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フリー台本ショートストーリー 「栞の紙を一緒に折る程度の仲の人」 #青春 #図書室 #委員会


学校に通っていた方は、仲の良い人がいたりしたのではないでしょうか。そうで無くとも、何かしらの「仲」を結んだり、結ばされたり…。
私は?そうですね…「青春」と言う言葉が似合う様な物ではなかったかもしれません。「玄冬」と言う言葉がありまして…

こちらは、「栞の紙を一緒に折る程度の仲の人」達のお話になります。図書委員会での仕事を静かな図書室で真面目にやり続ける二人の話です。

予め書いておきますが、実体験的な物ではありません。色々な文章に喰らい付いていくと、知識と想像のツギハギでこんな物ができたりします。人類文明の発展の中で「他の人の経験を知る」と言う事が大きな一因として働いていたでしょうし。

学校というあの少し曖昧さを孕んだ空間にこそ起こる尊さの様な物もあるでしょう。
しかし、学生の皆さんに忠告しておきますが…あまり関係を曖昧にするものではありません。
大きく後悔し、心に消えない跡が残る事があります故。

ー利用規約ー

利用フリー台本、連絡不要(任意で、していただけたらニッコリします。見に行くかもしれません。)
本文転載は… それが見合う人になってくださいね。
アドリブをされた場合、アドリブを加えた事を示して頂ければ全然okです。
極力クレジットを記載してください。雰囲気ぶち壊れそうだったり、あえて隠したい場合は…そこは良心に任せます…。

私Twitterアカウントを持っておりますので、よければ連絡はそちらのDMにお願いいたします。


以下コピペ用↓

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【クレジット】

 利用フリー台本

(台本名) 「栞の紙を一緒に折る程度の仲の人」
(作者) 妙々 みょーんみょーん
(サイト) note
(ページURL) https://note.com/myonmyon_myooon/n/n441e685fbc6f

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二人がラフに会話したり、二人のどちらかが地の文章を読んだりする事を想定に書いております。想定人数は一人から二人、細かく分ければ三人です。

参考読み上げ音源↓

【下から本編】

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栞の紙を一緒に折る程度の仲の人


私には、栞の紙を一緒に折る程度の仲の人がいる。

「これ」

「はい」

「量すごくない?」

「本当だわ… どんだけ作れって言うの…」

私が所属している図書委員会には、面倒臭い仕事がある。図書室の司書の人が持って来た紙を使って、栞を作ると言う物だ。

硬めの色画用紙を一つ一つ、カッターやはさみを使って決まったサイズに切っていき、それを折り紙の要領で、その月の決まった形に仕上げる。

「流石に慣れてきた…」

「本当…。いやぁ…ここまで作ると…」

「ねぇ?」

「初めの頃はさ、折り畳んだ紙の端と端が揃わないわ…」

「ハサミで切った紙の端がガタガタだったりしたわ…」

「ねぇ?」

「パッと綺麗に作れる人凄くない?」

「分かる」

「その人すらいなくなっちゃったじゃん?」

「ねぇー! 『戦力が消えた』って少し騒いだよねぇ」

「今真面目にやってんの…この二人くらい?」

「そもそも他のメンツが居ないからねぇ」

「皆んな『ありがとう〜!!!』って言うけどさぁ」

「そもそもあんたらがやんないからこっちでやってるんだっつぅの!」

「何で皆んないなくなっちゃったんだろ…」

「少しずつ人数減ってって『あれ?』って思ったら…もうねぇ…」

「本当… この話何回したっけ…」

「『この話何回したっけ』って何回言ったっけ…」

「改めて来た日を数えてみる?」

「めんどくさ〜いぃぃ 絶対多いわぁ」

「多いのは間違いない!」

「はぁ…」

「はぁ…」

いつもこんな調子である。

「やっぱさぁ、来る様に頼む?」

「まぁねぇ…でも、どうせ来ないじゃん?」

「だろうなぁ 頼みに話に行くの怖いし」

「先生すら呼ぶ気ないじゃん」

「何なのあの人達」

「虐められているんであろうか?」

「虐めてるって言うか…社会の縮図?」

「…やってくれる奴に頼むってあれ?」

「そうそう。って言うか実際今なってんじゃん」

「自分達被害者だわぁー」

「って言うかさ、それって供給独占できてるって事じゃね」

「え!…マジだわぁー…自分達が止めればダメになるわぁ」

「我ら無しでは回らない図書委員会!」

「おっ 綺麗なのできた!自分のにしよっ」

「えぇ どんなの?」

「ほらっ」

「うまっ」

「努力の賜物」

「マジで」

「それにしてもさぁ、大声出しても注意されなくなったよねぇ」

「まぁ、誰も居ない時だけどね〜」

「他の人来たらとてもじゃないけど大声出せないわぁ」

「クラスで本ばっか読んでるからさぁ 今頃こちらから話しかけるの怖くない?」

「それで自分ほとんど話す人いないからね!」

「いないわあ 全っ然いないわぁ」

「やっぱ無理だ! 他の人呼べない!」

「そうだそうだ!」

「そう言えば何個目だこれ?」

「あれ、数えんの忘れた?」

「話してたら忘れてた」

「ありゃー 数えるわ」

「お願い」

こんな風に、ほぼ同じ話を毎回している。

「何で皆んな来ないんだろうね 明らかに大変そうなのに」

「それにしてもさ、今他の人来たらどうする?」

「えぇー そうだな… いや…」

「いや?」

「いや、『いやぁー』の、いやね。」

「あぁ、そっちね」

「そっちだよ〜ほんとに〜」

「他の人かぁ… どうせ来ないしなぁ…」

「ねぇ〜」

「今来られてもさ、邪魔なまでない?」

「邪魔?」

「慣れてない人が急に入ってくる事になるでしょう?」

「あ、そうだね、」

「割とこのまんまの方が都合がいい気がして来たんだよねぇ〜」

「確かにねぇ〜」

この話は初めてだ。

私には、栞の紙を一緒に折る程度の仲の人がいる。

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