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リアルに勝てるものなんてないんだよ


こんな時代に生きているから、簡単に連絡が取れてしまうし、遠くに住む友達のことも、気になるあの人のことも彼らが今どうしてるか手に取るようにわかってしまう。

こんな時代に生きているから、知ることが難しかったことだってすぐに調べることができるし、知らなくてよかったことも知ってしまうことができる。

こんな時代に生きているから、会わなくたって"最近どう?"の6文字で簡単に分かってしまう。
ラインの電話マークを押せば、長話が続いて、お互いのたわいのない話をして簡単に笑い合うことができてしまう。

便利な世界だよ、全て指ひとつで完結できる。でもとっても変な世界だ。私が今考えていることだって、こうして指一本でいとも容易く、noteという媒体を通して日本中の人に伝えることができてしまうんだから。

私は数週間前、そんな世界に疲れてインスタグラムもLINEも全て消した。LINEに関してはできた当初から使っていたアカウントだったのにデータごと消したのだ。LINEには私の思い出がたくさん詰まっていたんだよ。なぜかわからないけれど送り合った意味不明な写真たちも、当時悩んでいたであろうことの相談内容、高校の時の部活の動画とか、友達からプレゼントされたスタンプだって、全部。だけれどそんなものは全然思い出じゃなかった。見返せばその時のことが鮮明に蘇ってくるよね。今でもすこし悲しくなるけれど、そんなものをその子と過ごした思い出に私はしたくないのだ。そんなことより何か、何だか大切なものがあるって、だからその大切なものを自分の中に取り返すために、その時の私にはLINEもInstagramも必要なかった。

そんな中、わざわざ実家まで足を運んで生存確認をしにきてくれた地元の友達がいた。そばで寄り添ってくれた先輩がいた。なんとかして連絡を取ろうとしてくれた友人たちもそう。こんな便利な世の中で、私のために、私に会うために足を運んでくれた人たちがいたんだよ。それに気づくことができた。あの地獄のような日々は全然無駄じゃなかった。たった指一本で終わらせることができる世の中なのに、彼女の、彼らの時間と労力を使って会いに行く、きてくれるということがどれだけ尊いものなのかを私自身も身をもって感じたのだ。

やっぱり、何かを伝えたい人、何かを共有したい人には自分の足を使って、会いにいかなければいけないと私は思うんだよ。そこにはその人への愛がある。何も理由なんてなく、なぜか会いたい人がいる。会わなければわからないことがある。その人に触れたいと思う。抱きしめて欲しいと思う。それは指一本ではできない。足を動かして、自分の時間も労力も使うしか、今のところ人間たちは方法を知らない。

会ってみないとわからないことがあるよね。会うってすごいエネルギーを使うんだよ。1人ではできないことだから。だからこそ自分もその人のためのエネルギーがなければいけない。これは過去に私が話したパッションパッション問題にも一致する。

私の話ばかりになってしまったんだけれど、結局何が言いたいかって言うとね、ここは真実ばかりではないから、やっぱり会いたいと、会いに行きたいと思う人には会いに行くべきなんだよ。1時間電話する時間があるなら、車で飛ばして15分でも会う方が私は必要なことだと思うんだ。

今これを読んでいるあなたが会いたい人は誰ですか?会わなくてはいけないと心が訴えるその相手は誰ですか?
その人に会うためのエネルギーは足りてる?伝えたいこと、伝えられそう?
よし、それなら会いに行こう。
人間はもっと古風でいいんだよ。"足を動かせ足を!"とどん底にいた時に母親に喝を入れられた私がみんなに伝えるよ

とりあえず足を動かせ

私はこんな時代が大好きだよ。こんな時代に生まれたから、やりたいことも、叶えたいことへもチャンスが多い。知りたいことも、知らなかったことも知ることができる。

こんな時代に生まれてきたから、実際に会うことに、会えることに喜びや、愛を感じる。会ったからこそ、同じ熱量であることを実感できる。会う約束だって結局簡単に取れてしまうしね。
ありがとう文明の利器。

ただ、それだけでないと言うことを忘れないでくださいね。
会いたいと思う人のリアルに勝てるものなんてないのですから。

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