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僕の昭和スケッチ

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「僕の昭和スケッチ」は、昭和レトロを描いたライフワーク画集です。誰の心にもある遠い日の思い出を描いていければと思っています。毎週月曜更新予定(祝祭日を除く)。
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2023年10月の記事一覧

「虫の音は秋の夜の贈り物」

「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ209枚目 「あっつ、鈴虫が鳴いている!」 夜に庭先で鈴虫が鳴いていると、家族皆で耳を澄ましたものだ コロコロ、、コロコロ・・・ 「なんや、コオロギや、鈴虫やないやぞ・・・」 「違う、よく聞いて・・・ほら静かに・・・」 リーン、、リーン、、 「ほんとや、鈴虫も鳴いとる!」 僕らの子供の頃でも鈴虫の声は珍しかった リーン、、リーン、、 思い出して・・・ ほら、聞こえてくるよ・・・ リーン、、リーン、、 リーン、、リーン、、

「ぼたもちの思い出」美しい日本語

「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ208枚目 ぼたもちは美味い! 今時はスーパーに行けばいつでも売っているけれど、昔は家庭で母親やおばあちゃんが作ってくれたものだ。 我が家の定番はアンコときな粉。それ以外は作らない。 オヤツというよりお昼がわりに食べたものだ。 まだまだ貧乏な頃だったけれど、祭りの日などは必ず作ってくれた。 「おはぎ、つくろか?」 母親がそう言うと、小躍りして喜んだものだ。 そんなことが、嬉しくて嬉しくてしょうがなかった。 ちなみに、周知の事か

「10月18日はミニスカートの日」ファッションに大革命を起こした昭和の日

「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ207枚目 10月18日はミニスカートの日。 昭和42年10月18日、イギリスのファッションモデル「ツイッギー」が来日した。それがミニスカートの日だ。 小枝(ツイッギー)のように痩せた体に超ミニを纏ったツイッギースタイルに日本の女性は魅了され、あっという間に日本にミニスカートブームを呼んだ。昭和生まれの方ならご記憶にあることと思う。 映画やテレビでもツイッギーのような超ミニが画面に流れ、男性諸氏は諸手をあげてこのブームを歓迎(笑)

「赤トンボのいた夕焼け空」

「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ206枚目 赤とんぼが好きだった。 竹垣の先などに止まっているのを見つけて駆け寄ったものだ。 だが、捕まえようとは思わなかった。子供心に何故か赤とんぼは捕まえてはいけないもののような気がしたからだ。 思い出すのは、秋の夕暮れ時。 まるで凶兆かと思うほど無数の赤とんぼが茜色の空に飛んでいた。 あまりの数の多さに驚嘆し、ポカンと大きな口を開けて見上げていたのも懐かしい。 そんな赤とんぼだが、次第に姿を見なくなった。 原因は稲作に殺虫剤

「昆虫採集にも貧富の差」夏の昭和少年記

「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ205枚目 ものすごく暑く、長かった夏もようやく行こうとしている。 夏と言えば昆虫採集だが、今時の子供達は昆虫採集をするのだろうか? 上の絵は子供の頃の昆虫採集の思い出を描いた一枚。 <絵/左> お金持ちの家の子らは柄が長く、捕虫網も大きなタモを持っていた。 <絵/右> 僕ら貧乏小僧は駄菓子屋で買った短く、網も粗雑な小さなタモだ。 そんな経済格差溢れる武器を手に、僕らの戦場である公園や雑木林に行ったものだ。 必然、金持ち坊主の方が