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「幸せって?神奈川育ちの大学生が感じた南相馬の底力」|#訪問体験記

マガジン「福島県南相馬|中のひと、外のひと」では、みなみそうま移住相談窓口よりみち移住コンシェルジュ6名(中の人)と南相馬を訪問した人たち(外の人)とが、それぞれの視点で南相馬での生活や体験を切り取っていきます✍️

今回は、外のひと。
社会人向け仕事・暮らし体験プログラムにご参加いただいた「しおりさん」、大学生ならではの視点も踏まえて、南相馬での体験を綴ってくださいました。

社会人向け仕事・暮らし体験プログラム
地方移住や地方での起業を検討している方を対象に、南相馬の仕事・暮らしを広く体験してもらうプログラム。3日間、現地に滞在し、南相馬市内での働く環境を見学したり、市内名所の視察などを通じ、南相馬への移住をイメージしていただく時間となりました。



幸せってなんだろう?神奈川育ちの大学生が感じた南相馬の底力。

初めて飛び込んだ南相馬!

こんにちは!
神奈川県出身、青山学院大学の鈴木詩織です!
復興創生インターンをきっかけに、地域でのインターンに複数参加してきました。
現在は、岩手県釜石市でインターンをしており、復興からその先へと進む釜石の方々の熱量から言語化できない感情に揺さぶられる日々を過ごしています。
今年度は鎌倉と釜石の2拠点生活をしている大学4年生です。

今回、南相馬での仕事暮らし体験プログラム@社会人に参加しました。

初めて訪れる南相馬。
一緒に参加する友人や現地の知人はいませんでした。参加者の皆さんは社会人。
2泊3日、自分はどうなってしまうのか・・・正直不安だらけでした。
(来年春から地方創生事業を推進する企業に入社するため、学生でしたが参加させていただけることになりました)

そんな私が南相馬で何を体験し、感じたのか、よろしければご覧ください。

現地で見て感じることの大切さを実感

2泊3日のプログラムの中で、「震災遺構浪江町立請戸小学校」を訪れました。
今まで、岩手県釜石市や陸前高田市の震災伝承施設の見学経験はありましたが、
実際に被害のあった建物の中に入るのは初めての体験でした。


画像引用:https://namie-ukedo.com/

小学校に入ると、、、校舎内は想像以上に当時の状況がそのまま残されており、息を呑むほど衝撃的な光景が広がっていました。(後からスタッフの方にお話を伺うと、「実はこれでもかなり掃除をした」とのこと。。。)

校舎内を順路に沿って歩きます。
多くの道具は破壊され、押し流され、泥まみれの状態です。
もし自分がこの学校の小学生だったら、この学校の先生だったら、冷静になって避難できていただろうか、と考えさせられます。
正直、これまでは映像で見て「ああ、大変だなあ。」と思うだけで、何も考えることをしていない自分がいました。現地で見て、空気感を肌で感じたからこそ、震災を当事者意識を持ち、少し捉えることができたような気がします。

当時、通っていた小学生や地域住民の皆さんにとって、”もう見るのが辛い施設だから壊して欲しい”という思いも、もちろんあったと思います。

私は3.11以前のこの街を知らなければ、この街で生まれたわけでもありませんから、物理的にも精神的にも、甚大な被害を受けた福島の方々の気持ちを100%納得して理解することはできません。
しかし、地域の判断によりこのような震災遺構を残すことで、私のような何も知らなかった人に、震災遺構は訴えかけ、それぞれの形で感じ取る人が大勢いるはずです。

ここに来て、今まで見えなかった福島の姿を知ることができ、「何も知らない」ことの怖さを実感しました。

そして、小学校を後にして昼食休憩に向かう道中、私は帰還困難地域を初めて目にしました。帰還困難地域の各住宅には、入り口前に大きな柵が張り巡らされています。
自分の家だとしても、入ることができません。
私が目にした地域は、現在も立ち入り禁止区域だそうです。

私は、「今まで当たり前に何の不自由もなく過ごしてきたが、当たり前の毎日がくることは当たり前ではない。。。」と、改めて日常の1日がもたらす価値を考えながら過ごしたいと思いました。

心が豊かになる暮らし、幸せってなんだろう

皆さんの心が落ち着く瞬間、幸せだなあと心が満たされる瞬間はどんな時ですか?

ツアー3日目の午前中、南相馬市の伝統的なお祭りである「野馬追」に出場しているお馬さんに乗馬しました。

黄金色の稲穂、その先に緑の山々が広がる道を歩きます。
お馬さんのカコッカコッという足音を聞き、身体の力を抜いて呼吸します。馬主の方々とお話ししながら。

乗馬していて気づいたら、「ああ、幸せだなあ。」と自然に声が出ていました。
大自然の中で深呼吸して、地域の方や動物と会話する。動物も人間も互いに信頼して、心を許している空間。そんな南相馬の空気感が大好きでした。
自分が心地よいと感じる場所で過ごしていきたいと思った瞬間でした。

野馬追の歴史が代々続いているご家庭で体験させていただいた今回の乗馬。
地域の皆さんの野馬追に駆ける熱量をもっと肌で体感してみたくなりました。来年は必ず現地に行き、野馬追祭りをこの目で見たいと思います。

もう一度足を運びたくなる街「南相馬」

最後に、これは個人的な意見ですが「その地域にもう一度行きたくなるかどうか」私の中での判断基準は「人」と「食」です。もう一度会いたいと思う人がいるか、もう一度食べたいと思う食があるか、そして最後はもう一度あの空気感を感じたいと思うか。自分の”心の温度”に従って、また足を運びたいと思う地域は決まってくるような気がします。

ディスカッションの様子

さて、大学生ひとりで不安いっぱいで飛び込んだ今回の南相馬でしたが、ずっと楽しく、あっという間の2泊3日でした。地域に飛び込むのに、年齢も何も関係ない!むしろ多様なバックグラウンドを持つ人たちで飛び込む地域は楽しい!と気づけた時間でした。

それぞれ違う街を想い描いていたとしても、自分たち主語で目指したい街に向かって前に進んでいく大人がたくさんいる街は面白いです。
私が南相馬で感じたたくさんの”小さな幸せ”をより多くの皆さんに感じてもらいたいです。今後も、南相馬とゆるりと繋がり続けられたらと思います。

今回、南相馬で私と関わってくださった全ての皆さん、ありがとうございました!またどこかで、お会いできる日を楽しみにしております。


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