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農ある社会が作る未来を求めて

テクノロジーは社会を変えるのか?

企業のIT研究者として13年、現在はロボットスタートアップでプロダクトオーナーとして働いている私が、なぜ農に興味を持ち、MXLABに参加することにしたのかについて書きたいと思います。

MXLABは、NewsPicksが主催する生産者と消費者とで新しい食体験を作る共創コミュニティです。

農をやり始めたきっかけ

私の庭に1m^2ほどの小さは畑があります。最初は妻がやってみようと言ったのがきっかけで適当にホームセンターで苗を買い、化成肥料を入れて育てていました。とてもよく育ち、きゅうりは配るほど採れて大満足してました。
そして、たまたま近くで市民農園の募集があり、少し大きめの畑を手に入れることができました。
子育てをしていると、食の安全に気をつけていくようになり、どうやらこの世の中には、無肥料で安全な野菜を作る自然農法なるものが存在することを知りました。(家庭菜園レベルなので農薬はさすがに使わないですね)。
固定種の種を買い、本を見たり、Webで調べながら、無肥料での畑生活をはじめましたが、ちっともうまく育たず、むむむっ、という期間が1年ほど続きました。

次なる使命を求めて

農とは全く関係のない話になりますが、私の好きなNHKの番組に「100分de名著」があります。2021年1月の回が「カール・マルクスの資本論」。いつもの如く、酒を飲みながら見ていたわけですが、資本主義の構造の問題、その問題を解決する糸口となるコミュニティズムの思想。なるほどなるほどと思い、単純な私は斎藤幸平さんの「人新世の資本論」を買って読み、次の時代として、ポスト資本主義に向けて何かできることがないかなと模索し始めようとしたときに、Newschoolの講座、山口周さんの「ビジョンクエスト」に出会いました。このときはまだ山口周さんの「ビジネスの未来」の本を読んでいませんでしたw(今は読み終えてます)。
ビジョンクエスト全6回の講座の中で、ビジネスの役割について、そしてこれから目指すべきビジネスのあり方、ないしは個人の生き方について、事例を通して学び、私も何か行動しようという気持ちになりました。
そして行動を始めたのが自然農法をちゃんと学ぶこと、でした。

農(自然農法)の魅力

ここで私が考える農、特に自然農法の魅力について軽く紹介しておきます。機会があれば別のnoteでもまとめたいと思います。

  • 知恵と労力をかけつつ、生産量の最大化を目指さなければほぼコストゼロにできる(阿波ツクヨミファームさんの記事を読んで、なるほど素晴らしい!と思いました)

  • 労力はみんなでやれば楽しみにできる

  • 老若男女、大人も子どもも役割分担しながらみんなで作業できる

  • いろんな人が集まれば、いろんな考えを知ることができる

  • いろんなおすそ分けに出会える

  • 自然を観察し、自然とともにあることの理解が深まる

  • ゼロから生産するというプロセスを体験することで、手軽に買えるスーパーの野菜へのリスペクトが生まれる

  • そして何より、安心安全でおいしい食を手に入れることができる

ざっくりとまとめると、人と自然の多様性、人と社会への尊敬、という教育の場になり、かつ安心安全でおいしい食をも手に入れることができる。

ビジョンクエストを終えて、私がなぜ自然農法をちゃんと勉強しようと思ったか。
それは、物質的豊かさが満たされ、ビジネスの役割が終わりを告げた時、次に人類がやるべきことは生き方としての教育なんじゃないかと。人類の生き方としての教育に、農(特に自然農法)によるコミュニティというのは非常に良い教育の場になれるんじゃないかと。たまたま知っていた自然農法ですが、とてもポテンシャルを感じたのです。

そして、MXLABに入る

自然農法を学びつつ、農に興味がある人と繋がりたい、農ビジネスやっている人の話が聞いてみたい、農について議論できる場所がほしい、と思っていた矢先でのMXLABコミュニティメンバー募集。
仕事しながらでも参加できそうだったのと、社外のコミュニティにも参加したことが無かったので経験もしてみたい。
そしてNewschoolビジョンクエストでお世話になったりんさんが立ち上げたプロジェクトということで、参加する心理的ハードルも多少低かった気もします。
もはやMXLABに入らない理由がない!
自分がどこまでMXLABに貢献できるかわからないけど、対価をもらい、義務が発生するわけでもないので、えいやで参加することにしました。

MXLABの魅力と期待

私がMXLABに入ってよかったこと。それは、なんといっても新しいつながりができたこと。農に課題意識がある、ボランティアでも参加してなにかやりたい、というメンバーなので熱量が高い!
MXLABでやった企画コンペでは、たくさんの提案があり、聞いてるだけでも勉強になるし、課題感としても共感。
私も世の中に農コミュニティを普及させていきたい、という想いを語らせてもらいました。
私たちチームの企画は残念ながら落選となりましたが、企画をまとめる段階で一緒に議論できる仲間ができたことが私の一番の成果物です。

MXLAB 第二期として、Vegepeopleが始まります。
企画コンペで勝ち抜いた、素晴らしい想いの詰まった企画です。
私もメンバーとしてできるだけ関わり、プロジェクトを盛り上げていきたいと思います。
たくさんの人に畑時間の気持ちよさを届けられるように。

最後に

テクノロジーは社会を変えるのか?

冒頭に書いた文章です。
テクノロジー業界にずっと身を置いてる身としては、テクノロジーで社会を良き方向に変えるつもりでやっています。
が、テクノロジーが発展しても、人が変わらないと、幸せにはなれないんじゃないか。最近、そうも思い始めています。
そうすると、テクノロジーで社会を変える意味がなくなるので、私は、社会を変えつつ、人を変えていくこともやろうと思っています。
答えとしては、テクノロジーで社会は変わるだろうけど、それと一緒に人も変わらないといけない。

だから私は農をやるのです。

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