「あゝ今日も、頭の中だけいそがしい・・『憂鬱を味わう』ということ・・」
迷った。自らに無理や負担にならないよう、やめておこうか。やはり形通りでなくても、やろうかと。
今年の盆の迎え火のことである。
結局、やった。焙烙の上でおがらを焚くのではない。夕方、日々灯しているキャンドルに火を灯しただけだ。
4年前、自死した兄のための迎え火である。側の菓子鉢に入っていたお菓子と、姪からのプレゼントのピンクのうさぎのように見える、小さなマスコットを添えた。ナスやキュウリの乗り物の代わりに。
夕食を終えると、毎日灯しているキャンドルだが、今日はやはり気分