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死生観について

そもそも「死生観」とは?
死生観とは、人生と死に対する考え方や感じ方を指します。
個人の信念、文化、宗教的背景に影響され、人生の意味や価値、死後の世界についての理解や見解を含みます。

■「真言宗」と死生観について
真言宗の御詠歌にある一節が、短いながら真言宗の生死観を見事に表現しています。

それは、「阿字の子が阿字のふるさと立ち出でてまた立ち帰る阿字のふるさと」という言葉です。

「阿字」とは真言宗で使われている「梵字」という言葉で、大日如来とその生命を表します。大日如来とは宇宙そのものであり、この宇宙で生まれたものはすべて「阿字」から生まれ「阿字」へと還っていく。これが真言宗の基本的な考え方です。したがって、亡くなった方が、大日如来の世界へと還っていくための作法、これが真言宗の葬儀の精神となります。故人は葬儀を通じて己が亡くなったことを知り、お坊さんの読経や作法によって、即身成仏(この身このまま仏となること)への引導を授かり、仏弟子として大日如来の元へと還っていくという考え方です。

大日如来は、宇宙の中心に位置し、すべての存在と繋がっているとされます。このため、大日如来は宇宙全体を象徴し、すべての存在が大日如来の説法に含まれていると考えられます。


■「ワンネス」と死生観について
先ほど大日如来は、宇宙の中心に位置し、すべての存在と繋がっているとされます。このため、大日如来は宇宙全体を象徴し、すべての存在が大日如来の説法に含まれていると考えられます、とお伝えしました。

これはもし現代の言葉で表すならば、「ワンネス」が一番ニュアンスが近いと思っています。ワンネスとは、宇宙や生命のすべてが一つの存在として繋がっているという考え方です。これは、自分自身と他者、自然、宇宙全体が互いに深く関わり合っているという意識に基づいています。ワンネスの感覚を持つことで、個別の存在を超えた全体的な繋がりや統一性を感じることができます。

そして、ワンネスの視点から見ると、死生観は次のように理解されることが多いです。

死は変化の一部:ワンネスの概念では、死は終わりではなく、生命の一部としての変化と見なされます。生命は連続しており、エネルギーや存在は形を変えて続いていくと考えます。
個別性の超越:ワンネスの視点では、個々の生命は全体の一部であり、個別性は一時的なものであると考えます。死後もその存在は宇宙全体の一部として続くという信念があります。
平和と受容:ワンネスの感覚を持つことで、死に対する恐れや不安が和らぎ、自然の一部としての受容が促進されます。死は自然な過程として受け入れられ、生と死の循環が理解されます。

ワンネスの視点から見ると、死は恐れるべきものではなく、宇宙全体の一部としての変化の一環であると理解できます。これにより、より平和で受容的な死生観を持つことが、できると感じております。


■「魂」と死生観について

また死生観においてもう一つ重要な要素として「魂」という概念があります。多くの文化や宗教で語られる、肉体とは別に存在する不滅の本質や精神的な存在を指します。魂は人間の生命や意識、人格の根源とされ、死後も存在し続けると信じられています。以下に魂の概念について詳しく説明します。

魂の基本的な概念
生命の源:魂は生命の根源とされ、生き物に生命力を与えます。魂が肉体に宿ることで生命が生まれると考えられます。

意識と人格:魂は意識や人格の座とされます。個人の思考、感情、記憶、性格などは魂に宿っているとされます。

不滅性:多くの宗教やスピリチュアルな教えでは、魂は不滅であり、肉体が死んだ後も存在し続けると信じられています。死後の世界や生まれ変わり、いわゆる輪廻転生(りんねてんしょう)において魂は重要な役割を果たします。

魂は、生命や意識、人格の根源とされる不滅の存在です。宗教、哲学、科学の見解によってその理解や解釈は異なりますが、魂の概念は多くの人々の死生観や倫理観に大きな影響を与えています。2024年現在、魂の存在は科学的には証明されていません。意識や人格の源については、脳の働きによるものとする見解が一般的です。

■これからの死生観について
①土の時代から風の時代へ
2020年12月21日に起きたグレートコンジャンクション(木星と土星の大接近)を契機に、風の時代が始ったとされています。これは占星術の考え方ですが、風の時代は情報、知識、コミュニケーションが中心となる時代です。これに対して、1800年から2020年までの土の時代は物質的な価値や所有、安定性に重きを置く時代でした。土地や資源、物質的な財産が重要視され、経済成長や産業革命が進展し、物質的な豊かさが追求されました。

風の時代では、物質的な所有よりも知識や情報の共有、ネットワークの構築が重要視されます。インターネットやデジタル技術の進化により、情報の流通が加速し、地理的な制約がなくなり、人々は瞬時に繋がることができるようになりました。リモートワークの普及やシェアリングエコノミーの拡大も、この時代の特徴です。

風の時代では柔軟性や創造性、多様性が重視され、個々の価値観や自由な発想が尊重されます。また、環境問題や持続可能な社会への関心が高まり、地球規模での協力が求められます。このように、風の時代への移行は、物質的な価値から知識や情報、ネットワークを中心とした価値への転換を意味し、新たな社会のあり方を示唆しています。

②九星気学「下元の九運の時代」
九星気学における下元の九運の時代(2024年~2043年)は、変革と革新の時代として注目されています。この期間は九紫火星の影響を強く受け、火のエネルギーが活性化することで、急速な進展と変動がもたらされます。九紫火星は情熱、知識、文化、芸術を象徴し、この時代にはこれらの分野での発展が期待されます。

まず、技術革新が一層進み、デジタル技術や人工知能、バイオテクノロジーなどが急速に発展します。これにより、従来の産業構造が大きく変わり、新しいビジネスモデルや職業が生まれるでしょう。また、リモートワークやオンライン教育の普及が進み、生活様式や働き方が多様化します。

さらに、精神的な探求やスピリチュアルな価値観が重要視されるようになります。人々は内面の成長や自己啓発に関心を持ち、瞑想やヨガ、マインドフルネスといった実践が広がるでしょう。これにより、個人の精神的な健康や幸福感が高まり、社会全体がより調和した状態を目指すようになります。

また、九紫火星の時代は、環境問題や持続可能な社会への取り組みが一層重要となります。再生可能エネルギーの活用やエコロジカルなライフスタイルが普及し、地球環境を守るための意識が高まります。下元の九運の時代は、技術革新と精神的成長が融合することで、新たな社会の在り方が形成される時代となります。

①と②から、これからの死生観は、個人の精神的成長と宇宙的な繋がりを重視する視点が強まると考えられます。伝統的な宗教や哲学に加え、スピリチュアルな考え方や科学的な視点が融合し、死を生命の一部として受け入れる姿勢が広がるでしょう。特に、ワンネスの概念が普及し、死を恐れることなく、生命全体の循環の一環として捉えることで、より平和で受容的な死生観が育まれると期待されます。

私たちの予想を遥かに上回るスピードで変化する近未来社会では、死生観についても急激に変化をする可能性が高く、それらについて思考するよりも、意識をマインドフルに保ち「今この瞬間」にフォーカスすることが、より重要になると思います。「今この瞬間」を味わい、生きていることへの喜びや感謝を噛みしめて、一瞬一瞬を大切に、常に「ありがとう」の気持ちを持って、生きていく姿勢が最重要であると私は考えております。


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