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僕の昭和スケッチ

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「僕の昭和スケッチ」は、昭和レトロを描いたもりおゆうのライフワーク画集。誰の心にもある遠い日の思い出を200枚を超える水彩画で・・・毎週月曜更新予定(祝祭日を除く)。
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2021年7月の記事一覧

模型飛行機は夏空に

 「僕の昭和スケッチ」87枚目 模型屋さんで買って来た竹ヒゴの飛行機を組み立てて 抜けるような青空と真っ白い雲に向かって飛ばすと、 思いのほか天高く飛んでくれるのでした 夏、 それは僕が一年の内で一番好きな季節でした

水辺の山羊と少女/遠い日の風景

 「僕の昭和スケッチ」86枚目 <「黒野村の思い出」 画/もりおゆう© 水彩/ガッシュ サイズF5> 黒野村にミミズ川という綺麗な川があり、河辺には水車小屋がありました。 ミミズ川は、正しくは三水川と言うのですが、僕はミミズ川と思い込んでいて、「何て変わった名前の川だろう」と当時は思っていたものです。 その水車小屋の所に行くと、山羊とその山羊の世話をしている女の子がいました。 彼女は、僕より二つ三つ年上の無愛想な子で、僕の目にはいつも何か怒っているようさへに見えました

梅雨はいつ開けるかを教えてくれた母

 「僕の昭和スケッチ」85枚目 <画/もりおゆう©  原画/水彩 サイズF5> 毎日雨が続きますね〜 子供の頃もそう思いました。 子供にとって体感時間は大人よりゆっくりと流れますから、大人より梅雨が長く感じられるものです。 僕も小学生の頃、降り続く雨が嫌になって母親によく聞いたものです。 「ねぇ、梅雨っていつ終るの〜? もうじきかな〜?」 すると、母親が答えたものです。 「まだまだやて、見てご覧ね、この土間の土が湿っとるやろ。この台所の土が乾いて来んうちはまだま

「団子の味」 昭和の街角

「僕の昭和スケッチ」84枚目 <画/もりおゆう©  原画/水彩 サイズF5> 昭和と言うと、僕はどうしても食べ物の事を思い出してしまいます。 きっと、生来の食いしん坊なのですね。 今日はうちの近くにあった小公園の前の団子屋さんの思い出です。 子供心にも安いお団子でした。 10円硬貨より大きいくらいのお団子をナント5つも!串に刺してあって、確か10円。昭和30年代半ば頃だったように思います。 けれど、それがとても美味しかったのです。 味はみたらしではなく、しょう油をハ