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『ジャングル・ブック』感想


1967年の映画
監督:ウォルフガング・ライザーマン
時間:1時間18分



ジャングルというこれまた新しい領域。
アニメーション美や曲の素晴らしさがわかる作品




人間(モーグリ)と動物(中心はバギーラとバルー)によるお話ということで、人間と動物の共存を描く物語かと思ったら半分あってて半分違っている。そんな感じの作品だった。




今作は、メッセージ性というよりかはジャングルの様々な側面を見せることに特化していたと思う。


仲間を守るために決断する狼の群れやハティなどの群れで生活する象、本能を出すカー、バルー、シア・カーンや生態を見せるキングルーイなどなど、人間が頻繁に接することはない世界についてよく描かれていたと思う。


なので、個人的には、作中でモーグリにちょっかいをかけたり、悪く描かれ続けたカー、キングルーイ、シア・カーンも敵という感じはなく、人間に近い形で描かれつつもジャングルの中の動物らしさを感じた。

バルーが周りのビートにつられてしまうのもおそらくそれによるものだろう。


また、作中でジャングルから人間の村は遠いと言われていて、まさに人間社会と動物社会の物理的距離を示していると思われた(都市化が進んだ現代は特に)


シーンシーンで見ていくと、終始シャーマン兄弟による楽しげな曲が素晴らしく、最初から最後まで楽しい雰囲気で終えることができた。
特にバルーが歌うシーンはモーグリのように踊りながら歌いたくなる。

それに合わせた登場キャラクターの所作、その描き方も特徴的で印象深い。


これぞディズニーアニメーションといったところだろうか。


メッセージについては、モーグリが自然の中で『自然の成り行き』や自分と周りの社会のあり方を考える物語であった。

最後のシーンは、あれだけ頑なにジャングルに残るといっていたモーグリがかわいい娘にすんなりついていくところはあっさりし過ぎているような気もしなくはない。

が、最後の最後もモーグリが新しい世界を見て、見知らぬ存在に対して好奇心を抱く『ジャングルの動物らしさ』が描かれていたので悪くない結末だったと思う。


時間を見つけて、実写の方もいつか観賞したい。

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