見出し画像

乳がんがわかるまで②クリニックの受診で出た生検結果

自分で異変に気づき、乳腺外科へ。
「しこりのようなものが気になって…」と言ったら、「では、まずマンモグラフィーと超音波の検査でみてみましょう」と。

マンモグラフィーは相変わらずの引っ張られ具合(笑)
超音波は、しこりがあると言った右を何往復も動かして、画像保存している様子。
でもどちらも苦痛や痛みはないので「これで安心できるといいなぁ」とぼんやり。

素人でもひと目でわかった異変

そして診察。
マンモグラフィーと超音波ってどちらも一長一短で、若い人ほど超音波のほうがいいとも言われています。
私の場合もマンモグラフィーより、ガッツリ超音波画像で解説。
「これがしこりの部分で、たしかにあります。良性のものだと形がキレイで境目がはっきりしてるんですね。この画像だと、ちょっと形がいびつで境目がモコモコ、ガタガタしてるんです。悪性の可能性が高いので組織を取って詳しく調べたほうが良いとおもうんですが、今日お時間ありますか?」

…まじですか?

「しこりはありますけど、良性ですね」みたいなフレーズを期待してたのですが。明らかにおっしゃる通り、形いびつだしガタガタしてるよ…医療知識ゼロの私でもわかりすぎるでしょ。ポジティブに捉えようにも納得せざるを得ない。

わかっちゃいたけど念のため「それって、がんってことですかね?」と聞いてみると「今の段階だと疑わざるを得ないですね」との回答。

ダメ押しの…まじか…な気分でした。

即座に決定、組織診(針生検)

その日は他の予定がなく、時間もあったので、すぐに針生検することに。
針生検は、局部麻酔をしてちょっと切って、太めの針を刺してしこりの組織を採取する方法です(麻酔ナシで細い針の場合もあるらしい)。
麻酔の注射がチクっとするくらいで、採取そのものはまったく痛みはありません。
「組織を取る際に、バチンっと大きな音だけするので、びっくりして動かないようにしてくださいね」と心構えをいただいて、バチン!
音は多少豪快だけど、やっぱり痛みはナシです。

結果は2週間後。
組織検査をするくらいだし、そもそも画像の時点であきらか。「あぁ、こりゃもうがんなんだな…」とほとんど理解しました。

先生も、仮にそうだとして…と前置きしつつ、もしがんだったら今後どうなるのか?の流れを説明。

•大きい病院を紹介されて治療になる
•手術、場合によっては放射線治療が6〜8週間。これは毎日通院することになる
•乳がんの場合は5〜10年と長い付き合いになる
上記を加味して、通いやすい病院を選ぶというのも重要なポイントになる

とのこと。

「わかりました。とりあえず2週間は忘れて過ごします!」と言い、その日はクリニックを後にしました。

もやもや絶頂の2週間

「忘れて過ごします」なんて言ったものの、当然できるわけもなく(苦笑)。その翌日から、自分のもやもやを解消するかのように、会う人会う人、話まくりました。これがいいのか悪いのかはわからないけど、もしそうだとしたら少しでもいい情報をもらいたいし、話すことで「そういえば!」と思って何か教えてくれるかもしれない‥そんな思いでした。

結果がわかるまでのこの2週間が、もしかしたら一番何とも言えない思考の迷路に陥っていた気がします。

「針生検 良性」、「生検結果 がん 確率」などなど、やめようと思いつつも隙あらば調べてしまう日々。
きっと大丈夫!いや、でもどうだろう…
例えがんであっても、治療すればいいわけだし!いや、とはいえ進行してたら…

前向き後ろ向き、ネガディブポジティブ、日々、宙返りコースターのように行ったり来たり忙しいったらない。
この時期は、哲学書とか心を整える系のものをとにかく読んだり見たりして、落ち着けるようにしていました。
いろんな人に話していたのも、そのひとつ。
そうすることで、奥底にある不安を抑えて、何とか気持ちを保とうと必死だったのです。

薄い期待とは裏腹に下された確定診断

そして2週間後。
誤診、良性…そんなうっすらとした期待はむなしく、「やはりそうでした」と結果の紙をぺらっと渡されました。
「やっぱ、そうか…」

正直、一番恐いなと思ったのは「がんである事実」というより、「がんになってしまう私の体は、一体どうなってるんだろう」ということでした。
自分としては、そんなに心や体を酷使したつもりもないし、不摂生の極みのような生活もしていない。それでもがんになったということは、今後も同じように過ごしていればこういう結果になるってこと。じゃぁどうしていけばいいんだろう。

すべての病気に明確な理由や原因があるわけではないと思います。もちろん、人間みんな違うから。
でも、がんという病気の背景には、少なからず今まで自分が培ってきた何かしらに原因にあると思ったので、この時ほど「自分のことが一番わからない」と強く思ったことはありません。

この瞬間から私は「乳がん患者」となりました。

>続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?