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陰陽五行の話5 十二支のキモ

十二支の四季

前回、「えと」の説明をして、十干と十二支は違うということを述べました。そして序でに、十二支は季節に該当する、ということをチラッと書きました。
つまり、十二支は季節と関連して考えることができる、ということです。

この部分は、東洋運命学の基礎であり、十二支を理解する上でのキモの部分でもありますので、今回もう少し、詳しく述べます。

前回の表は大切な基本なので、もう一度、じっくりと眺めてみてください。
春=木性、夏=火性、秋=金性、冬=水性です。

十二支と四季

春=木性、夏=火性、秋=金性、冬=水性です!

くどいですね、ははは(笑)。
ついでに、各季節の変わり目が土用で、一年に四回あります。
春夏秋冬、4月、7月、10月、1月の後半が土用です。

あなたは、どの季節が好きですか?
暑いのと寒いのと、どっちが苦手ですか?
ある季節に、決まっていつも体調を壊す、というようなことがありますか?

一年の中でも、みんなけっこう、そういう波があるのではないでしょうか。
自覚できるぐらい、はっきりした傾向を持つ人もあれば、波が小さいので、さほど自覚していない人もあるでしょう。
しかし、多かれ少なかれ、みんな自分独特の傾向を持っています。

そういう要素は、五行で見極めることが出来るのです。ただし、〇星人とかいう単純なものではなく、先天命式を分解して、自分のウィークポイントとなる五行を、見つけ出さなくてはなりません。

残念ながら、これは誰にでも簡単に出来る、というものではなく、一定期間の勉強は必要です。

自分のウィークポイント五行

しかし、そう言ってしまっては身も蓋も無いので、サワリの部分だけでも、ご紹介しましょう。
今回は、手順をきっちりと覚えて頂くのではなく、鑑定者がどこに着目して、どういう使い方をしているのか、その一端をご紹介するのが目的です。

いくらサワリをご紹介するとは言っても、仮にも運命学ですから、あまり浅い結論で、イージーに分かった積りになってしまうのは危険です。
運命学は、熱意と根気があれば誰にでも必ず出来ますが、あまり安易に、都合の良い結論だけ得ようとする人には不向きです。筆者は実際に、そういうタイプの人を沢山見てきました。運命学は、取扱注意です。

1、まず、自分の誕生日の干支を調べます。

今回は「日干」だけを使用しますので、かなり簡単です。
「干」だけを使用するのに「干支」を調べろと申し上げるのは、干支をきっちり出せない人は、干だけ出そうとしても、間違える確率が非常に高いからです。

自分の誕生日の干支を知らない方は、筆者のサイトの「本命・月命もう一度確認」で調べて下さい。
http://www.kumokiri.net/honmei/honmei.html

2、何月生まれかを見ます。

これで月の十二支が分かりますね。
誕生月の十二支は、無理に干支暦を見なくても、最初から決まっているので、自動的に分かります。

2月生まれなら丑月、3月生まれなら卯月ですが、注意点は、節入り日からその月がスタートする、ということです。

2月は立春から丑月がスタート。
立春の前日が節分ですが、二十四節気の節を分けるので、「節分」というわけです。
ですから本当は、節分は年に24回あります。

だいたい年の前半は5日か6日ぐらい、年の後半は7日か8日ぐらいが節入りです。
誕生日が10日過ぎの人は、節入り日を気にする必要はありませんが、ギリギリの場合はやはり、「本命・月命もう一度確認」で調べて下さい。

3、誕生月が、四季の表のどの位置にあるかを見ます。

四季それぞれ、三カ月づつ割り振られていますが、真ん中にある月が一番、四季の力が強いのです。

例えば2月~4月の三カ月が春ですが、この中では3月が、純粋な春の性質を持っています。2月はまだ前月の影響が尾を引いており、4月は既に夏に入る準備にかかっているので、後半は土用になります。

「私達は春の中で~♪、淋しさに苛立っていた~♪」(中島みゆき)

夏なら午月の6月、秋なら酉月の9月、冬なら子月の12月が、純粋な春夏秋冬です。

この卯・午・酉・子の4つの十二支は、パワーもありますが、別名を四桃花と言い、少し特殊な傾向も持っているのですが、それは別項で解説します。

4、日干の五行と、誕生月の五行の相性を見ます。

いちおう、普通の相生・相剋の原理を基本と考えて構いませんし、運命学に興味を持たれている皆さんは、たぶん五行の相生・相剋ぐらいはすぐに出てくる方が多いと思います。
しかし、相生・相剋というのは、〇×式でアッサリ片づけられるような、簡単なものではありません。
皆さん、ご自分と身近な人の相性を見てみて下さい。
九星気学の本命星でも、日干と日干でも、ナントカ星人でも何でもいいですが、相性の良い組み合わせって、意外と少ないですよね。
お互い、自分に無いものに惹かれる、という側面もありますし、もっと深い意味があるのかもしれません。

今回の見方は、まず日干を自分自身と考えます。
「日干・甲」とすれば、自分自身は木性、物質に例えれば大きな樹木です。
それならば、たっぷりお陽様に当たって水分をたっぷり貰えれば、スクスクと育ちます。
つまり、夏または冬生まれならば、環境に恵まれている。また自分と同じ五行である春も、パワーを貰えるので相性が良い、というわけです。
秋生まれだと金性なので、木性は金属に傷つけられるので相性がよくない、となります。

同じ木性でも「乙」(きのと)の場合は、しっかりした樹木ではなく、「草花」を意味します。同じ木性でも陰性なので、甲よりも繊細です。
あまり真夏のカンカン照りでは枯れてしまいますし、せっかく水分を貰っても、寒いと根腐れになってしまいます。
無条件に火性と水性が吉、というわけではなく、タイミングや量が大切、というわけです。

と言うと、「何だか難しそうだし、乙って、甲に比べると損なのでは?」と思いがちですが、乙には甲にはない特質があります。陰性独特の、洞察力とか鋭い感受性があるので、乙にしか出来ないことが沢山あります。
でも確かに、苦労も多くなりがちです。

今は、説明が楽なので、取りあえず樹木とか草花というように説明していますが、本当はそれほど単純でもありません。

木性が金性の金属に傷つけられるというのは、実は金属という物質の事ではなく、「徹る」(つらぬく)とか「切り分け、分離する」、という性質を指します。
たまたま、物質の金属も似た性質を持っているので、譬えとして説明に用いられますが、五行というのは物質ではなく、現象とか性質などの、抽象的な概念を指すのです。

とりあえず今回のポイントは二つ。
1、日柱(誕生日の干支)のうち、天干が自分自身である。

2、月柱の地支は、自分自身を取り巻く環境である。
比較的、安定した環境を得やすいかどうか、を月柱の地支で見る、ということを覚えておきましょう。

まだ天干・地支の区別がよく分からない人は、筆者のサイトで出した日柱がもし「丁卯」であれば、上(左側)の文字が天干である、と覚えて下さい。

天干(自分自身)+地支(環境)の組み合わせの良し悪しで、運命が変わってくる。しかし何も、相生が吉で相剋が凶なわけではなく、巡ってくる運気が違うということ。
早く開花して早く息切れする人もあれば、最初は苦労が多くても、それを滋養にして、後半生で大きく花開く場合もある、ということです。
とは言え、成長期に十分な栄養が与えられず、叩かれすぎるとひねこびてしまうので、後半生で大きく開花しようにも、十分な基礎力が不足してしまいます。

子供の頃にかけられる愛情と教育、それが、成長期に必要な滋養です。競争に勝つとか、家が経済的に豊か、ということではありません。
もし滋養が不十分だった方には、運命学がお手伝いできるかもしれません。
十二支のキモ、でした。


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