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「神戸でダンサーをしている私が、初めて南相馬を訪れた話」|#訪問体験記

マガジン「福島県南相馬|中のひと、外のひと」では、みなみそうま移住相談窓口よりみち移住コンシェルジュ6名(中の人)と南相馬を訪問した人たち(外の人)とが、それぞれの視点で南相馬での生活や体験を切り取っていきます✍️

今回は、外のひと。
MYSH合同会社でWebデザイナー・ライターとして活動してくださっているあみさん。初めて南相馬を訪れた際の気づきや感想を綴ってくださいました。


私と南相馬との出会い|みなみそうまの外から

はじめまして!
神戸市在住、ダンサーの松村あみです。
副業で関わっているMYSH合同会社では、Webデザイナー・ライターとして活動しています。
 
1ヶ月ほど前、私は初めて南相馬を訪れました。
優しく広がる青い空、純喫茶でのひととき、ガラス工房の職人さんの手しごと、大好きな馬、いろいろな出会いにワクワクしました。
 
同時にこの訪問をきっかけにして、学生時代のヨーロッパでの経験が鮮明に思い出されました。
そこで今回は私の自己紹介も兼ねて、ヨーロッパでの出会い、南相馬での出会い、そしてこれからについて綴ります。

ヨーロッパでの出会い

私は学生時代、舞台芸術への関心から、ヨーロッパの地方都市で行われていた国際芸術祭にボランティアスタッフ・ダンサーとして参加し、芸術祭の運営や舞台の設営、アーティストのアテンドや通訳、ダンスのワークショップへの参加、日本関連イベントの企画などをしていました。

そこでの毎日は、私にとって魔法のような時間でした。

日本の能舞台を古代円形劇場で。(プロブディフ、ブルガリア) 

芸術祭には世界約100カ国からアーティストやスタッフが参加し、小さな街が一気に活気づきます。
そして年齢も国籍も関係なく、多種多様な人と文化芸術の交流が生まれます。 街中の広場で行われたダンスワークショップでは、道ゆく人々を巻き込んで、地元の人も外から来た人も、子どもも大人もみんなが一緒になって踊ります。
自分一人では生まれてこなかった動きや、まわりの人のエネルギーを受け取って踊り出す身体、そんな未知の世界に出会える瞬間でした。

そして最後にはハグやハイタッチが溢れ、みんなが友達になっていました。 日本に帰国してヨーロッパでの経験を振り返ると、面白い気づきがありました。

私がどんな時にワクワクを感じていたのか。

それは憧れのダンサーや劇団の作品を見たときだけでなく、自分が「街との関わり」をもったときでした。 例えば街の人とお喋りをしたり、カフェで友人とのんびり過ごしたり、だんだんとお気に入りの場所ができていったりと、「外」から来た私がその街と関わりをもてたとき、心があたたかくなると同時に、そこでの生活が色鮮やかに彩られるのを感じました。 
さらに考えてみると、私がこうしたワクワクに出会うことができたのは、その街自体に魅力があったから、そして芸術祭がその魅力に気づかせてくれるチャンスをくれたからなのだということにも気が付きました。 

手作りの楽器を鳴らしながら街を歩く。(マテーラ、イタリア) 

「だから私は地方の魅力にもっともっと出会いたい、そしてその魅力をたくさんの人のワクワクに繋げるようなことに関わりたい」

そう漠然と思っていたとき、南相馬で地域に根ざしたまちづくりに取り組んでいるMYSHに出会うことができました。
 
そしてついに先日、初めて南相馬を訪問することになったのです。

南相馬での出会い

南相馬で最初に感じたのは、落ち着いていて穏やかなところだということでした。
 
それから街に触れる中で、次第にたくさんの魅力に出会うことができました。
私が南相馬で発見した「ワクワクのかけら」を少しお伝えします。
 
原ノ町駅から少し歩くと、オーバル型の淡いグリーンの建物が出迎えてくれます。

「南相馬市立中央図書館」のエントランスでは木漏れ日がきらきら躍り、
ガラス張りのカフェではお茶をする人々の姿が。カフェの前には子どもたちの絵が飾られていて、ここは街の広場のような存在なのかなと思いました。
嬉しかったのは、図書館の方が「こんにちは」と言ってくださったこと。
自然なことかもしれませんが、この一言で私は南相馬に迎え入れてもらえたような気持ちになりました。そして広がる本の世界。本だけでなく絵画まで借りられるそうです。テラス席もたくさんあり、爽やかな風に吹かれて青空の下で読書する時間はしあわせそのものでした。

私を含めきっと多くの人が「家の近くにこの図書館があったらいいな」と思うはず。
一歩進むたびに夢が膨らむような空間です。

晴れた日の南相馬市立中央図書館 

「小高マルシェ」に行くと、真っ赤な甘いトマトや、新鮮なグリーンのししとう、オレンジ色に輝くかぼちゃなど、朝の畑で採れた野菜や果物が並んでいます。
「ここにしかないものを、ぜひ食べてみて!美味しいから!」と笑うマルシェのおばちゃん。
顔より大きな茄子は、「私はステーキ茄子にして食べるのが好きなの♪」と教えてくれました。
この土地でできる野菜たちはみんなに愛されています。
そしてそんな野菜たちが、みんなの食事の時間をカラフルにしているのを感じました。
 

「小高マルシェ」に並ぶ野菜たち

南相馬で生まれたガラスブランド「iriser」の工房では、女性たちの手しごとに目が釘付けになりました。

手元できらきらと透明に輝くガラス。その小さな光の粒を火にかざしながら、形を変えていきます。
ここを訪れる1ヶ月前、私はたまたま旅先のミュージアムショップで同じブランドのガラスアクセサリーに一目惚れし、購入していました。
今回実際に制作されている姿を目の前で見たら、そのアクセサリーはこれまで以上に大切な宝物になりました。
一つのものができあがるまでのストーリーは、知れば知るほど豊かに広がっていくのだと思います。

「iriser」のガラス工房

「どのケーキが好き?」と色々な種類を運んできてくれる喫茶店のおばちゃん、
「海岸で朝日が昇るのを是非見てほしい!」と言う市役所のお兄さん、
南相馬の街と人との関わりの中で、こうした何気ない一言からたくさんの優しさをもらいました。

そしてこの地でやりたいこと、見たい景色がどんどん増えていきました。

喫茶店のケーキ♡ 

MYSHと南相馬、そしてこれからの私

なぜ私が南相馬の魅力を「ワクワクのかけら」と表現したかというと、この魅力が南相馬内外のたくさんの人のワクワクに繋がっていってほしいと思ったからです。
 
ヨーロッパの芸術祭で感じたように、たくさんの人が南相馬の魅力を知り、ワクワクを体験できるようなきっかけをつくりたい。

そのために、人の心に届く記事を書いて魅力を発信することはもちろん、
いつかは南相馬でダンスのワークショップを企画して「ひらかれた芸術の場」をつくりたいと思っています。


あみさん、素敵な文章をありがとうございました。

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