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センスと才能の違い

以前にはわりと「私センスないんでー」と逃げ口上に使われていた、そのセンス、どこから来るのか知りたくないですか。

感性を主にした(と思われている)ゲイジュツ関連では、必須のように言われまた思わされている、このセンスの有無。
センスがなかったら、やっていけない?
いいえ。これって生まれつきのものじゃないんです。

☆ センスってなんだろう

ざっくりとwikiに頼むと「英語で五感の意味。転じて、美的感覚や感性のこと。才能と似た意味である。」と出してくれましたが。
コトバンクでは、デジタル大辞泉の解説として「1 物事の感じや味わいを微妙な点まで悟る働き。感覚。また、それが具体的に表現されたもの。2 判断力。思慮。良識。」と。

私が考えているセンスとは、どっちかいうとコトバンクの「2 判断力。思慮。良識。」が近いのかなぁ。
音楽なら、聴いた音を判別し判断するというのは、練習において必ず発生する作業ですが、そのための知識、パターン、バリエーションが頭に入っていることが、見えない大前提だったりするので。ベースになる知識。

わりと、感性というと、主観をぶん回すような感覚でいる人が多い気がするんだけど。うん、主観は主観で大事

だけど、「客観性を備えた」という意味で、知識があった方がいいです。
多くの情報が得られていて、それを利用することで、自分も周囲も、お客さんも、説得=動かすことができる、そういうときもある。

というか、主観のみで進むと、うまくいかなかったとき、矛盾が生じてしまったときの打開策がないので、必ず詰むと思います。多分。
あと、曲の解釈において妄想ストーリーがあまり好まれないのは、客観性がないのと、押しつけになるからなんですよね。

だから、「判断力」という部分での”センス”をどう作るか、ということでもあると考えて、書いてみました。

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美術館で楽しめる人、楽しめない人の違い

知識が頭に入っていることが重要、というのは、美術館に行くと、感覚で分かります。
「なんかすごいとは思うけど何がすごいのかサッパリ分からない」としか感想がでない。あれも、知識がないからなんですね。
知識のある人は凄さが分かるし、何がよいのか、作品の内容を言葉で説明できたりします。知ってる人と行くと美術館やら博物館やらがすごい面白いのは、そのせい。

ベースで知っている/知らない、この違いが、新しいことに出会って吸収できるかどうかという点で、ものすごい差になっているのも実感しましたし。

「興味を持つ」ということの、発展性というか、次へつなげられるかどうか、の部分もかなり大きいかもとか。

(ここ、けっこう大事。後述。)

ベースの知識を手に入れる

とりあえず、土台、ベースの知識を手に入れるにはどうするかと考えてみました。
多分だけど、手順として、まず自力でやる方法としては。

①知ること。対象についての知識を集めること。(ここだけでも十分に情報を得ることができます)
②基準にするものを別に定め、比較する。(判断の材料)
③比較の対象を増やして、広げていく。

けっこう、この作業は、分かる人と一緒なら、楽しいものです。
ひとりで手探りすると、ちょっとつらい。できたら、知っている人分かる人の手を借りる方が楽。あと、誰かと手分けしてやると、気分的に楽。

情報の整理と把握のしかた

比較は、たとえば曲なら、①同じ作曲者のなかでの比較、②ほかの作曲者との比較、というのができますし。大きくとんで、洋楽器の曲と和楽器の曲との比較もできたりします。
でも、まずは小さい範囲からスタートかなー。

「これくらい知っておいて」とか「なんで知らないの分からないの」とかいわれたのは、どちらかといえば演奏ではなく、曲自体のことが多かった記憶があるので、私は不勉強なせいで困った経験しかないんだなと思いますが(技術は難しいことを要求されたことがなかったレベル)。
曲作りで使うだろう部分を書いてみます。

比較で掴むべきなのは、「おなじところ」「ちがうところ」。

★ 同じ作曲者の曲で共通するものが多くあれば、その人の曲の「特徴」として、「らしさ・~ぽさ」の演出に使えます。
★ この曲だけ異色な部分がある、というのであれば、そこもまた「この曲の特徴」として、活かすことができます。
★ また、他の作曲者の傾向と比べて、たとえばリズムの使い方や構成など、違うところ・偏った特色などを見つけられれば、そこも、「特徴」。

ここはまさに、「その曲だけ見ていたら絶対に分からない」というやつなんで。
ミステリーでも、事件現場で収集した情報と、それ以外の場所・人物から収集した情報とを、少しずつ照らし合わせていくでしょ。そんな感じでやります。一箇所だけでは判断ができないんですね、全体像って。

曲に対する客観性、というのも、そうやって、身につけていくところがあるんじゃないかと思います。

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演出については、集めた情報が多い人ほど、言うことに説得力があったりしてしまうので、曲リーダーは自分に自信を持てるように、がんばっておきたいとこかも。
あと、対OBの場合も、「自分たちはこう考えているので、こうしたい」と説得力を持って言いやすいです。(実際のとこ、やりたいことのお手伝いをするのがOBの役割ですから、ここ頑張っておいてくれるとOB的には楽ですよろしくw)

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感覚の「解像度」

情報収集、と簡単に書いてましたが。
経験により、同じものを見聞きしても、受け取れる情報にはものすごく差があります。(上記の例で出した美術館でも、そういう感じでした)

モザイクなんだなぁ。と思いました。
受容器官の解像度で、同じものを見ても、大きなモザイクがかかったようにしか見えない人と、高精細に見える人と、成長段階によって違う感じ。

何でもそうですけど、最初は誰だって初期装備。
経験値積んでパラメータが変わるシステムであるならば、ある程度は回数でカバーしなくてはいけないわけで。
音や曲を聞き比べたり、楽譜をつきあわせたりを繰り返して、自分の感覚を作っていくような作業になりそうな気がします。
(私自身は、自分の一年生の時、初期のわけわからない状態は覚えてるんですけど、それ以降の変化を実感として何一つ覚えていないので、何をどうしたらよい結果になったというのが一切ないのですよね;大器晩成型すぎてジワジワいったからかなぁ)

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☆☆☆ 欲を持つ、ということ

音を聴いて判断する、そのセンスを磨くのって、どうやるのがいいのかな。

なんとなくですけど、感性を磨く、受容器官の解像度をあげる早道は、たぶん「欲を持つ」ことです。

すごい演奏を見て「ああいうのがやりたいな」「あんな演奏ができるようになったらいいな」。
「どうやったらできるだろうか???」
思ったときには、実はもうスタートしちゃってる、多分。

”好きこそものの上手なれ”ということわざは、好きという情熱、好奇心や探究心が動力源になってガンガン行けるよ、ということだと思うのですが。
同じく、人の内側にあるエンジンで一番強いもの、それは憧れ、欲望です。

だから、いい刺激を受けに外へ出ることはすごい大事だし、感受性をフル活用するような場面にたくさん出くわしてほしい。

探究心、それがあれば、技術・知識の獲得にも、積極性が出て、一足飛びに進化することもありえます。
プロの演奏を聴きに行った直後から、出す音が変わったり練習の取り組み方が変わったりするような子もいたので、人によっては、効果が即座に実感できることもあるのかもしれません。

こうなった人は「自分センスないんでー」とは、絶対にいわない。どっちかいうとガツガツ質問してくるので、びっくりするようなときもありました。面白いなぁってw

だから、解像度をぐぐっと上げるために、多少の知識を持った、センスを磨いてる最中の状態で、いい刺激を受ける、結局はそれがいいのかなぁ。
あまり、確信がないまま記事を書いてしまった。だけど、センスがない、というのはカバーできないものではないから、足らなかったら補完しようよ、という感じです(語彙)

いいサイクル、上昇スパイラルにうまく乗ってほしいなー。

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▼「センス」と「才能」の違いについて、書いてある良記事。これはとても個人的に役に立ちました。楽器もそうだと思いますが、たぶん仕事やほかのことにも同じかと思います。

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