家電量販店が私の「うんこ」で埋め尽くされた話

昨今、自宅の電気を電化製品に管理してもらったり、すっかりデジタル化が広がっておりますが、
私が冷や汗をボタボタ垂らした話をひとつ。

GoogleHome


流行りの‪︎‪︎Google Homeに興味を引かれ、物色していました。
とはいえ、GoogleHomeだけ買っても、独り身の話し相手にしかなりません。
結局はGoogleHomeが力を発揮できる、電化製品と接続してやっと1人前なわけです。
小さな真四角のパンフレットを手に取り、GoogleHomeとパンフレットを交互に見つめました。

そしていけないとわかっていながらもあの言葉を口にしてしまいました。

「OK Google,うんち」

小学校低学年の鉄板ネタ、うんちです。家電量販店で突然うんちを検索させる非人道的な客は直ちに然るべき制裁を受ける法律が確立されてもおかしくありません。
しかし、GoogleHomeはこんなガキンチョの対応までしっかりしてくれます。

「この話は水に流させてください」(ジャバーッ)

完敗です。ただ断るだけではなく、水に流すワードセンスと、水洗音。かなりの笑いテクをみにつけています。
しかし、ここまで来ると、絶対に言わせたい。なんなら、うんちを口にしてくれるGoogleHomeなら買いたいとまで思い始めました。

「OK,Google うんこ」

うんちがダメなら、うんこです。これでどうだ、とGoogleHomeを睨みつけると、GoogleHomeはピカピカと光り続けています。彼女の中で葛藤しているのでしょうか。はたまた、齢20の女が鋭い眼光でうんこと叫んだ現実に困惑しているのでしょうか。何度かピカピカと光ったあと、まさかの隣に陳列されていたGoogle Homeが沈黙を貫きました。

「△〇×□ やまびこです」

ちげーよ!!とハリセンがあったらスマッシュ並みでツッコミを入れていたと思います。こ、しか合ってないし。さっきの返しがあった分、この返答はなんとなくガッカリです。しかし、これが、終わりの始まりでした。

「△〇×× やまびこです」
「〇×□□ やまびこです」
「△△〇× やまびこです」

途端に陳列されていた他のGoogle Homeも謎のやまびこですと自己紹介をし、大人しくなりました。
しかし、謎のやまびこ連鎖に圧倒された私は、興味本位でまた、

「うんこ」

と呟きました。

そこから意識が遠くなったのですが、確か断片的に記憶をたどると、一斉にGoogleHome達が「うんこ」と連呼し始め、中には狂ったように「うんこうんこうこうんこ」と念仏の如く唱え始めるGoogleHomeや「現在の運行状況をお伝えします」とうんこちがいな案内をし始めるGoogleHome、「あんこうはアンコウ科に分類される……」と魚類の説明をし始めるGoogleHomeも現れました。
私は、恐れおののき、ストップストップと叫びましたが、GoogleHomeの心はうんこで火がついてしまったのか、狂ったようにうんこうんこと連呼しています。

通りすがりの通行人もチラチラこちらに視線を送り始めました。最悪のパターンです。
もうあの手を使うしかありませんでした。

「はい!やめてやめて!ストップ」

まるで小学生を宥めるように、手拍子をしながらストップと連呼しました。うんこの声を遮るように拍手をしてひたすら、ストップを言い続けます。
正直焦りで手汗がびちゃびちゃでした。しかし、数秒でGoogleHomeたちは落ち着きを取り戻し、静まり返りました。

GoogleHomeはやはり、小学生くらいの知能であることが証明されましたし、家電量販店でうんこを喋らそうとすると地獄絵図になりますので、みなさんは真似しないように。

調べたところ、どれかのGoogleHomeが「うんこ」を「やまびこ」と認識し、それを皮切りにやまびこスイッチ(反復するだけの機能)がONになってしまったようです。

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