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英国とラファエル前派

少し前にイギリスの歴史ドラマ「Victoria」邦題「女王ヴィクトリア」を観てプチ英国ブームが再来しました。定期的に巡ってきます。18歳で即位した、イギリス女王の波乱に満ちた人生が彼女が育んだ愛にフォーカスを置いて描かれています。

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淡々としたストーリー展開。激動の時代背景、時代の移り変わり、文明の発達がわかりやすかったのと、正に英国といった服飾と様式が美しくて見ていて夢中になりました。(主にこれを楽しんでいたようなもの。ドレスに家具、馬。)馬にも横乗りしてみたいと思いました。後に流れでダウントンアビーにもハマります。

日本も丁度幕末、明治維新〜の変革時代。日本と英国ってロイヤルファミリー含め近しい部分がありますよね。その当時英国を模範にしたともいうし、深い関係がある国、イギリスですね。

女王ヴィクトリアの治世を"ヴィクトリア朝"と呼びます。ラファエル前派はその時代に発足した、イギリスの美術家・批評家達の集団です。ジョン・エヴァレット・ミレーのオフィーリアが絵画としては有名なのではないでしょうか。

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ラファエル前派とは・・・

盛期ルネサンスの巨匠ラファエロ以前の、中世・初期ルネサンスの美に回帰する運動を起こした集団です。

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決してその作品を否定したものではなく、これが模範といったアカデミーの主義に反旗を翻したものであると解釈したいところですが、ルーベンス批判なんて凄かったようです。それだけ当時が形式に固執していたのと表現に対する評価が偏っていたのでしょう。それだけ影響を与え続ける巨匠達は流石です。

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ロイヤルアカデミー美術学校のダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ウィリアム・ホルマン・ハント、ジョン・エヴァレット・ミレーがアカデミーの方針に不満を抱き、その前身となる同盟を結成します。

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自然であること。本物に忠実であること。本当の美とは‥を彼らは追求していきます。題目は中世の伝説や文学(例えばシェイクスピアとか)から聖書なども。


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そのリアリズムな技法は後に唯美主義、耽美主義へ引き継がれていきます。

美の追求。美は美とし、倫理観を外枠に置き美しさを表現すると言ったもの。

正に息を呑むような美しさは言葉の通りかもしれません。冒頭のオフィーリアのモデルの話は有名で、リアルを求める為モデルをバスタブに入れ溺れかけさせたとか。絵のシーンはハムレットで恋人のオフィーリアが小川で溺死してしまう一面。

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印象派などとは異なり、派閥としての活動は短命なほうであったようですが、このリアルで美しくてドラマチックな世界観にとても惹かれてしまいます。ファム・ファタールとされるものもよく描かれているのも彼らのテーマにマッチしていたんだろうなと思います。人を惹きつける魔力のようなものを感じませんか?

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といっても説明不足もあり、詳しく知りたいと言う方はこちらおすすめです。

ラファエル前派の世界:平松 洋

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英国繋がりでドラマから飛んだ世界観のお話でした。




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