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乳がん治療の第一ステップ~病院選び~

組織検査の結果が出て、乳がんだと確定診断が出たとなれば、もう治療に進むしかない。
ここからはもういろんな選択と決断の連続なのですが、最初に決めなきゃならないのは病院です。

自分の直感に従った

がん治療は、がん診療連携拠点の病院であれば、基本的な標準治療の方針が同じように決められています。がんセンターや乳がん専門のブレストセンターがあるところなど、候補はいくつかあって、その中で私的には二択でした。

•電車で15分、高校の駅と同じ大学病院。ブレストセンター(乳がんに特化した診療科)があるなど、とても大きく最新設備もあって有名。ただ、別の科ではあるけど、母が治って帰ってくることができなかった最期を迎えたところ。

•徒歩25分ほど、チャリで5分の病院。上記に比べると規模は小さい。昔、隣に住んでいた親戚のおじいちゃんが手術・入院していて、術後何年経っても超ピンピンしていた。いい意味で素朴、地域に根付いた大学病院。

私は、徒歩で行ける近くの大学病院のほうに紹介状を書いてもらいました。

クリニックの先生から、「長い付き合いになる」「通いやすさも大事なポイント」「どの病院だから治療の優劣があるということはない」と聞いたこともあったけど、なにより直感的にポジティブなイメージがあったからです。
毎日通うことになっても、歩いて行けるならいい散歩になる!とも思えました。
もちろん、これで絶対変えられないわけじゃないし、セカンドオピニオンという選択肢もあります。

「なってしまったのであれば、一刻も早く詳しい検査がしたい」

クリニックで検査結果をもらったその帰り道の駅前で、すぐに大学病院に電話をして、翌月曜日の予約を取りました。

自分の希望によって変わる

部分切除なのか全摘なのか、絶対きれいに再建したい、傷を残したくないから保険適用外の最先端治療を受けたい、など、個人の希望によって病院選びは大きく変わると思います。

私の場合、絶対に手術したくない!なんとしても胸は残したい!というわけではなかったので、「ポジティブなイメージを持てて、気構えることなく通院できて、負担がない」ということが決め手になりました。

結局、セカンドオピニオンはとらず、すべての治療をここで受けています。もちろん、最終的に治療法や説明に納得したからということが大前提です。

今思うことは、すぐ行けるのはすごくメリットになっているということ。
治療そのものではなく、卵子凍結のためにほぼ毎日通院することになったり、検査も予約取ればスムーズで待ち時間も少なかったり、入退院時もタクシー使えばすぐだったり。他の科との連携も早いし、何より先生や看護師さん、受付の方など、会う人会う人みんな本当にいい人ばかりだったからというのも、大きな要因です。

その時の決断が最善

私は割と、直感とか感情とか、気分が上向くかとか、あまりロジカルではないところで選ぶことが多いほうかもしれません。だから、人によっては実績、術件数、規模が優先!というのもあるだろうし、それももちろん正解だと思います。

選択肢ってあればあるほど迷うものだし、たとえどんな要因で決めても
「本当にこれでよかったのか…別を選んだ方が良かったんじゃないか…」と浮かんできます。

でも、以前本で読んだ「その時決めた自分の決断が最善でありすべてであり、最高の判断なのだ」という言葉は常に持っています。
「たられば」って考えがちだけど、そもそもその結果は存在しないし誰も知り得ない、永遠に答えは出ない。だとしたら、この自分の決断の中で一つひとつ前向きにやれることをやっていくことが大切なんじゃないかと。
だから私にとって「その時の決断が最善」という言葉は、強い支えです。


家で違和感を感じてからここまで約3週間。かと言って、もちろん私の身体の調子は何も変わりません。
動けるし違和感もないし痛みもないけれど、病魔はいる。
なんとも言えない気分を抱えながらも、やるべきことやってゆこうと、気持ちは3日後の大学病院の診察へと向かっていました。

>続く


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