【フィクション】霧と幻に愛された世界の話をしよう0
こんばんは、旅人さん。
まさかこんな場所で人に出会えるだなんて、思いもしなかったよ。
私かい? 私はー……お恥ずかしいことにね、道に迷ってしまったんだ。
ひとまず近くの街を目指して歩みを進めてはいたのだけれどね、
たどり着く前にこんな時間になってしまった。
……いやあ、今日はとても冷え込むね。
今ちょうど焚き火を用意しているところなのさ。
そこの薪木を組んで……ほら。完成!
よかったら旅人さんもいっしょに暖を取らないかい。
それにまだ、こんな夜更けだろう。
あたりも静ま