあろうかと思う。すると、「マスクの入荷がない」という事実のみを示したほうが潔い、ともいえるかもしれない。

このドラッグストアがそこまで考えているかどうかはわからない。とまれ、「マスク入荷なし」という事実を伝える際の言葉の使い方を通じて、商売をする人々がどういう思いでこの事実と向き合うのかについて考えさせられる今日この頃である。


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