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「最新型車両 TGV inOui(イヌイ)」2017年10月(パリ~トゥールーズ~ボルドー~パリ):「TGV(フランス高速鉄道)乗車記録」第14話

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見出し画像:電源まわりが充実した最新型車両の座席。

*本文中に、写真はありません。
*駅や列車の設備、システムなどは、ひんぱんに変更されます。
記述内容は、あくまでも乗車当時のものであることをご理解ください。
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フランスには、「カルカソンヌを見ずして死ぬな」という言葉がある。

カルカソンヌはフランス南西部にあるヨーロッパ最古で最大の城塞都市だ。
日本人にはあまりなじみがない場所かもしれない。
しかし、フランス国内でモン・サン=ミシェルに次いで年間訪問者が多い一大観光地なのである。

その存在を知ったときから、カルカソンヌは私のあこがれの場所となった。
だが、そもそもフランス自体が日本から遠い。
その上、カルカソンヌはパリからかなりの距離がある。
フランスを毎年訪れるようになってからも、いずれは行きたいとぼんやり思うだけで、実際に計画を立てようとはしなかった。

ところが、なにがきっかけだったのかは忘れたが、あるとき私はカルカソンヌへの行き方を調べた。
調べてみると、なんということもない。

パリからTGVでトゥールーズまで行き、そこからTER(在来線)に乗りかえてカルカソンヌ駅で降りる。
カルカソンヌ駅から目的の城塞までは、徒歩でも行けるし、バスもある。

問題は、所要時間だけだ。
パリからトゥールーズまではTGVで5時間40分かかる。

単純に往復するだけではもったいないので、トゥールーズで何泊かしたあと、パリへ戻る前にボルドーにも泊まることにした。
ボルドーは、パリとトゥールーズを結ぶ路線の途中にある。

これで、決まりだ。
私は死ぬ前に、カルカソンヌを見ることができるだろう。

***

ボルドーは以前から興味のある町だったが、あとまわしにしていた。
それは、TGVで片道3時間以上かかり、国鉄駅から町の中心地までも距離があるので、パリから日帰りで行くのは厳しかったからである。

しかし、2017年10月に利用する予定のTGVの乗車券の発売が開始される直前に、パリ~ボルドー間の所要時間が1時間短縮された。
それにともない、パリ~トゥールーズ間の所要時間も1時間短縮されて、4時間40分となった。

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