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九天九地~高島嘉右衛門一代記~

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昭和の易聖、高島嘉右衛門の活躍を辿るシリーズです。嘉右衛門は伊藤博文の暗殺を予言したことで知られていますが、実際は横浜を開いた大実業家。運命学に興味を持つ方、持たない方、日本人な… もっと読む
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記事一覧

九天九地13:違法売買、身の破滅

金貨密売の報い 嘉兵衛の元に、江戸で金貨売買の片棒を担いでいた山口屋の手代、幸助が顔色を…

妙風堂
5か月前
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九天九地12:罠とも知らず、新天地

新天地、横浜へ 借金に苦しむ嘉兵衛のもとに、ある日、鍋島藩の家老、田中善右衛門が訪ねてき…

妙風堂
6か月前
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九天九地11:九天九地が口を開け

墓所の修復 工事完成後、丸二日間というもの、泥のように眠りこけた嘉兵衛は、次に南部藩江戸…

妙風堂
6か月前
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九天九地10:天地騒乱・江戸激震

安政の大地震! 材木の買収を一通り終えた二日後、嘉兵衛は本郷の戸田家屋敷に招かれていた。…

妙風堂
6か月前
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九天九地9:なまずが告げる、大地震

釜鳴り 安政二年のこと、二十四歳になった嘉兵衛は、押しも押されもせぬ材木商となり、手広く…

妙風堂
6か月前
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九天九地8:天地どよめく、大異変

朝元斎との再会 債務問題が一段落と見えたある日、清三郎改め遠州屋嘉兵衛は、浅草の山口千枝…

妙風堂
6か月前
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九天九地7:虚空に描く、富の山

期待外れの鉄鉱脈 宝の山かと期待した鉄石の鉱脈だったが、思わぬ伏兵が隠れていたようだ。 更に悪いことに、南部藩は、借財の返済ぶんとして、開発資金を出資する、という約束を守らず、嘉兵衛親子は、坑夫達の賃金の支払いにさえ、事欠く始末だった。 清三郎は、老齢の身で山奥の鉱山で苦労する、嘉兵衛の姿を見るにつけ、胸が痛んだ。 何とかしてこの苦境を脱して、父に平穏な余生を送らせたいと、祈るような気持ちで、一心に働いた。その気迫が通じたのか、荒くれ者の坑夫たちも、清三郎の指示にはよく従

九天九地6:思うに任せぬ、難事業

水山蹇! 「これは…四大難卦の一つが出てしまったな。水山蹇(すいざんけん)だ」 「と、い…

妙風堂
7か月前
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九天九地5:行く手を阻む、鉄鉱山

険路はるばる 嘉兵衛が盛岡への視察旅行に旅立つには、それなりの経緯があった。 天保四年の…

妙風堂
7か月前
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九天九地4:貴相悪相、天下取り

水野南北の登場 材木商として一代で財を築き、藩史に名を遺す活躍をした遠州屋嘉兵衛だが、彼…

妙風堂
8か月前
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九天九地3:宝船、げに恐ろしき勘定書

命がけの航海 この時に嘉兵衛のした事は、一つ間違えば…いや間違わなくても完全に、大犯罪で…

妙風堂
8か月前
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九天九地2:度胸千両も神頼み

供出米の代金支払いの件で、皆が考えあぐね、重い沈黙が続いたあとである。 「それでは、この…

妙風堂
8か月前
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九天九地1:親の因果の発端は

この親にして 「積善の家に余慶あり」という言葉があるが、高島嘉右衛門こそまさしく、この言…

妙風堂
8か月前
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九天九地:序章

~実録・高島嘉右衛門伝~ 品川の高輪泉岳寺に、高島嘉右衛門の墓所がある。 泉岳寺というと、赤穂浪士の墓所で有名だが、この高島嘉右衛門の墓が、ここにあることを知る人は少ない。 しかし、この高島嘉右衛門こそ、昭和の易聖と謳われた人物で、私達の実生活に深くかかわっているのだ。 あまり表面には顔を出さなかったので、知る人ぞ知る、というところだが、日本の近代史の一端を担った人物、と言っても過言ではないだろう。 高島翁とそのご家族の名誉の為に、先に断っておくが、高島嘉右衛門と占い師団