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「至れり尽くせりのサービス」2015年10月(パリ~ジュネーヴ往復):「TGV(フランス高速鉄道)乗車記録」第10話

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見出し画像:ジュネーヴ・コルナヴァン駅のホームに停車するスイス連邦鉄道の列車。車体の「SBB(ドイツ語)」「CFF(フランス語)」「FFS(イタリア語)」は、スイス連邦鉄道の略称。

*本文中に、写真はありません。
*駅や列車の設備、システムなどは、ひんぱんに変更されます。
記述内容は、あくまでも乗車当時のものであることをご理解ください。
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小さいころから、私は外国に興味があった。

暇さえあれば地球儀をぐるぐるまわして、いろいろな国やそこで暮らす人びとのことを、あれこれと想像して楽しんでいた。
もう少し大きくなると、将来は外国や外国語に関する仕事をしたいと考えるようになった。

私はフランス語を中学生のときから学んでいる。
通っていた学校の授業にあったからだ。

そのころ、私は夏休みにアメリカでホームステイをした。
だが、アメリカは肌に合わなかった。

なにかがあったわけではない。
ただ、自分には合わないと感じただけだ。

それ以来ずっと、私の目や意識はヨーロッパを向いている。

私にとっての国際的な都市は、スイスのジュネーヴだ。
いまではすっかりパリに魅せられているが、もともとパリに関心があったわけではない。
ヨーロッパの都市で一番興味があったのは、ジュネーヴなのだ。

その町へ行く。
しかも、大好きなパリから。

私の胸は、かつてないほど高鳴っていた。

***

結論からいおう。
この年のパリ~ジュネーヴ往復は、現時点で最高に贅沢なTGVの旅だった。

第9話のバーゼルで語ったように、ジュネーヴにもTGV Lyria(リリア)のキャンペーン価格で行った。
1等席限定で、日帰りならば片道料金で往復できるというものだ。
しつこいが、1等席には食事もつき、食事代は乗車料金に含まれている。

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