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「フランス~スイスを結ぶTGV Lyria(リリア)」2015年10月(パリ~バーゼル往復):「TGV(フランス高速鉄道)乗車記録」第9話

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見出し画像:バーゼルSBB駅構内。

*本文中に、写真はありません。
*駅や列車の設備、システムなどは、ひんぱんに変更されます。
記述内容は、あくまでも乗車当時のものであることをご理解ください。
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私はふたたびライン川に架かる橋の上にいた。
だが、2年前の2013年6月に訪れた、フランスの町ストラスブールとドイツの町ケールを結ぶヨーロッパ橋の上ではない。

いま私がいる町も国境の町だが、目の前を流れるライン川は国境線ではない。この川は、この町の旧市街と新市街を隔てている。

ここはスイスの都市バーゼル。
ドイツ語圏の町だが、フランス語も通じると聞いてやってきた。

スイスはEU加盟国ではない。
通貨もユーロではなく、スイスフランだ。

しかし、私はスイスフランの現金をもたずにやってきた。
パリから日帰りだったので、クレジットカードだけで済ませようと思ったからだ。

列車を降りたあと、駅構内の売店で日本に送る絵葉書用の切手を買い、町の中心地にある本屋兼文房具屋で絵葉書を買ったあと、旧市街を散策中に見つけたパン屋の店先でサンドイッチを買ったが、すべてクレジットカードで支払うことができた。
そして、このすべての店で、フランス語が通じた。

帰りの列車に乗るまで、この調子でなんとかなるだろう。

***

この年、バーゼルへ行ったのは、TGV Lyria(リリア)のサイトをなにげなく開いたのがきっかけだった。

TGV Lyriaとは、フランスとスイスを結ぶ特別なTGVのことである。

この列車の存在は、以前から知っていた。
そして、パリからスイスまで列車で行けるなら、行ってみたいとも思っていた。

だが、日帰りが可能なのか。

TGV Lyriaで行くことのできるフランス語圏の都市はジュネーヴとローザンヌで、フランス語圏ではないがフランス語が通じる都市はバーゼルである。

ジュネーヴはパリから3時間10分、ローザンヌはジュネーヴからさらに45分かかる。
バーゼルも、3時間を少し超過する。

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